孤独な帝国 其の十二
もうそろそろで地下に着くらしい。
部屋丸ごとの降下も原則に入っているっぽいが流石に体感で気づけないほどの変化だな、脳内でAIさんが指摘してくれなかったらマジで気づないままだっただろうな。
「まもなく到着ですが、最後に一つ...私の方から言わせてほしい事が」
到着の準備というか覚悟を各々で決めていた所でフェネクスさんがそう言いながらこちらへと視線を向ける。
「地下に居る人間に、地上での話を少しでもしていただけたら幸いです」
「地上の話か…なんでもいいのか?」
ぶっちゃけ自分だと話せる内容に限りがある。
そもそもこの世界で目が覚めてからまだ日も浅いし、出会った人間は皆無だ。
地上の話だと最近暴れてるスライム取り押さえて仲間の肉体にしたとかいう、言語化すると余計謎になる出来事しかなかったけどこれでもいいのかなぁ?
「私達のお話でも大丈夫そぉ?」
「問題ないかと…ぜひ聞かせてあげてください」
アラク姐さんの話は科学力とはまた少しズレた世界の話になりそうだしな。
いい加減あの生肉の話とか詳しく聞いてみたいな。帰ったら教えてもらえるかな?
...ガコンッ...
どうやら到着らしい、部屋の操作で動かしていたレバーらしきものをフェネクスさんが再度動かし、扉を開ける。
到着の揺れで再度外付けAIさんが震えてるのをほんのり茶化しつつ、開いた扉から地下へと降り立つ。
「ここが噂の地下か...窓口はどこかな?」
「残念ながら期待に応えれる設備はございません...先ほどの部屋での質疑応答で審査は通過済みですので、どうぞお進みください。こちらです」
案内されるまま、全員でフェネクスさんの後を歩いていく。
扉の先に広がる空間は、土と木の根で構成された地下空間などではなく、
光沢ある金属で補強された壁や、何かしらの実験で使われてたであろう培養器やモニターが所狭しと置かれた空間だった。
「凄いな、実験場って感じだ…」
「色々設備が整ってるって感じねぇ」
姐さんの言う通り、設備が整っている。いや""整い過ぎている"と言ってもいいぐらいだ。
少なくとも自分が確認した限りではこの森でここまでの鉱石は集まらないはず、アント族に地下の鉱石類の交換交渉を持ちかけた際に土しかないような話をされたから間違いないはずだ。
「ってことはこの金属や化学製品はどこか別の場所から取り寄せたとか...もしくは生み出した?」
「皆さま、色々気にはなるでしょうがひとまずこちらで少しお待ちください」
フェネクスさんが立ち止まり指示した場所は、所謂談話室の内装だけ配置したような場所だった。
取り合えず何か焦ってもしょうがないし、下手に触って壊したりしたらどうしようもないので言われた通りに座って待つとしよう。
「それでは、連れてきますのでお待ちください」
はてさて...何が来るかな?
タイトル詐欺はしたくないので、ここでもこれからも主人公は「他人」とは出会いません。
ただ主人公の価値観がぶっ飛んでるので「アルラウネ」や「アラクネ」や「アント」といった、人によっては亜人や異業種と言われそうな外見の者たちをこいつは「人」で認識してるので、本人は出会ってないのはあくまで「自身と似通った姿の人間」ぐらいに思ってます。やっぱ頭おかしいよこいつ




