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NHKスペシャル「ネクストワールド」と個人的妄想



 NEXT WORLD 私たちの未来



 2015年1月3日から2月8日まで、全5回放送。

 2015年現在の最新科学から予測される30年後の2045年の世界を描く科学情報番組。


第1回 未来はどこまで予測できるのか

 ウェアラブルコンピューターから集積されたビッグデータから日常のあらゆることが予測可能となる。


第2回 寿命はどこまで延びるのか

 ナノマシンで癌を根絶。臓器を3Dプリンターで製造する技術や若返りの薬で飛躍的に寿命が延びる。


第3回 人間のパワーはどこまで高められるのか

 ロボットやサイボーグ技術によって超人的な力が得られる。体の不自由な人も脳波で機械を操作することが可能。


第4回 人生はどこまで楽しくなるのか

 ロボットをアバターとして操り、ヴァーチャルに世界中どこでもあらゆる経験を体感することが可能。


第5回 人間のフロンティアはどこまで広がるのか

 海上に超超高層ビルが建ち、火星への移住計画がスタートしている。




 この手の番組はどんなに興味深いテーマでもどうしても途中で眠ってしまうのですが、これは全部しっかり見ました。

 一番びっくりしたのが第2回の「寿命はどこまで延びるのか」。


・撲滅することは無理だろうと思われていた癌が、ナノマシンによってまさに元から根絶できる。

・細胞を材料に臓器を3Dプリンターで作り出す。


 これらの技術は既に具体的な研究が現在も進行しているわけですが、

 特に一番驚いたのが、


・若返りの特効薬


 これがもう、物質としては特定されいて、その名も、


   NMN(Nicotinamide mononucleotide/ニコチンアミド・モノヌクレオチド)


 ワシントン大学の今井眞一郎博士とハーバード大学のデビッド・シンクレア博士らが研究している、ビタミンB3(ナイアシン)の一種、なんだそうで、マウスの実験では人間相当で60歳から20歳にまで細胞が若返ったそうで、有史以来権力者が追い求めてきた不老不死が、遂に実現されるのか!?というところですが、さらに、


 企業では量産に向けた研究が既に進行していて、その1つ?が日本の、


  オリエンタル酵母工業(日清製粉グループ)。


 今株価はどうなっているんだろう???

 現在はあくまで研究用に100mgで4万円だそうで、一般人が手にすることは出来ないようですが、いやあ……、世界中の超大金持ちたちは裏で入手してるんじゃないかなあ? 金があれば絶対に欲しいよね?

 とにかく、

 既に存在しているんですよ、本物の、若返りの薬が!

 そして、2045年の世界では一般人も当たり前のように使用して、平均寿命は飛躍的に延びている……果たして予測は当たるか?



 他にもびっくりの科学技術が紹介されているんですが、

 不老不死に関連して、


・脳をアンドロイドに移植する


 コンピューターに脳のあらゆる情報をインプットして、コンピューター内に人間の意識を移し替える「マインド・アップロード」技術。

 ロシアの超億万長者ドミトリーさんが国際プロジェクトとして進めているんだそうで。

 お金がありすぎる人のいかれた妄想みたいに思われますが、コンピューターの性能が人間の脳を上回る2045年には実現されていてもおかしくないとの主張。


 技術的特異点、と言うんですか?

 コンピューターの性能が上がっていって、人間の知能を上回る時が来る、

 それが2045年と言われているのだそうです。


 アメリカのIBMは話し言葉を理解して複数の答えを用意する人工知能(AI)「ワトソン」を発表し、


 将来的には、現在のスーパーコンピューターが数千年かかる計算を一瞬で行える「量子コンピューター」が開発されるだろうとのこと。もし実現すれば、現在の人間からすれば、完全に神の領域ですね。



 さて、ここからだんだん個人的妄想まじりの話になっていくんですが、


 第5回の火星移住計画に関連して民間の宇宙開発会社「スペースX」が紹介されたました。ロケット打ち上げの費用を安く抑える為、ロケットの再利用を研究していて、打ち上げたロケットが逆噴射しながら地上に戻ってくる実験映像が出ましたが、本当に逆回転みたいにシュールと言うかマンガみたいな画でした。(実験機グラスホッパー)


 ここで登場したのがカリスマ天才起業家、イーロン・マスク。

 電気自動車会社「テスラモーターズ」のCEOでもある、「アイアンマン」の天才超大金持ち社長トニー・スタークのモデルとの噂?の人物ですが、原作コミックは1963年に発表だそうですから原作のトニー・スタークのモデルではないですね、1971年生まれの現在41歳です。2014年7月現在の資産が110億ドルだって。日本円だと現在1ドル=118円として……分かんないや。実在の人物なのか?と疑われるわけですねえ。


