↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元主婦、異世界で暗殺者となり世界を救う ~裏切られたので暗殺ギルドごと王国を乗っ取りました~  作者: 凪塩 未来


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/28

シーズン3 第3話:消えた村の謎

シーズン3第2話をお読みいただきありがとうございます!


世界の境界線に走る不穏なノイズを察知し、自ら北方への「近所パトロール(調査)」を決定した茜。第3話では、ノイズの発生源とされる北方で発生した「住民の不可解な失踪事件」の謎に迫ります!

クタバレ王国の北方、かつてのガルド帝国との国境近くに位置する緑豊かな山間部。

その一角に、ひっそりと佇む小さな村『オリーブ村』があった。豊かな水源と美味しい特産品で知られる平和な村だったが、現在のその場所は、奇妙なまでの静寂と不気味なほどの異様な空気に包まれていた。


「……なるほどね。これは確かに、ただの失踪事件じゃないわね」


村の広場の中央に立った宮内茜は、周囲をゆっくりと見回しながら低く呟いた。

愛用の潜入用ロングコートに身を包み、足音を消して歩く彼女の瞳は、目の前で起きている異常事態を冷静に分析していた。


村の家々はどれも綺麗に保たれ、テーブルの上にはまだ温かさの残っていそうなスープや、焼きたてのパンがそのまま放置されている。家畜小屋の動物たちも無事で、戸締まりすら完璧になされている。まるで、住民たちが「夕食の途中で、一瞬にして忽然と消え去った」かのように。


「建物や家具には何の傷もない。荒らされた形跡もゼロ。けれど、人間の気配だけがスッポリと抜け落ちている……」


茜はしゃがみ込み、石畳の地面に微かに残された奇妙な足跡――いや、足跡というよりも、空間がわずかに歪んだような熱の痕跡にそっと触れた。

「魔導による転移や、単なる誘拐なんかじゃないわね。これは、もっと別の……外側から無理やり『データ』をごっそり消去されたような、そんな荒っぽさを感じるわ」


王立研究所の橘が観測した「次元のノイズ」が、まさにこの村の直上を通過していた。

つまり、この村の住民たちは、次元外から飛来した何者かによって、まるで不要なファイルでも削除するかのように「別の場所へ連れ去られた(あるいは消された)」ということになる。


(勝手に他人の家に入り込んできて、住人までごっそり連れ去るなんて……本当に、どこの不法侵入者よ)


茜の眉間に、わずかに苛立ちのシワが寄った。

せっかく自分が綺麗に整え、人々の笑顔を取り戻したこの世界を、再び荒らそうとする輩がいるのだとしたら、それは母親として、そしてこの世界の管理を任された者として、絶対に許しがたい「マナー違反」だった。


「――陛下、周辺の森の捜索を終えました」


物音ひとつ立てずに背後に現れたのは、暗殺ギルド改め「国家情報局」の精鋭エージェントだった。彼女は深く一礼し、冷や汗を拭いながら報告する。

「村から半径五キロ圏内、一切の足跡や逃走の痕跡は発見できず。ただ……北方の山頂付近の空中に、肉眼では見えない微弱な『空間の裂け目』のようなものが残されているのを魔導観測器が捉えました」


「やっぱりね。お空の向こうから、勝手にゴミを回収していったってわけだ」

茜はスッと立ち上がり、冷徹な美しさを湛えた瞳で北方の山頂を見据えた。

「エージェント、よくやったわ。これ以上の被害を出さないためにも、今日の夕方までにあの裂け目の向こうにいる『不届き者』の尻尾を掴みに行くわよ」


「……っ! 陛下、お一人で次元の裂け目の向こうへ? それはあまりにも危険では――」

「危険かどうかは、実際に会ってからお掃除してみないとわからないわ」


茜はフッと不敵な笑みを浮かべ、愛用の魔導銃の安全装置をカチリと外した。

消えた村の謎を解き明かすため、最強の元主婦による「異界への踏み込み」が、いま静かに始まろうとしていた。

シーズン3第3話「消えた村の謎」をお読みいただきありがとうございました!


住民が忽然と姿を消した奇妙な村を調査し、それが次元の裂け目を介した外界からの干渉であることを見抜いた茜。いよいよ物語は、未知の侵略者との直接接触へと突入します!

次回、第4話「黒い霧の来訪者」もお楽しみに!よろしければブックマークや評価、感想をよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。