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第40話ラトラはリリィーナに戻れるのか

いつも『天然令嬢(物理)』をお読みいただき、本当にありがとうございます!前回の第39話では、3階の屋上から完璧にエレガントな姿勢でダイブし、着地先で第四王子キミラカーデを(色んな意味で)一瞬でフリーズさせたラトラ。今回の第40話は、そんなラトラの教室での様子をお届けします。授業開始まであと5分。淑女として遅刻は絶対に許されないラトラが取った、驚異の「早歩き」とは……!?そしてタイトルにある通り、ラトラは無事にリリィーナに戻ることができるのでしょうか?それでは、第40話スタートです!

「あらあら、王子達のお相手をしていたら授業まで後5分で始まってしまい

ますわ」


私──ラトラは、中庭を後にしながら

優雅に時計を確認した。遅刻など淑女のすることではありません。


わたくしは早歩きをするけれど、普通の人の早歩きが「一般的なママチャリの低速走行」だとすれば、わたくしの場合は猛スピードで走るクロスバイクと同じ速さなんですの。オホホッ。そんな風に、頭の中で読者の皆様(視聴者さん)と

お話ししていたら、いつの間にか一瞬で教室についてしまいましたわ。


「何とか間に合いましたわ。えーと、次の授業は確か……

『魔力の仕組みを知ろう』だったわ

よね」


ガラガラと扉を開けて教室に入り、私は自分の席に座る。その際も、ドレスのスカートがシワにならないように、完璧に綺麗な所作でストンと腰掛けた。


すると、周囲のクラスメイトたちが一斉にざわめき出した。

「えっ……! 何あの綺麗な座り方……

初めて見る……」


「しかも、あんなにリリィーナってお上品というか、お嬢様みたいな雰囲気だったっけ!?」


ラトラの周りの生徒たちは、見事にその美しさに釘付けになっていた。


キーンコーンカーンコーン……。


その時、授業開始のチャイムが鳴り響き、生徒たちはぞろぞろと着席した。

けれど、オフィカール王子だけはまだ教室に来ていなかった。きっと屋上でまだ大パニックになっているのでしょうね。


やがて教壇に立った先生が、魔力の仕組みについて話し始めた。一通り説明が終わると、黒板に難解な数式を書き、生徒たちに問題を出した。


「よし、誰かこの問題がわかる人ー?

わかった人は、今日の授業はもう終わっていいぞ。そのまま帰ってもいい!」


先生がそんなことを言うと、早く帰りたいクラスメイトたちはやる気に満ちあふれ、目が燃えるような熱い圧を黒板に注ぎ始めた。


しかし、問題が難しすぎて誰も手を挙げられない。その頃、ラトラは急激な眠気に襲われていた。リリィーナの意識が、すぐそこまで浮上してきているのを感じる。(リリィーナが起きて、しまうわね……。ササッと問題を答えて帰って、リリィーナに代わらないと……っ)


わたくしは襲いかかる猛烈な眠気に耐えながら、すっと上品に手を挙げた。


「おっ、リリィーナさん。この問題はかなり難しいよ? 本当に分かったなら

帰っても良いぞ?」


先生のその言葉に、ラトラの眉がピクリと跳ね上がった。


(あら? リリィーナが分からないと思っているのかしら……。しかもなんだか

上から目線ですわ。ちょっとイライラしますわね)


そんなことを心の中で思いながら、私は凛とした声でこう答えた。


「魔力は身体全体的に巡るように集中して、手から出したい場合は手に魔力を集めますの。さらに集中すると魔法が発動、または詠唱をして使う……これで合っているわね?」


教室中が静まり返った。先生は目を見開き、それから大慌てで拍手をし始めた。


「お、おお、合っている! この問題は高度な魔力制御の理論なのに、よくやったな! さすが王子達を虜にするリリィーナさんだな!」先生はこれでもかと褒めちぎっているけれど、ラトラにとっては

「虜」だとか「難しいのによくやった」とか、色々カチンッとくることばかり

だった。


(これくらい、皆わかるところでしょうに。この程度のことで褒めちぎるなんて、どういうことですの……!)


……って、心の中で文句を言っている場合では無いでしょうね。意識が切り替わる限界が近い。


私はササッと帰ってリリィーナに交代するべく、すぐにカバンを持った。

「それでは失礼いたしますわ」驚愕する先生とクラスメイトたちを置き去りにして、ラトラは教室の扉をガラガラと開けると、スタスタと優雅かつ超高速で

帰ってしまったのだった。

(第40話 終わり)

第40話をお読みいただき、ありがとうございました!ラトラの早歩きのスピードがまさかの「クロスバイク」並みという衝撃の事実が発覚しましたね(笑)。普段の野生児リリィーナとは違ったお上品で規格外なラトラですが、授業中に先生から出された超難問をサラッと正解し、ドヤ顔でカチンときながらスタスタ帰っていく姿はさすがの一言です!ちなみに、屋上で大パニックになっていたオフィカール王子はやっぱり遅刻して教室にいませんでしたね)。教室を飛び出して行ったラトラですが、この後いよいよリリィーナの人格が呼び覚まされることに……!?

「ラトラのクロスバイク並みの早歩きに笑った!」「先生にカチンときてるラトラ可愛い!」と思ってくださった方は、ぜひ下にある【☆☆☆☆☆】の評価ボタン(星をぽちっと!)や、ブックマーク登録で応援していただけるとめちゃくちゃ嬉しいです!皆さんの応援が何よりの執筆の励みになります。感想コメントもお待ちしております!

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