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第18話私は諦めない!

いつも『魔法を知らない天然令嬢ですが、なぜか四人の王子様を次々と救って(物理)溺愛されています。』をお読みいただきありがとうございます!前回、カルトナージュ王子の強烈な束縛により、ついに絶体絶命(?)のピンチを迎えたリリィーナ。第18話は、そんなリリィーナの「斜め上の大作戦」からスタートします。四人の王子が勢揃いし、リリィーナへの執着がさらに加速する神回(?)です。どうぞお楽しみください!

「やっと諦めがついた? まだ教室の中、見てないでしょ? ──このまま束縛した状態で教室に連れて行くからね」

(やっと落ち着いたかな? 結構暴れん坊なんだね、僕の『野生リリィーナ』。ふふ、そんなところも堪らなく愛らしい

けれど……)

カルトナージュ様は怪しく微笑みながら、私を縛る魔法の光の縄をぐいと

引いた。そんな私たちの姿を見て、呆れたようにため息をついたのは

オフィカール様だ。

「全く、余計な手間をかけさせ

やがって。追いかける身にも

なれっつうのに」

(まぁ、野生リリィーナのあの暴れん坊なところや、しなやかな柔軟性が最高にいいんだけどな! ──でも、次は絶対に逃がさない。すぐに見つけてやるから

覚悟しろよ?)

口ではぶっきらぼうに文句を言いながらも、オフィカール様の視線は熱く私に

注がれている。さらに、ミディティ様がふっと微笑みを漏らした。その整った顔立ちの裏には、まるで悪戯を企む小悪魔が潜んでいるかのような危うさがある。「もう、見つけるの本当に大変だったんだから! 怒っちゃうよ? ──でもさ、リリィーナって逃げるのだけは

得意だよね」

(僕たちから逃げ切れるとでも思った? 無理だよ。だって僕たちはこの国の

王子……そして、この国で一番魔法が強いんだから。君の可愛い抵抗なんて、

全部お見通さ)

「さっさと行きますよ。こんなに長い

入学式の日は初めてです」

最後にそう言って、冷たい銀のフレームのメガネをクイッと指先で上げたのは、四人目の王子であるキミラカーデ様

だった。

(君のその柔軟性や、型破りな野生の

勘はすごく魅力的です。……あぁ、もっと君を近くで、じっくりと観察していきたいな)今の私は冷静さを完全に失っているため、王子たちの熱い心の声

(本音)を上手く読み取ることができない。とにかく、この屈辱的な状況を打破することだけが頭を占めていた。

「離してよ! そしてこの光の縄を解きなさい! このまま大人しく連れて行かれると思わないことだね!」

(もう嫌になっちゃう。どうにかして

この光の縄を解いてくれないかな?

──ううん、待って。良い方法がある

じゃない!)

「おっと、大人しくして。暴れると

危ないよ」

カルトナージュ様に軽々とお米袋のように(物理で)担がれ、私たちは教室に向かって歩き出していた。だが、私はこの大作戦が王子たちにバレないよう、

ポーカーフェイスのまま静かに準備を始めていた。その作戦とは!光の縄が全身に巻かれて身動きが取れないのなら──身体を交互に上下へと激しく動かして助走をつけ、カルトナージュ様の肩から大ジャンプを決めるのだ!そして着地したら、そのまま両足を揃えてキョンシーのようにピョンピョンと超高速で跳びながら逃げる!!

(うん、これなら完璧に逃げ切れる、

素晴らしい作戦だわ……!)

己の天才的な物理の閃きに、私は心の中でニヤリと勝利の笑みを浮かべた。

庭から校舎の廊下へと入り、歩みを進めていた頃。私は今か今かと逃げ出す瞬間を狙っていた。けれど、さすがに最強の魔法を持つ四人の王子に前後左右を囲まれているため、なかなか抜け出す隙が見当たらない。

「あとちょっとで教室に着くなぁ♪ 野生リリィーナ、大人しくしとけよー?」

ヘラヘラと笑うオフィカール王子を、

私は「ぬぬぬ……」

とキッと睨みつけた。──が、その時だった。私を担いでいるカルトナージュ王子の肩が、歩調の乱れでほんの一瞬、上下に大きく動いたのだ。

(今よ……っ!!)

