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大奥七罪絵巻 寵愛を奪われた奥女中は、強欲な御台所と嫉妬の側室たちを将軍の密書で裁き、憎悪の奥を生き抜く〜御鈴廊下に燃える女たちの闇地獄絵巻  作者: 《本能寺から始める信長との天下統一》の、常陸之介寛浩


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第41話 箱がなくとも名は殺せる

 箱は守られた。


 父の屋敷へ押し入ろうとした者たちは、門前で止められた。


 櫛の箱は奪われていない。

 赤い糸は、まだ燃えていない。

 菊乃という名も、まだ箱の奥にある。


 その知らせを聞いた時、私は確かに安堵した。


 けれど、大奥は安堵を長く許してくれる場所ではない。


 翌朝、御末の間へ入った瞬間、空気が変わっていることに気づいた。


 昨日までの噂とは違う。


 もっと粘りつくような、湿った空気だった。


 誰かがこちらを見る。

 すぐ目を逸らす。

 別の誰かに囁く。

 そして、その囁きがまた別の袖へ移る。


 小夜の鈴よりも小さな音。


 けれど、鈴よりもずっと人を傷つける音。


 噂だ。


「……また何か流れてる」


 千鳥が水桶を置きながら、低く言った。


「はい」


「昨日より嫌な感じ」


「はい」


「こういう時の『はい』、怖いんだけど」


「私も怖いです」


 そう答えると、千鳥は少しだけ目を丸くした。


「紗代が素直に怖いって言うと、逆にもっと怖い」


「どう答えればよいのですか」


「分かんない」


 千鳥は困ったように眉を寄せたあと、懐へ手を当てた。


 小夜の鈴は鳴らない。


 今日は鳴らさない。


 でも、その鈴を持っていることが、千鳥をぎりぎり立たせているようにも見えた。


 噂はすぐに形を持った。


 最初に寄ってきたのは、お吉だった。


 彼女はいつものように偉そうに近づいてきたが、顔色は悪い。目元が落ち着かず、袖の端を指でいじっている。


「篠乃井さん」


「はい」


「私、言いたくないんだけど」


「では、言わなくても」


「聞きなさいよ!」


 千鳥がぼそりと言う。


「相変わらず面倒くさい」


「聞こえてるわよ、千鳥」


「聞こえるように言いました」


「最近ほんと強くなったわね、あなた」


「褒め言葉として受け取ります」


「褒めてない!」


 お吉はそこで一度、周囲を見回した。


 誰も近づいてはこない。


 でも、皆が聞いている。


 そういう距離だった。


「……噂が流れてるの」


「内容は」


 私が聞くと、お吉は嫌そうに顔をしかめた。


「本当に言うの?」


「はい」


「怒らない?」


「内容によります」


「そこは怒らないって言ってよ」


「嘘は苦手ですので」


「もう……」


 お吉は小さく息を吸った。


「篠乃井家は、七年前、志乃様の罪を隠すために菊乃って女を寺へ逃がしたって」


 千鳥の手が、桶の縁を強く掴んだ。


 私は黙って聞いた。


 怒りは、すぐに袖の奥へ入れた。


 今ここでこぼせば、噂に餌をやるだけだ。


「続きがありますね」


 お吉は怯えた顔で頷いた。


「あなたは、母上の汚名を晴らすために、その菊乃って女を生き証人に仕立てようとしてるって。菊乃が本当にいるかどうかも分からないのに、篠乃井家が作った女なんじゃないかって」