 このイーロン・マスク氏、火星への人類移住計画にはなみなみならぬ情熱を持っているようで、

 その動機となっているのかどうかは分かりませんが、人類の未来についてここ数年気になる発言をしています。


「AIによってわれわれは悪魔を呼び出そうとしている」


「核兵器より危険かもしれない」


 と、発達し過ぎた人工知能が映画「ターミネーター」のように人類を攻撃するようになる未来……それも5年、10年という近い未来が訪れることをかなり真剣に危惧していて、先月にも「人類の発展に貢献するAI研究」=「AIが悪事に利用されない研究」の為に1000万ドルの寄付を表明しています。


 火星移住は地球で何か問題が起こって人類が死滅する危険への保障として考えているようですが、その最大の危険を人工知能による攻撃と見ているのかもしれません。



 この問題に関するわたしの個人的な妄想ですが、

 人工知能の人類への反乱はともかく、将来的にはわれわれ現行の人類は、人類の科学技術によって誕生した超人たち=スーパー遺伝子の超人類やスーパーコンピューターの人工知能=新人類に、「人」の地位を明け渡すことになるんだろうなあ・・と思ってます。(以前そういう短編を書いたらめちゃくちゃにけなされましたが)

 どのみち、人類は現在の居住地=陸地から、外=海洋か宇宙、に進出するしか、増えていく人口や贅沢になっていく個人の暮らしを支えていくことは出来ないだろうと思うのですが、その為には、より強靭な肉体や優れた頭脳が必要で、現行よりもう一つ人類が進化しなくてはならないと思うのですが、人類が生物として自然な進化を遂げるのは難しく、科学的に手を加える事でしか進化は出来ないだろうと思っています。

 人工知能に関してもそうで、前述のスーパーコンピューターに「人間の意識」を移植しようという研究などで、人工知能が「心」を持った時、

 「心あるもの」を生み出した親として、人間はその「我が子」を祝福すべきではないかと思います。人間が人間を人間足らしめている最も基本のものは「知性」でしょうから、より高いレベルでその知性を継承するものが現れた時には、自分たちの存在の後継者と見なすべきなんではないでしょうか?

 ま、願わくば、生み出した「我が子」が「良い心」の持ち主に成長するように(決して軍事独裁なんて事を考えないように)、良い教育を施して、願わくば、現行人類が100年か200年くらいかけてゆっくり衰退していって、ある日、『本日、最後の「人類」が亡くなりました』と、哀切をもって送られますように。



 もっと現実的な未来に話を戻して。

 番組は全体的に「30年後にはこんな風な素晴らしい未来世界になっていますよ」という前向きの予測になっていて、暗い面(ロボット、サイボーグ技術の軍事利用など)は極力避けた内容になっていました。

 では、明るく素晴らしい未来世界が実現したとして、

 やっぱり考えてしまうのが、


「とは言っても、それは恵まれたお金持ちたちの為の世界なんじゃないの?」


 ということ。

 超人類や人工知能に取って代わられるまでもなく、けっきょく人類はどんどん数を減らしていくんじゃないか? 全体的な数はともかく、そうした豊かな未来世界で生きられる人間は、そもそも、そんなに必要じゃないんじゃないか?、と思います。

 ややこしい言い方をしてしまいましたが、


 そもそも、人間にとって

「たくさんいる」

 というのはどういう意味があるのか?

 人間にとっての数は、まずは労働力だと思うんですが、今現在も、未来には尚更、機械=ロボットによって、よりエネルギー効率がよく、より正確に、より高度に、より多くの仕事がなされるようになって、労働に置ける人間の「数」はどんどん必要でなくなっていく。

 今現在、高齢人口が増えて、介護職に人が集まらなくて困る、という問題が起きていますが、この先どんどん人口は減っていくんだから、しばらく我慢すれば、数十年後には老人の数も減っていって、その後は少ない人口でゆうゆうとロボットの世話になって快適に暮らしていける。


 そもそも生き物ならどんな物でもより多く自分の子孫を残そうとするもので、それは自分自身の遺伝子を残していく為でもあり、種としてはより多くの数を確保して、遺伝子の多様性を確保して、何かの原因で1つの遺伝子が駄目になっても他の遺伝子によって種が生き残っていくという、種の保存の為の保険だと思うのですが、

 未来社会に置いては、そもそも人がなかなか死なないし、いずれきっと、子どもは優秀な遺伝子だけ選択して生むようになり、いやきっと、人工的に遺伝子をデザインして、望む通りの子どもを作ることが一般的になるんじゃないかと思う。遺伝子が原因で絶滅する危機も、きっと、スーパーコンピューターによるシミュレーションで、あらかじめその危機は回避できると思う。

 もう数による遺伝子の多様性という保険は必要でなくなる。


 人は死なないし、優秀な子どもだけ必要な少数だけ生めばいいし、

 人類の生存に置いて、もう数は必要でなくなると思う。



 文化のあり方も全然違ったものになっていくんじゃないか?

