孤独な帝国 其の六
遅刻!
◆
燃え滾る体内が当然に感じる、それが当たり前でないことは目の前の人間を見れば分かる。
思考...考察...結論、この世界の、 既存の人間ではない目の前の人物は会話を試みてくれている。
言語は分からないが、どうも本人の技量か能力か、翻訳を行っているらしい。最初の言葉は通じていなかったようだが。少し残念。
...だがもう間もなく、この者と会話が出来る。
◇
「さて困ったぞ...」
こいつの言葉に翻訳が掛かったことが正直問題だ。
これで「もしかしたら同じ世界から来た人の可能性」が完全に消えたからな。
「少なくとも、知ってる言語じゃなかった...そりゃ世界中の言語を把握してるわけじゃないが...」
これは憶測でしかないが、この世界で覚えた「花鳥風月」で翻訳されるということは、「この世界の理」に則ってるということなんじゃないかと思う。
だから自分と小ルラウネ達やアラク姐さんが会話できるわけで、もしこの能力をもって元の世界に帰れても、あの世界で通訳として使うことはできないんじゃないかと思ってる。
「ってことはこいつはこの世界の理で喋ってる、元々この世界に居たか。もしくは...」
自分とは別の世界からやってきた奴が関わってる可能性か。
「;ςιενίαβαλατακ εμ...ろ通じますか?」
「おぉいきなり翻訳されだした...」
「そちらの言葉も理解できます、会話可能」
会話可能...あぁ最初に会話出来るか聞いたからその返事ってことね。
「ひとまず会話出来て何よりだよ...ところでいくつか質問があるんだけど大丈夫かい?」
「問題ありません、というよりこちら側からもいくつか質問があるので大丈夫でしょうか?」
「お互い質問アリってことね、したら順番に聞いていくかな」
「了解しました」
さーてまず一番聞きたいことが多すぎるんだよなぁ...後ろからの視線も相変わらず圧あるし。
「とりあえず、貴方は誰?」
「後ほど同じ質問をお返しします...私はフェネクスと申します。この場所で案内人の役割を与えられた者です。で、貴方...この世界の人間ですか?」
「案内人だったのか...質問に答えよう、自分はこの世界に気が付いたら来ていたから、まぁ多分この世界の人間じゃないよ、うん...えーっとフェネクスだっけ、貴方に役割を与えたのは...誰?」
「やはり別の世界からの...私に役割を与えたのは貴方と同じ、この世界ではない場所から来た者です。残念ながら同じ世界ではないようですが。貴方達がここへ侵入した目的は?」
「やっぱ別の世界だよなぁ、言語違ったし…来た目的は最初は偶然発見したから好奇心。今はフェネクスがどういう存在なのかを確認するため。あの天窓のガラスってここで作れる?」
「成程、私の存在に疑問を抱かせてしまったのですね...ですがそれが理由で訪ねてくださったのなら行幸...天窓は地下で製造している素材の流用ですね、一通りの加工はこの部屋で可能です」
質問の回答と再質問のラリーがスムーズすぎる...なんかだんだん楽しくなってきたな?
フェネクスも地下の人も設定は出来てます。