「作った女」


 千鳥が低く繰り返した。


「人を、そんなふうに」


「私に怒らないでよ。私は聞いただけなんだから」


「誰から」


 千鳥の声はさらに低くなった。


 お吉は思わず一歩下がる。


 私は千鳥の袖に触れた。


「千鳥」


「……分かってる。怒りは半分」


「はい」


 お吉は、私たちのやり取りを見て妙な顔をした。


「あなたたち、最近その半分って何なの」


「命綱です」


 千鳥が答えた。


「何それ怖い」


「大奥なので」


「それ便利に使わないでよ」


 お吉は小さく咳払いをして、声を落とした。


「御年寄付きの女中からよ。紫の紐を結んでた。前にも言ったでしょ」


「お房様の周辺ですね」


「たぶん。私はそこまで知らないけど……でも、今回の噂、広がるのが早い。早すぎる」


 お吉は珍しく真剣な顔だった。


「篠乃井さん。私、あなたの味方ってわけじゃないけど」


「はい」


「この噂、危ないわよ。だって、志乃様だけじゃなくて、あなたのお父上も、あなたも、菊乃って人も、まとめて悪者にしてる」


「はい」


「はい、じゃなくて」


「分かっています」


 私はお吉を見た。


「教えてくださって、ありがとうございます」


 お吉はまた気まずそうに目を逸らした。


「別に。私まで巻き込まれたら嫌なだけ」


「それでも助かります」


「……本当に変な人」


 そう言って、お吉は逃げるように去った。


 その背中を見送りながら、千鳥が呟いた。


「箱がなくても、名は殺せる」


「はい」


 昨夜、門前で止められた者が言い残した言葉。


 その意味が、もう形になっていた。


 箱を奪えないなら、箱の中にある名を先に汚す。


 赤い糸を切れないなら、その糸が繋ぐ人たちをまとめて罪人にする。


 志乃。

 父。

 私。

 菊乃。


 四つの名に、一枚の汚れた札を貼る。


 大御台様のやり方だった。


 御台所の部屋へ向かう廊下で、千鳥はずっと黙っていた。


 珍しく、本当に何も言わない。


「千鳥」


「何」


「大丈夫ではありませんね」


「うん」


「私もです」


「うん」


「怒っていますか」


「怒ってる」


「はい」


「菊乃さん、生きてるかもしれないのに。やっと名前が戻ったのに。今度は作り物みたいに言われるなんて」


「はい」


「小夜だってそうだった。嫉妬で消えたとか、怪談とか、勝手に変な話にされて」


「はい」


「人を消すって、殺すだけじゃないんだね」


 その言葉に、私は頷いた。


「名を変えることも、消すことです」


「じゃあ、剥がそう」


 千鳥は懐の鈴を握った。


「その札、剥がそう」


「はい」


 御台所は、すでに噂を知っていた。


 桔梗香炉の前に座り、黒塗りの箱は出していない。


 けれど、今日は部屋そのものが箱のように感じた。


 入った途端、外の噂を一度閉じ込めるような空気があった。


「来ましたね」


「はい」


「噂は聞きましたか」


「はい」


「では、何と聞きました」


 御台所は私に問うた。


 私は一つずつ答えた。


「篠乃井家は七年前、母の罪を隠すために菊乃さんを寺へ逃がした。私は母の汚名を晴らすために、菊乃さんを生き証人に仕立てようとしている。菊乃さんという女自体が、篠乃井家の作り物かもしれない」


