第12話教室へGO!
みなさんこんにちは!第12話です。カルトナージュ様にお姫様抱っこされたまま教室へ連行されるリリィーナ。後ろからは残りの王子3人も恐ろしい本音を抱えて追いかけてきて、早くも大混戦!そして、たどり着いた「1年A組」の教室は、まさかの姿をしていて……!?今回もリリィーナの命がけのツッコミ(と逃走劇)をお楽しみください!
カルトナージュ王子は私をお姫様抱っこしたまま、何食わぬ顔で廊下を歩いて
教室に向かった。
「(待って、これ一体どこまでお姫様抱っこされたまま行く気なの!?
うぅっ、すれ違う人たちの視線が痛すぎる……!)」
恥ずかしさで爆発しそうな私とは対照的に、カルトナージュ王子は私をお姫様抱っこできたことがよっぽど嬉しいらしく、終始ご機嫌な様子で歩みを進めて
いる。だが、そんな甘い時間は長くは
続かなかった。
背後から、地響きを立てるような凄まじい足音が迫ってくる。あの3人の王子
たちが、怒涛の勢いで追いかけてきたのだ。一番に追いついたオフィカール王子が、凄まじいしかめっ面でズカズカと
横に並びかける。
(待てよカルト! お前だけ抜け駆けするなんてずるいだろ。俺はまだ、あいつとそんなに話したことも
ねえってのによ。チッ……!)
「(オフィカール王子、口は悪いし
怒ってるけど、ただ話したかっただけなの!? ツンデレか!!)」
正式に追いついたミディティ王子も、
可愛い足取りでトコトコと走りながら
追いかけてきた。満面の愛らしい笑顔を浮かべているが、脳内はまるで違った。(ねぇ、ばカルト兄上だけずるいよ。
僕もリリィーナと一緒に歩きたい! ……もういっそ、僕から離れられないように首輪でも付けちゃおうかな?)「(笑顔でさらっと犬扱いしようとしないでぇぇーーっ!!)」さらに、いつも冷静なはずのキミラカーデ王子までもが、メガネの奥の瞳を怪しく光らせて割り込んでくる。(カルト兄上はずるいです。私は彼女を教室よりも、自分の研究室に連れて行きたい。そして、その身体を隅々までじっくり研究したい……)「(ひぃぃぃ!! オフィカール王子はツンデレだし、ミディティ王子は私を紐で繋げようとしてるし、キミラカーデ王子は研究のことしか頭に
ないのぉぉ!?)」
腕の中に抱えられながら、次々と脳内に流れ込んでくる3人の恐ろしい本音に、私はただただ戸惑い、白目を剥くしかなかった。そんな大混戦のデッドヒートが繰り広げられる中。突如、カルトナージュ王子がピタリと足を止めた。
「(え? 着いたのかな?)」
首を傾げて辺りを見回す。けれど、そこにはおよそ「教室」と呼べるような部屋は見当たらなかった。カルトナージュ
王子の目の前にあるのは、異様なほど
頑丈に作られた、冷たい鉄の重扉だった。まるで、一度入ったら二度と出られない秘密の部屋のような――。
「ここが僕たちのクラスの部屋だよ? あれ、何? 普通の教室だと
思ってた?」
唖然とする私を見下ろして、カルトナージュ王子はにっこりと、それこそ聖母のような微笑みを浮かべた。けれど、彼の脳内からはやっぱり不穏すぎる本音が漏れ出している。
(そりゃそうだよな〜。あんなに派手に国宝級の魔法を使って、しかも誰もその魔法を破ることができなかった。それをリリィーナしか解くことが出来なかったんだから、このくらいの隔離部屋を用意されるのは当然だよ。おかげで僕たち
だけで独占できるしね)
「(……へ? ちょ、ちょっと待って
下さい! 私、普通の教室がいい
んです!!)」
心の中で全力のツッコミを入れる。だって、こんな物々しい部屋、一度入ったら最後、二度と普通の日常に戻れない気がする。私の野生の勘が、全力で
「嫌な予感がする!」と警報を鳴らしている。すると、後ろから追いついた王子たちも、当然のように腕を組んで
頷いた。
「ま、あんだけ派手なことやらかしたんだ。この特製教室で、これから3年間ずーーっと一緒の部屋だぞ。
良かったな、喜べよ?」
「(3年間監禁確定ホームルームなんて喜べるかぁぁぁーーーっ!!!)」
あまりの絶業的な未来に、私の脳内
メーターが限界を突破した。このまま大人しく連行されてたまるものか。死んでも逃げ出してやる!
そう思った瞬間、私の身体は本能的に
動いていた。これまでは恥ずかしさで固まっていたけれど、火事場の馬鹿力というやつだろうか。私は自分をがっちり
ホールドしていたカルトナージュ王子の腕を、ものすごい力で
「ふんぬっ!」とはらいのけたのだ。
「えっ……!?」まさか拒絶されると
思っていなかったカルトナージュ王子が目を見開く。その隙を見逃さず、
私はお姫様抱っこからいとも簡単にすり抜けて着地すると、脱兎のごとく廊下を真っ直ぐ走り出したのだった。
第12話をお読みいただきありがとうございました!王子たちの重すぎる愛(と不穏な計画)から逃れるため、まさかのお姫様抱っこを力ずくではらいのけて逃亡したリリィーナ。そしてカルトナージュ様の脳内から、リリィーナが「危険人物」と呼ばれている本当の理由が少しだけ明かされましたね。身に覚えがないリリィーナですが、一体過去に何があったのか……?激怒&困惑している4人の王子様から、果たしてリリィーナは逃げ切れるのか!?次回、第13話は「全力の鬼ごっこ編(仮)」です!お楽しみに!