私はその一瞬の隙を見逃さなかった。

全身の筋肉をバネのようにしならせ、

思い切り勢いをつけて大ジャンプを敢行する!視界がぐわりと回り、次の瞬間、私の両足は見事に廊下の床へと着地していた。よしっ、着地成功! 私は

すぐさま、両足を揃えたままピョンピョンと前方へ向かって全力で跳び跳ねながら逃げ出した。

「ピョンピョン、はぁっ、はぁっ……ピョンピョン……っ! 意外と疲れる、けど……逃げないと……!」

「ブブッ……!! ぶはははは! なんだよあのジャンプの仕方! 面白すぎるだろ、あはははっっ!!」背後から、

オフィカール王子の猛烈な爆笑が響き

渡る。背後から、オフィカール王子の

猛烈な爆笑が響き渡る。彼は笑いすぎてお腹の筋肉を押さえ、廊下にへたり込みそうな勢いだ。いいわよ、バカにされようが何だろうが知ったことじゃない! 私はあのカオスな教室にだけは、絶対に

連行されたくないのだから!ピョンピョン、ピョンピョン、と必死に廊下を

跳んでいく私の背中に、急にゾクリとするほど冷たい声が突き刺さった。

「はぁ……。本当に諦めが悪いね、

リリィーナ。僕を本気で怒らせたいの? ──そっか、僕を怒らせたいんだね?」カルトナージュ王子の声のトーンが、

一瞬で地の底まで落ちている。笑顔なのに、目が全く笑っていない。その背後

から、どす黒い魔力のオーラが立ち上っているのが見えた。

「ちょっ、リリィーナちゃん、もう大人しく捕まっときなよー!?

カルトを怒らせたらダメ!

絶対ダメだよ!?」

「リリィーナさん、カルトを怒らせるのは本当にマズいです……! 普段の性格は穏やかですけど、ブチ切れると本当に

怖いんですから!」

ミディティ王子が顔を青くして叫び、

キミラカーデ王子もメガネをガタガタと震わせながら必死にカルトナージュ王子を止めようとしている。背後から迫る、かつてないガチギレの気配。緊縛ピョンピョン丸となった私の逃走劇は、ここへ来て最大の危機を迎えていた──。

だけど、後ろから迫るカルトナージュ王子の怒りが、完全にブチ切れているのが肌で分かった。恐怖? 地獄? ──

いや、そんな生ぬるい言葉とは比べ物にならないほどの、圧倒的で禍々しい

オーラが背中をく。

「待ってよリリィーナ。君は本当に、

僕を楽しませてくれるね♪」背後から聞こえる声は、信じられないほど甘く、

そして冷酷に響いた。

「だけど……君は僕から『3回』

逃げたよね?

1回目はお姫様抱っこから。

2回目はドレスを破いて僕を騙した。

そして3回目は──今、僕の肩から

逃げた。……さあどうしてやろうか?」やばいやばいやばい。さっきまでの怒りよりも、今の静かな執着の方が何倍もヤバい!怖い。本気で怖い。でも、絶対に捕まりたくない……っ!

「はぁ……。僕の足の速さを舐めないでほしいな」ヒュン、と風を切る音が

した。次の瞬間、私の真横に信じられない速度でカルトナージュ王子が追いついてくる。「ひぃぃぃぃ!!」気がつけば、目の前は冷たい廊下の突き当たり──壁だった。完全に逃げ道がないところまで、私は一瞬で追い詰められてしまったのだ。ピョンピョン丸、万事休す。

光の縄で身動きが取れない私を、

カルトナージュ王子が背後から壁へと

押しつける。「つかまえた」

カルトナージュ王子は私の顎を、長い指先でクイッと強引に持ち上げた。

彼の綺麗な、けれど酷く獰猛な瞳が、

私の目の前にある。

「これで君は、終わりだよ」囁きと

同時に、熱いものが唇に触れた。

「ちゅっ……」不意打ちのキスに、私の脳内は真っ白に染まる。

「……ふふ、何、顔を真っ赤にしてるの? もしかして、もっと激しくして

欲しい?」耳元で、カルトナージュ様が意地悪く、けれど熱っぽく息を吹き

かける。

「じゃあ……口を開けて。唇が重なってしまうよ?」カルトナージュ王子の濡れた瞳が、私の唇をじっと見つめていて──。

第18話をお読みいただきありがとうございました!必死のピョンピョン大作戦も虚しく、廊下の突き当たりでカルトナージュ王子に完全捕獲されてしまったリリィーナ。普段は穏やかなカルトナージュ王子のガチギレ(ヤンデレ)モード、そしてラストの衝撃のセリフ……リリィーナの純潔(と口内)が大ピンチです!他の王子たちも焦って追いかけてきていますが、果たして第19話でリリィーナはどうなってしまうのか……!?続きが気になる!カルトナージュ王子ヤバい!と思ってくださった方は、ぜひ画面下の【ブックマーク登録】や、評価の【☆☆☆☆☆(★)】で応援していただけると、19話の執筆の大きな励みになります!次回もお楽しみに!

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