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第32話これが私の力

いつもお読みいただきありがとうございます!前回の第31話では、暴走する王子たちをお母様(王妃様)の遠隔お説教がナイスストップ!壁際にピッタリ張り付いた王子たちをよそに、リリィーナちゃんが野生の勘で内なる人格『ラトラ』を呼び出しました。第32話となる今回は、ついに覚醒したラトラの圧倒的なチート能力がお披露目!そして、それを見た王子たちの理性がついに限界突破して……!? タイトル通り「これが私の力」と言わんばかりの衝撃の結末をどうぞお楽しみください!

私が『ラトラ』の名前を唱えた瞬間、

測定用の水晶玉から放たれた七色の

光は、一瞬にして教室中を埋め尽く

した。


「ま、眩しい!? なにこの光、目を開けていられないわ!?」

「一体どんな魔力量なのよ……! 普通の令嬢が出せる光じゃないわ!」


さっきまで私の容姿を真っ向から否定

して詰め寄ってきていたクラスのモブ

令嬢たちが、あまりの光の強さに腕で

顔を覆いながら悲鳴を上げる。


朝の会をしていたガタイの良い男性教師までもが、

「な、なんだこれは……!」


と腰を抜かしていた。教室全体が宇宙のような神秘的な七色の粒子に包まれる中、私の中にいるもう一つの人格――ラトラは、水晶玉に手を触れたまま、

フッとクールに微笑んだ。

「……これが私の力。少し出しすぎてしまったかしら?」

パキィィィン……!!!


次の瞬間、あまりの魔力密度に測定の

上限を完全に超えたらしく、高価な測定用水晶玉がパキパキと音を立てて、綺麗な虹色の結晶に変わって粉々に砕け

散ってしまった。


その瞬間、私の頭の中でカチッと

スイッチが切り替わる。

ブワッと溢れていた凄まじい魔力が嘘のように消え去り、私はいつもの普通の天然野生児――リリィーナへと意識が

戻った。


「あれ……? 私、意識が飛んでる間に、また何かやっちゃいました……?」

我に返った私の目の前に広がっていた

のは、キラキラと輝きながら床に散らばる水晶玉の残骸。


そして、開いた口が塞がらない様子で私を凝視しているクラスメイトたちの姿

だった。冷や汗が背中を伝う。


魔法の使い方は今でも全然分からないけれど、ラトラという人格のチートっぷりだけは、たった今嫌というほど理解してしまった。


しかし、私が自分の仕でかしたことに

青ざめている暇はなかった。

「お、おい……今の魔法、

マジかよ……!」


お母様の命令で

「3メートル以内に近づくな」

と言われ、部屋の四隅の壁にぴったりと張り付いたはずの王子たちの様子が、

明らかにおかしい。


お母様(王妃様)への恐怖よりも、

リリィーナ(ラトラ)の圧倒的な強さを目の当たりにした興奮が、彼らの理性を完全に限界突破させてしまったのだ。


「もう……3メートルとか、そんな命令守ってられるかよ……!!」


オフィカールを筆頭に、4人の王子たちが一斉に壁から剥がれ落ち、ものすごい形相で私の席へと突進してきたの

だった。


「野生リリィーナ! さっきの魔力テスト、どうやってやったんだ!? 気になって仕方がないじゃないか!!」


トップバッターのオフィカールは、まるで怒り狂ったイノシシみたいに猛スピードで突進してきた。


私の机にガタァン! と両手を突いて、

至近距離で目をギラギラと輝かせる。

(これは絶対に俺のものにしてやる!

そうしたらいつでも野生リリィーナと

戦えるし、リリィーナも満足だろ!)

※満足しません。私は静かに暮らした

いんです。


「ねぇねぇリリィーナちゃん!

ラトラって何!? 魔法の名前なの!?

ねぇねぇ教えてよぉ!」


続いてミディティが、私の肩を前後に

ぶんぶんと激しく揺らしながら身を乗り出してきた。

(なんなのあの力、僕より何倍も強いじゃん……! でも、こんな規格外の力を

学園の先生たちが見逃すはずない

もんね。今のうちに僕だけのものに

囲い込まないと……)


「リリィーナ、やっぱり僕が惚れたのは君だった。この凄まじい力を、国のものに渡されてたまるか」


カルトナージュが揺らされる私をミディティから優しく引き離し、そのまま私の両手をぎゅっと包み込むように握り

しめる。

その瞳は心酔したように潤んでいた。

(やっぱり君を選んだ僕が正解だったよ。君に出会った頃……いや、小さい頃に会った時と比べ物にならないほど、

今の君は綺麗で可愛くなったね……)


※さらっと重大な過去の伏線みたいなこと言うのやめてもらえます!?


「リリィーナさん! その魔法はどうやってやったのですか!? 術式の構成は!? 魔力の循環経路は!? 僕にも分かるように今すぐ解説してください!」


最後にキミラカーデが、興奮で鼻息を荒くしながら眼鏡の位置を何度も直して迫ってくる。


(これは早く僕の部屋に連れ込んで、

あと何が使えるのか、頭のてっぺんから爪先の隅々まで君を調べ尽く

したい……!)


「…………」


お母様(王妃様)の

「3メートル以内に近づくな」

という命令は、完全に彼らの脳内から

消え去っていた。


今の王子たちは、全員の顔に

『メラメラと気になって仕方がない』

という文字がでかでかと書いてあるような状態だ。


紳士の仮面なんて一瞬で粉々に砕け

散り、好奇心と独占欲の塊になった4人の溺愛モンスターが私に覆い被さるように群がっている。


(お母様……!! 助けてって言ったけど、王子たちの理性を完全にブチ切らせる燃料を投下したのはラトラ

でしたーーー!!!)


私の心の中の絶叫も虚しく、七色に輝く水晶玉の残骸よりも激しく燃え上がった王子たちの熱視線に囚われ、

私の学園生活は初日から完全に詰んで

しまうのだった。(第32話 終わり)

第32話をお読みいただきありがとうございました!ラトラの放った七色の光で水晶玉が粉々に粉砕!リリィーナちゃんの「また何かやっちゃいました?」の天然っぷり、これぞなろうの醍醐味ですね(笑)。しかし、それを見た王子たちが王妃様の命令を忘れて「壁から剥がれて大突進」してくる流れは最高にカオスでした!イノシシみたいなオフィカール、肩を揺らすミディティ、過去の因縁を匂わせるカルトナージュ、解剖しそうな勢いのキミラ……カッコ( )の中の本音が相変わらず重すぎて最高です!次回、この大騒ぎの魔力テストの後は一体どうなってしまうのか!?続きが気になる!王子たちのイノシシ突進に笑った!という方は、ぜひ下にある【ブックマーク登録】や【評価の☆】を押して応援していただけると、毎日の更新の大きな励みになります!次回、第33話もお楽しみに!

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