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第33話 盛大な力を見せたら学園中の騒ぎが収まらない

いつもお読みいただきありがとうございます!前回の第32話では、リリィーナちゃんの中に眠るもう一つの人格『ラトラ』の圧倒的なチート能力が炸裂!測定用の水晶玉を七色の光とともに粉々に粉砕してしまいました。それを見た王子たちは王妃様の言いつけを忘れてイノシシのように大突進!第33話となる今回は、その大騒ぎを聞きつけた生徒や先生たちが廊下に大殺到!学園中が大パニックになる中、人だかりを割って現れたのはまさかの学園のトップ・校長先生でした。そして校長先生の口から、リリィーナちゃんのお母さんの「ヤバすぎる過去の伝説」が明かされます……! どうぞお楽しみください!

私の教室から放たれた規格外の七色の

光と、ただ事ではない魔力の波動。

それは一瞬にして学園中へと響き

渡っていた。


「おい、1年の教室がとんでもない

ことになってるぞ!」


「さっきの光は何!? 巨大な魔力の塊を感じたんだけど!」


王子たちに全方位からメラメラとした

視線で囲まれている間にも、異変を

察知して騒ぎに駆けつけた生徒や先生

たちで、気づけば廊下は隙間もないほど埋め尽くされていた。


誰もが教室の中の、粉々になった水晶玉の残骸と、私に群がる4人の王子たちを見て大騒ぎしている。


その時だった。ザワザワと騒がしかった廊下が、一瞬にして水を打ったように静まり返る。


廊下の奥から、コツコツと一定のテンポで床を叩く靴の音が、こちらに向かって近づいてきた。


「ひ、退け! 邪魔だ!」


「おい、あの方がお見えに

なったぞ……!」


野次馬の生徒や教師たちは、その人物の登場に一様にびっくりした表情を浮かべ、モーセの海割りのように大慌てですぐに道を譲り、綺麗な道を開けていく。



人だかりを割って教室に入ってきたのは、白い髭をたくわえ、底知れない魔力を身にまとった老人だった。


老人は床に散らばる虹色の結晶――限界突破して砕け散った水晶玉を一瞥すると、最後に私の顔をじっと見つめて、優しく目を細めた。


「君かな? 学園を騒がせているのは。……ふふん、久しぶりに見たのぉ。君、もしかして、ラティちゃんの

娘かのぅ?」


「えっ!? 校長先生!?」周りの先生

たちの焦りっぷりから、その老人がこの学園のトップである校長先生だと瞬時に理解する。

私は慌てて机から立ち上がり、

頭を下げた。


「す、すいません! 朝から大騒ぎしてしまって……! 魔法を使おうとしたんですけど、ちょっと力を込めたら割れてしまって。……って、ええっ!? 校長先生、私のお母さんのことを知っているん

ですか!?」

思わず大声が出てしまった。


まさか学園の最高権力者の口から、

私のお母さんの名前(しかもラティちゃんという可愛い愛称)が飛び出す

なんて、夢にも思わなかったのだ。

「知っているとも。ラティちゃん――

ミリス・ラティアスといえば、この学園の歴史にその名を深く刻んだ伝説の

特待生じゃからな。

いやはや、面影がそっくりじゃ。

そしてやらかす規模の大きさまでも、

母親譲りとはのぉ」


校長先生は床に散らばる虹色の結晶を

見つめ、懐かしそうに目を細める。

「ラティちゃんも昔、入学初日の

魔力テストで


『私、魔法なんて使えませんわ』

と言いながら、ちょっと力を込めただけで水晶玉を【3個同時に爆破】

してのぉ……。

学園の測定器が全て粉砕され、当時の

教師たちが大パニックになったもん

じゃ。君のその規格外の力は、間違いなく母親の血筋じゃな」


「さ、3個同時に爆破……!?」

(お母さん、昔からめちゃくちゃ野生児でチート令嬢だったんじゃないのーーー!!!)


今の淑やかなお母さんからは想像もつかない大暴れ過去に、私は開いた口が塞がらなかった。お母さんのヤバい伝説が校長先生の口から明かされた瞬間、私の周りを取り囲んでいた王子たちの目が、

さらにギラリと輝きを増した。


「なるほどな……! あの王妃様がかつて唯一勝てなかったという

『伝説の天才魔導師』って、

野生リリィーナのお母様のことだった

のか!」

オフィカールが壁際から拳を握り

しめて叫ぶ。

(母親がそれだけのバケモノなら、

野生リリィーナがこれだけ強いのも当然だ! ますます俺の嫁に欲しくなって

きたぜ……!)


「あはは! 親子揃って入学初日に測定器を壊すなんて最高だよ、リリィーナ

ちゃん!」

ミディティが目をキラキラさせて

拍手する。

(学園長もお母様の知り合いなら、この騒ぎでお咎めなしになる可能性が高いね。今のうちに僕の派閥に

引き込まなくちゃ!)


「ラティおば様……。昔、僕の家に遊びに来てくれた時に、笑顔で庭の池を干上がらせていたのを思い出しました。

やはり君は、あの人の娘だったんだね」


カルトナージュがうっとりとした表情で私の手を取ろうとする。


(あの最強の遺伝子を受け継いでいるなんて、僕の将来の伴侶としてこれ以上の女性はいないよ。絶対に逃がさないからね、リリィーナ)


「伝説の魔導師の血統……。リリィーナさん、あなたの魔力構造、ますます解明したくなりました。今すぐ僕の研究室へ――」

キミラカーデが眼鏡の奥の瞳をマッドサイエンティストばりに狂わせる。


(その血筋、その細胞、その魔力のすべてを僕の特等席でじっくりと観察させてください……!)


「こらこら、王子たち。3メートル以内の接近は王妃殿下から禁じられておるのを忘れたか」


校長先生が苦笑しながら杖をひと振りすると、王子たちの足元にピカッと光る境界線が現れ、4人は「ギクッ!」と硬直してそれ以上近づけなくなった。


お母様の監視の目は、校長先生とも繋がっていたらしい。


「す、救われた……」


校長先生のおかげで、王子たちのさらなる猛突進からは逃れられたものの、廊下を埋め尽くした野次馬たちからは

「伝説の娘……!」

「王子たち4人を狂わせる

新入生……!」と、

さらにとんでもない誤解と噂の眼差しが注がれている。


お母さんの過去のせいで私の

『最強チート疑惑』は確定してしまい、初日から学園中の騒ぎはまったく

収まりそうにないのだった。


(第33話 終わり)

第33話をお読みいただきありがとうございました!まさかのお母さん(ミリス)の学生時代のレジェンド過去が発覚しましたね(笑)。「魔法なんて使えませんわ」と言いつつ水晶玉を3個同時に爆破するお母さん、現在の二重人格っぷりも含めてやっぱり最強の血筋でした。リリィーナちゃんの野生児チートはお母さん譲りだったようです!それを聞いた王子たちのカッコ( )の中の本音も、さらに独占欲と興奮が限界突破しています。カルトナージュ王子の「笑顔で庭の池を干上がらせていた」というお母さんの思い出話も最高にヤバいですね(術式どうなってるの!?)。次回、初日から学園の有名人になってしまったリリィーナちゃんの運命はどうなるのか!?続きが気になる!お母さんの過去最高!という方は、ぜひ下にある【ブックマーク登録】や【評価の☆】を押して応援していただけると、毎日の執筆の大きな励みになります!次回、第34話もお楽しみに!

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