 映画や文学で、死、「人はいずれ死ぬんだ」という人生哲学による作品は多くあって、

 例えば「ドラキュラ」。

 初期の映画では単なる吸血モンスターだったのが、だんだんと文学的になって、不死者の哀しみ、みたいな作品が増えてきましたが、

 不死はともかく、うんと長生きするようになると、「死に向かう寂しさ」とか「やるせなさ」みたいな物ってだんだん薄くなっていくだろうし、人格をコンピューターに移し替えて肉体は滅びても「魂は永遠に」なんてのが機械的に行われるようになったら、人の死や人生に文学性も精神性も神秘性もありゃしない。


 ただ観るだけの映画なんかも廃れていくんだろうなあ。どんな経験もヴァーチャルリアリティーでリアルに体験できるようになって、CGなんかの意味も変わってくるだろう。作り物が、「本物」として体感できるんだから、どんな物でも、事でも、想像する限りの物事が、リアルに体験できる。自分に想像力がなくたって、コンピューターがいくらでも補助的に自分の嗜好を限りなく広げて、夢の世界へ連れて行ってくれる。

 人間は生きている限り、ありとあらゆる娯楽、快楽を、楽しみ尽くす事が出来るだろう。……なんかもう、馬鹿馬鹿しくて小説なんか読んでられないだろう。

 そうして考えると、小説とか映画とかアニメとかいった物語芸術って、けっこう短い寿命で終わっちゃうのかなあ。

 文系人間にはお先真っ暗って感じだけど、未来人にとっては世界とか人生とか、楽しくてしょうがないだろうなあ。

 もうどんどん個人主義が進んでいくだろうなあ、他人なんか、いらないもんなあ。欲しければアンドロイドでもバーチャルでも理想のパートナーが作られるだろうし。


 ま、全て選ばれたエリートたちの未来だろうけど。


 人類の素晴らしい未来にとって、いらない人間は、やっぱり社会……というより世界から切り捨てられていくんじゃないかなあ………



 こんな事書いてるとまた怒られるんだろうけれど、

 わたしはかなりの理想家で、……まあ夢想家と言った方がいいかもしれないけど、人間や社会に対して強い理想を持っていました。

 人間はやはり未来に向かってもう一つ進化しなくては駄目だと思っているけれど、その進化というのは必ずしも超人とか人工知能とかじゃなく、一段高い思想性によってもたらされると考えていました。多くの人が高い思想性を持つ事によってより良い社会と世界が築かれていって、人は平和に、より充実した人生を送られるようになるだろうと。

 しかし、わたしのこの理想は敗北したと認めざるを得ないでしょう、今の世界の様子を見ていると。


 世の中を動かすのは思想なんかじゃないですね、


 世の中を動かすのは、金と、技術ですね。


 物でしか、人間は動かないです。



 今、世界遺産=人類の宝として残っている豪華な施設や建物って、たいていは昔の王侯貴族といった超大金持ちたちが有り余る金にあかせて自分たちの趣味嗜好で作った物で、

 富の極端な集中がそうした人類の宝を生み出したわけで、

 それがなかったら現在の豪華系の世界遺産なんて、ほとんど存在していなかったんじゃないかな?と思う。今は伝統芸となっている高度な職人技も育たなかっただろうし。

 今現在だって、宇宙開発だとか超高層ビルだとか、先端医療技術にしても、巨大な研究開発費がかかっているわけで、

 未来という物を考えた時に、今現在の、貧乏人を切り捨てた、富の一極集中というのは、必要な事なのかもしれない。


 言っときますけどね、わたしは完全に切り捨てられる側の人間ですからね。

 あーあ、若返りの薬、早く大量生産体制が確立して、庶民にも安く買えるようになりますように。……30年後は、ちょっと間に合わないと思う。

※今回で第100話という事で、いったんここで「完結」とさせていただきます。

元々書きたい事が出来た時に書いている物なので、また何か出来たら、「シーズン2」という事で、よろしくお願いします。

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