「私の勇気を返して! 逃げ場ゼロの学園生活」
前回、4人の王子様たちから同時にロックオンされてしまったリリィーナ。入学式がやっと終わったと思いきや、ここからが本当の地獄(?)の始まりでした……!早くもカルトナージュ様がとんでもない行動に出ます。どうぞお楽しみください!
そして、王子様たちの強烈な自己紹介がようやく終わったときだった。
ふと教壇のほうに目を向けた私は、そこに貼り出されたクラス表を見て、完全に思考がフリーズした。
「……ふぁ? あれ、私、夢でも見てるのかな? それとも何かの嫌がせ……?」何度も何度もクラス表を見つめ、ゴシゴシと音が出そうなほど激しく目を擦って確認する。けれど、非情な現実は何一つ変わらなかった。なぜかって?
そこに書かれていたのは、あまりにも
自分の目を疑うような、とんでもない
クラス分けだったからだ。周囲の空気が、一瞬でピリピリとささくれ立つのが分かった。
「何あれ、クスクス……。羨ましすぎる
でしょ!」
「はっ? あの子だけずるい! 全員平等が一番でしょ!?」あちこちから突き刺さるような不満と嫉妬の視線が飛んでくる。私はあまりの恐怖に、顔を上げる
ことすらできなくなった。そう、私が
絶望した理由――。それは、1ーAの
クラス表に、あの4人の王子様が全員揃って名前を連ねていたからだ。私はあまりの事態に唖然としていた。だけど、
ここで黙って受け入れたら私の人生は
終わる。これだけは絶対にダメだ。私は消え入りそうな勇気をギュッと振り絞り、教壇の先生に向かって
声を張り上げた!
「先生! 王子様がクラスにひとかたまりいるのはダメだと思います!」
(これで変わらなかったら、私の貴重な勇気を今すぐ返してよねぇぇーっ!?)必死の訴えに、体育館中がシィンと静まり返る。先生は一瞬、気まずそうに顔をしかめて少し躊躇したあと、重い口を開いて理由を話し始めたのだ。
「……いや、君、んんっ! じゃなくて
リリィーナさん。あなたは先ほどまで、巨大魔法……そして誰も止められない
ほど、あの『危険な人物』になって
しまったのだよ」
「嘘ですよね!? 私、魔法なんか一度も使ったことないんですよっ!?」必死の抗議も虚しく、私の勇気を粉々に削ぎ落とすような言葉が返ってくる
だけだった。そのまま、先生は逃げる
ようにマイクを叩いた。
「それでは、各教室に行ってください」
強制終了の合図とともに、周囲の生徒
たちが動き出す。呆然と立ち尽くす私の隣に、いつの間にか誰かがすっと寄り添ってきた。ツンツン、と遠慮がちに肩を突っつかれる。振り返ると、そこには
極上の微笑みを浮かべたカルトナージュ王子がいた。
「もう諦めたら? 俺たちから逃げられないんだから……っ」
相変わらずの甘いハニーボイス。けれど私の頭には、やっぱり彼のドス黒い本音がダイレクトに流れ込んでくる。
(これで逃げられないし、もうどんなことしてもいいよね?)
「(こんな時でも、しっかり不穏な本音が聞こえるのぉぉー!?)」
カルトナージュ王子は微笑みを浮かべて、何かをしようとしていた。
彼の怪しい動きに、私の頭の上には大量の(?)が浮かんだ。けれど、彼が次に起こした行動の意図は、すぐに嫌というほど理解させられることになる。
「え……?」私の身体は重力を無視したように、ひょいっと軽々と持ち上げられる。なんと、体育館のど真ん中で、
カルトナージュ王子に完全なお姫様抱っこをされていた。「きゃっっ!? じ、
自分で歩けます!!!!
下ろしてくださいぃぃーー!!!!」
顔から火が出そうなほど恥ずかしい私を腕に抱きかかえたまま、カルトナージュ王子は何食わぬ顔で歩き出すのだった。
最後まで読んでくださりありがとうございます!魔法を使っていないのに「危険人物」にされてしまったリリィーナの明日はどっちだ……!?カルトナージュ王子の行動力の早さには作者もびっくりしています。「お姫様抱っこずるい!」「リリィーナ頑張れ!」など、面白いと思ってくださったらぜひ評価やブクマ、感想をいただけると執筆の励みになります!