 言葉にすると、怒りが腹の底で熱を持った。


 だが、御台所は淡々と頷いた。


「よくできた札です」


 千鳥が思わず声を上げる。


「よくできたって」


「できの悪い札なら、すぐ剥がせます。今回の札はよくできている。だから厄介なのです」


「褒めてるみたいで嫌です」


「褒めてはいません。見ているだけです」


 御台所は、私へ視線を戻した。


「箱を奪えぬなら、名を殺す。大御台様の常套です」


「父の箱が守られたから」


「ええ。ならば箱の中身を無価値にする。菊乃という名が出る前に、その名を汚す」


「生きている菊乃さんを、篠乃井家の作り物にする」


「そうです」


「母も父も私も、まとめて罪人に」


「そして、菊乃本人が名乗り出ても、『篠乃井家に作られた女』という札が先に貼られている」


 千鳥が青ざめた。


「ひどい」


「ええ」


「どうして、そんなに人の名前を汚せるんですか」


 御台所はすぐには答えなかった。


 少しだけ目を伏せる。


「名は、血より軽いと思っているからでしょう」


「軽くないです」


「ええ」


「小夜の名前も、菊乃さんの名前も、志乃様の名前も、軽くない」


「その通りです」


 御台所の声は静かだった。


「だから、剥がします」


「どうやって」


 私が問うと、御台所は黒塗りではない小さな文箱を開いた。


 中には、いくつかの紙片が入っている。


 噂の書き取りだ。


 誰が、どこで、どう言ったか。


 お吉が教えてくれたものより、さらに細かい。


「名札を剥がすには、貼られた札を読まねばなりません」


「読む」


「ええ。怒って破る前に、何が書かれているかを読む。誰を縛ろうとしているのか、どの言葉で怯えさせようとしているのか、どこに逃げ道があるのか」


 御台所は紙片を並べた。


 一枚目。


 ――篠乃井家、志乃の罪を隠すため菊乃を逃がす。


 二枚目。


 ――紗代、母の汚名を晴らすため菊乃を利用。


 三枚目。


 ――菊乃、生き証人ではなく篠乃井家の作り女。


 四枚目。


 ――父君、七年前より大奥を欺く。


「一枚ずつ見るのです」


 御台所は言った。


「この札は、志乃の不義を真実として扱っていません」


「え?」


 千鳥が顔を上げる。


 御台所は一枚目を指で示した。


「志乃の罪を隠すため、とあります。罪の中身が曖昧です。不義とは書いていない」


「なぜですか」


 私が問う。


「大御台様は、志乃の不義が嘘だと御簾越しに口にしました。そこを突かれるのを避けています」


「では、母の不義の札は弱くなっている」


「ええ。だから今度は、篠乃井家が菊乃を逃がした、という別の札に替えた」


 御台所は二枚目を見る。


「紗代が菊乃を利用、という札。これはそなたを黙らせるためです。菊乃の名を追えば、利用していると言われる」


「追わなければ、菊乃さんはまた消える」


「そうです」


 三枚目。


「菊乃が作り女という札。これは菊乃本人に貼る札です。たとえ本人が生きて出ても、偽物と言えるようにする」


 四枚目。


「父君が大奥を欺くという札。これは父君の箱を無効にするためです。箱の中身が出ても、父君が作ったものと言える」


 全てが、先回りだった。


 母の名。

 菊乃の存在。

 父の箱。

 私の行動。


 それぞれに、疑いを貼り付けている。


「これが名札の箱」


 私は呟いた。


「確かな罪ではなく、疑わせるための札」


「ええ」


 御台所は頷いた。


「大御台様は、箱がなくとも名を殺せる。けれど、札は読むことができる」


「読めば、剥がせる?」


「すぐには無理です」


「では」


「まず、札の端を浮かせるのです」


 千鳥が眉を寄せた。


「端?」


「完全に貼りついた札は剥がしにくい。けれど、端が浮けば、そこから指を入れられる」


「紗代のお母上の結び目みたい」


「そうです」


 御台所は少しだけ笑った。


「志乃の結び目には、ほどく者のための隙があった。噂にも隙があります」


「この噂の隙は?」


 私は紙片を見つめた。


 父が菊乃を逃がした。

 私が菊乃を利用している。

 菊乃は作り女。


 隙。


 どこにある。


 千鳥が先に口を開いた。


「菊乃さんが作り女なら、どうして大御台様側はそんなに怖がるの?」


 御台所が目を細めた。


「よい隙です」


 千鳥は目を丸くした。


「今の、当たり?」


「当たりです」


「本当に?」


「ええ」


 千鳥は少し嬉しそうな顔をしたが、すぐに真顔へ戻った。


「だって、作り物なら放っておけばいい。紗代が嘘つきだって笑えばいい。でも、わざわざ噂を流すのは、菊乃さんの名前が怖いからですよね」


「その通りです」


 御台所は私を見た。


「御末の間から、こう流しなさい」


「噂を?」


「はい」


「また噂を使うのですか」


 千鳥の顔が曇った。


 小夜が噂で消されたからこそ、千鳥は噂を使うことに敏感だ。


 御台所もそれを分かっていた。


「千鳥」


「はい」


「嫌でしょう」


「嫌です」


「でも、噂を放っておけば、札は貼りついたままです」


「分かってます。でも……小夜は噂で怪談にされた。菊乃さんも、噂で作り物にされてる。そこでこっちも噂を流したら、同じことをしてるみたいで」


「違います」


 私は言った。


 千鳥が私を見る。


「噂で殺された名を、噂で生き返らせるのではありません」


「じゃあ、何?」


「噂の向きを変えて、紙に辿り着く時間を稼ぐのです」


 千鳥は黙った。


 私は続ける。


「菊乃さんの名を本当に戻すには、記録と本人の声が必要です。父の櫛箱も、無鐘庵も、辰巳屋も調べなければならない。でも今の噂が固まれば、そこへ辿り着く前に菊乃さんの名がまた殺されます」


