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第46話「カオスな状態で学校へ」

第46話をお読みいただき、ありがとうございます!前回、ミディティ王子による「キスの練習」という斜め上の暴走により、朝の玄関先で大パニックに陥ったリリィーナちゃん。キミラカーデ王子まで巻き込んで逃げ回るカオスな光景の横で、今回はついに4人の王子たちに囲まれての登校が始まります。周囲の痛い視線と、脳内に流れ込んでくる王子たちの不健全(?)な本音に耐えかねたリリィーナちゃんが取った行動とは……!?最後に読者の皆様へ向けた、とある問いかけにもご注目ください。どうぞお楽しみください!

前回、ミディティ王子にキス

練習の相手にされかけたキミラカーデ王子が、顔を真っ赤にして全力で逃げ回り、それを

ミディティ王子が楽しそうに

追いかける……という、朝の玄関先とは思えない地獄絵図のところで終わりました。


私はドアを開けたまま、その

信じられない逃走劇をただただ呆然と眺めていた。すると、

後ろの方からハァ、と深いため息を吐きながら、カルトナージュ王子がこちらに向かって

歩いてきた。


私はようやくポカンと開きっぱなしだった口を元に戻し、こちらへやってくるカルトナージュ王子へと視線を送る。


「朝っぱらから騒がしくてごめんね、リリィーナ。……うん、

今日はちゃんとお茶を飲んで

いるね。良かった。さぁ、

皆学校へ行こう。遅れちゃうからね」


カルトナージュ王子の呼びかけで、ようやく王子たちがぞろぞろと歩き出し、私を前後左右からがっちり囲むようなフォーメーションになった。


なんともいえない気まずい

空気。しかも、通学路を進むにつれて、すれ違う周りの生徒たちからの視線が、物理的な痛みを伴うほどに突き刺さって

くる。


「何、あの子。王子様たちに囲まれて歩いてますわ。一体何様のつもりかしら……」


「あんな平民風情が、王子様たちと仲良くするんじゃないわよ」


(違うの! 仲良くじゃなくて、私はただの捕獲対象かキスの

練習台にされかかってるだけ

なのよ! 誰か誤解を

解いてー!


ひぃぃぃ! 周りのヒソヒソ声で耳が痛いよぉ! 私だって好きで王子様たちに囲まれてるわけじゃないもん! ……よし、いっそのこと逃げよう。うん、私、

逃げるわ!)


これ以上この公開処刑に耐えられるわけがない。私は一歩下がって息を吸い込むと、

王子たちに向かって頭を

下げた。


「王子様たち! 私、早く学校へ行きたいので、これで失礼

しますッ!!」

(ビュンッ!!!)


言い終わるや否や、私は風を切るような猛スピードでその場を飛び出し、学校に向かって全速力でダッシュした!


「おい! また野生リリィーナに逃げられたぞ! 追いかけなくていいのかよ!」オフィカール王子が、あ然と遠ざかっていく私の背中を見ながら叫んだ。


(心の声:『なんだよ、

俺がさっきのキス練習に呆気に取られてぼーっと歩いてる隙に、まんまと逃げやがって!

全部ミディティのせいだぞ

クソッ! ……せっかく、あいつがイライラしねえように道端の可愛い花でも摘んで渡してやろうかと考えてたのに……クソ、俺のバカ!』)


「んもう! リリィーナちゃんってすぐ逃げるよねぇ。毎回こうやって逃げ回られてたら、キリがないじゃん!」

ミディティ王子がぷくっと頬を膨まらせて地団駄を踏む。


(心の声:『これじゃあ全然

アプローチできないし、好きになってもらえないじゃん! 今のところ……カルト兄様しかまともにアプローチできてないし、

ずるいなぁ』)


キミラカーデ王子は、ハァハァと息を整えながら、すかさず

ノートにペンを走らせていた。


「リリィーナさんはどんな場面でも逃げる、と……。なるほど、行動パターンを書き出さないとですね。これでまた一つ攻略法が分かりましたぞー!」


(心の声:『にしても、出会ってからまだそんなに時間は経っていませんが、すぐ逃げるし、ラトラ嬢に変わるし、本当に一筋縄ではいきませんねぇ。恋をするのはまだまだ先な感じ

がします』)


「ふっ……やっぱりリリィーナは面白いね」

カルトナージュ王子だけは、

逃げていく私の後ろ姿を愛おしそうに見つめながら、不敵に 口元を歪めていた。


「これじゃあ意地悪のしがいがないというか……。どれだけ外堀を埋めたら、僕から逃げられなくなるのか、じっくり試したくなるな……」

(次は教室のドアの前にでも立ちはだかって、僕の腕の中に飛び込ませてみようか。うん、

それがいいな)

そうカルトナージュは思って

いる所へまだ心声は続いていた。

(心の声:『でも、こんなに

あっさり逃げられちゃったら、なーんにも出来やしないな。

さて、次はどうやって

捕まえようか』)


カルトナージュ王子はどこまでも青く広がる空を見上げ、リリィーナとの恋はいつになったら成就するのだろうか、と思いを馳せていた。


果たしてリリィーナは、卒業までに4人の王子様の中から、

たった一人の婚約者を選び抜くことができるのだろうか。

彼女の恋のゆくえは、誰にも

計り知れない未知の未来が待っている。


これから先、一体どんなハプニングやイベントが彼らを待ち受けているのだろうか。


4人の王子たちが、これから

一人ずつ、あの手この手で情熱的なアプローチを仕掛けて

リリィーナを落としにかかる。――さあ、誰が彼女の最終的な婚約者になるのか、見当はついているかい? 皆様。

(続く)

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!リリィーナちゃん、今回も素晴らしい野生の瞬発力で逃げ切りましたね!周囲の令嬢たちの冷たい視線への「キスの練習台にされかかってるだけなのよ!」という脳内ツッコミには、思わず笑ってしまいました。そして、オフィカール王子の「不機嫌にならないように花を摘んで渡そうとしていた」という、1つにまとまった健気な本音がすごく愛おしいです。その一方で、カルトナージュ王子の「教室のドアの前で腕の中に飛び込ませよう」という確信犯な企み……。王子たちの個性の違いが際立って、今後のアプローチがますます楽しみになります。最後に物語が問いかけた「誰が婚約者になるのか」、読者の皆様は予想がついているでしょうか?もし「リリィーナちゃんの逃げ足にスカッとした!」「オフィカール王子の不器用な優しさが可愛い!」と思ってくださったら、ぜひブックマークや評価、感想をいただけると嬉しいです!次回、第47話からはついに学園内での授業編(?)が始まります。次回もどうぞお楽しみに!

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