「だから、向きを変える」


「はい」


「菊乃さんは作り物じゃなくて、誰かが怖がっている名前なんだって」


「そうです」


 千鳥は、小夜の鈴を握った。


「それなら……できるかもしれない」


 御台所が頷く。


「流す言葉は、これです」


 御台所は新しい紙に、短く書いた。


 ――菊乃の名を消した者が、今その名を恐れている。


 私はその一文を見つめた。


 誰かを罪人にする噂ではない。


 誰かを消す噂でもない。


 札を貼った手へ目を向けさせる噂。


「これを、お吉さんへ?」


 千鳥が聞く。


「ええ。お吉は怖がりですが、噂の流れは読めます」


「便利扱い」


「人には、それぞれ役があります」


「御台様が言うと怖いです」


「でしょうね」


 千鳥は少し考え込んだあと、言った。


「私が言います」


「千鳥が?」


 私が聞くと、彼女は頷いた。


「小夜のことがあるから、噂を使うのは嫌。でも、だからこそ私がちゃんと言う。人を消す噂じゃない。消した手を見る噂だって」


 御台所の目が、わずかに柔らかくなった。


「よいでしょう」


 松ヶ枝も静かに頷いた。


「御末の間から自然に流すには、千鳥が適任かもしれません」


「私、そんなに噂好きに見えます?」


「話しやすくなったという意味です」


「あ、それなら……まあ」


 千鳥は少し照れた。


 御台所は私へ視線を移す。


「篠乃井は、噂に反応しすぎないこと」


「はい」


「怒りを見せれば、利用されます」


「はい」


「ただし、黙りすぎても認めたことになります」


「難しいですね」


「大奥ですから」


 その返しに、千鳥が小さく笑った。


 その後、私たちは御末の間へ戻った。


 戻る頃には、噂はさらに広がっていた。


 菊乃は篠乃井家が作った女。


 紗代は母の汚名を晴らすために奥を乱している。


 父は七年前から大奥を欺いていた。


 それらの声が、直接ではなく、襖の隙間や袖の擦れから聞こえてくる。


 お吉は、隅でそわそわしていた。


 千鳥は真っ直ぐ彼女のところへ向かった。


「お吉さん」


「何よ。怖い顔して」


「噂、続きがあります」


「え?」


 お吉は目を丸くした。


 千鳥は声を抑えた。


 けれど、周囲に聞こえる程度にはっきりと言った。


「菊乃さんが作り物なら、どうしてその名を消した人たちは今さら怖がるんでしょうね」


 お吉の顔が変わった。


 周囲の手も止まる。


「え……」


「本当にいない女なら、放っておけばいい。なのに、篠乃井家が作ったとか、紗代が利用するとか、先に札を貼るのは変です」


「変、かしら」


「変です」


 千鳥はいつになく断言した。


「小夜の時もそうでした。消えたあとに、嫉妬だの怪談だの、変な名前を貼った。名前を消した人ほど、あとから余計な札を貼りたがるんです」


 お吉は、少し青ざめた。


「千鳥、あなた……」


「私は小夜を怪談にされたままにしたくない。菊乃さんも作り物にされたままにしたくない」


 千鳥は懐に手を当てた。


 鈴は鳴らない。


 でも、そこにある。


「だから、私はこう思います。菊乃さんの名を消した人が、今その名を怖がっているんだって」


 その言葉は、静かに広がった。


 御末の間にいた女たちは、誰もすぐには反応しなかった。


 だが、沈黙の質が変わった。


 ただ怯えている沈黙ではない。


 考え始めた沈黙だった。


 お吉が小さく言った。


「……それ、誰に聞いたの」


「自分で考えました」


「あなたが?」


「失礼ですね」


「ご、ごめん」


 お吉は本気で戸惑っているようだった。


 千鳥は少しだけ胸を張った。


「千鳥にしては上出来でしょう」


 私は思わず微笑んだ。


「はい。千鳥にしては上出来です」


「そこで紗代が言うと腹立つ!」


 その声に、御末の間の何人かが小さく笑った。


 ほんの少し。


 本当に小さな笑いだった。


 でも、その笑いは噂の棘を少しだけ鈍らせた。


 お吉は、しばらく考え込んでから、近くの女中へ小声で何かを囁いた。


 早い。


 さすがお吉だった。


 千鳥が私の隣へ戻ってきて、小声で言う。


「これでいいのかな」


「はい」


「小夜、怒らないかな」


「たぶん、少しだけ褒めます」


「少しだけ?」


「小夜さんですので」


「うん。分かる」


 その日の夕方には、噂の形が少し変わっていた。


 篠乃井家が菊乃を作った、という声に混じって、


 菊乃という名を恐れている者がいるらしい。


 菊乃の名を消した者が、今さら焦っているらしい。


 大御台様の周りが、その名を嫌がっているらしい。


 そんな囁きが流れ始めた。


 まだ弱い。


 だが、札の端は少し浮いた。


 夜、お房から紙片が届いた。


 紫の糸で結ばれた小さな紙片。


 御台所が開く。


 そこには、短く書かれていた。


 ――札が剥がれ始めました。


 千鳥が息を呑む。


「届いた」


「はい」


「噂の向き、変わった?」


 御台所は紙片を見つめ、静かに頷いた。


「少しだけ」


「少しだけでも?」


「ええ」


 御台所は私たちを見た。


「十分です。時間が稼げます」


「次は、菊の寺ですね」


 私が言うと、御台所は頷いた。


「ええ。菊乃を探します」


 千鳥が小夜の鈴を握った。


「今度は、名前を殺させない」


「はい」


 私は、文机の上の紙片を見つめた。


 札が剥がれ始めました。


 まだ、ほんの端だけだ。


 でも、端が浮けば、そこに指を入れられる。


 母の結び目のように。

 父の櫛箱の隠し底のように。

 菊乃の名も、そこから剥がせるかもしれない。


 箱がなくとも名は殺せる。


 ならばこちらは、箱がなくとも名を守る。


 紙で。

 噂で。

 鈴で。

 そして、呼ぶべき時に、本当の名を呼ぶことで。


 夜の大奥のどこかで、また見えない名札が一枚、音もなく剥がれかけていた。

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