優秀な脳内秘書がウイルスだった可能性?
「やっと入口だ…帰りは上りだから地味に膝に来た…」
「もう、心配でも付いて行かないから…」
うん、小ルラウネには悪いことをしたなと。
心配かけたのは悪かったけどそれはそれとして無理やり連れてきたのはきゅーちゃんだからな?
「さて、戻って拠点で休もう。あと姐さん達に軽く報告してね」
「私も、他の子達に話しておくわ…何の気なしにこっちに住処作ろうとしてひどい目にあいそうだし」
それは伝えておいた方がいいな、あの臆病種族ならまぁ被害は出ないだろうが…必要以上に騒いでやかましくなるのはあまり良い事ではないしな。
というか普通に逃げてきちゃったけど、あの人型の奴…果たして危険だったのか?
いやまぁ外に出れるって思考で曲がり角を抜けた先に居たのが天窓と"奴"だったってだけなんだけど、脳の危険信号でAIさんの強制離脱が働いちゃったから結果逃げる感じになって…うーん危険かどうか判断してからの方が良かったかなぁ…でも死なないが正解だしなぁ…。
[解析…思考の流動、回答のない回答の模索を検知]
「うん、まぁそうね…あれが一つの正解なのは分かってるけどそれはそれとして気になるなぁって」
「や、やっと帰ってこれた…!」
小ルラウネにとっても帰る場所になってくれてうれしいよ、ただいま我が本拠点。
内装は大分様変わりしたけど外装がまぁまぁ掘っ立て小屋だし近々大改装でもするかな?
[提案…お手伝いいたしますよご主人?]
「ぜひ頼むよAIさん…主に設計図とか建築の手伝いとか」
[あの体でどちらも手助けしましょう…えぇ思う存分お手伝いしますとも]
頼りになるなぁ…何故か同時に不安も感じるけどどうしてだろう?
別に頼んでもいないのに地下室とか図面に作りそう…そして誰も気にせず作り出しそう。
[失礼な思考を検知…私を信じていただけないので?]
「うーん信じたうえで疑ってるんだよなぁ」
[回答…信頼関係ということですね、素晴らしい]
家を作り直すなら尚更あの天窓素材…ガラスの製造設備があったりするのか、そもそもあれがガラスなのかとか確認したいな。
確か珪砂とか何とかを焼いたり混ぜたりだったっけか?砂っぽい何かだった気がするんだが…。
「もう一回見れば「鑑定」出来そう?」
[恐らくは…ただあの時よりもう少し接近出来れば確実性が増します]
……少なくとも小ルラウネ達は連れていけないな、自分だけか…恐らく興味を持つであろうアラク姐さんだけでも連れていくか?
「あ、外付けAIさんもついてきてくれるか」
[ご安心を、あの肉体さえあれば大概の面倒は取り除いて見せましょう]
とても頼もしいが敵に回したら恐ろしいなぁと考えてしまうのは悪い事ですか?
あと拠点に戻ってきたらアラク姐さんが何を察したのかニマニマしてるけど何もないですからね?
「凄い悪い顔してますね姐さん」
「あらぁ…そんなことないわよぉ?」
[質疑…私の外付け、記憶共有を要求します]
「回答…獣人の里でのデータ共有を開始します」
相互での記憶共有、自我が二つあるとバグりそうだけど実際問題はないんですかね?
あとその記憶の共有が私の脳内で起こってるって考えるとちょっと怖いんですけど?
「自分の記憶容量の最大値が少しずつ減っている…ホラーかな?」
[回答…どちらかというとウイルスの類かと…いえ私の事ではありませんが]
どうしよう素敵な能力と共に暮らしてると思ったら実はウイルスだった!?
私のCPU使用率を上げてどうするつもりだ…。
「完全な肉体支配権の奪取…?」
[憤慨…私の意思はご主人と共にありますからご安心を]
「なんだ、それなら一安心だわ」
あれ、記憶容量はやっぱ自分の脳使われてる?
主人公は「死ななきゃ安い」が常に脳の片隅にあるタイプの若干思考回路が捻じれた人間です。
でも謎の人型から逃げて且つ迷ってる理由は簡単で、
逃げる=死んだら元も子もない!
迷う=死ななかったかもしれないしもっと情報を手に入れるべきだったかも?
ってことですね。こいつ、この世界で残機が1つしかないから無茶しないだけで、もし高度なVRゲームの世界とかだったら平気で情報収集や実験のために自分の残機捧げますからね。
死を手段とするかルールとするかで動きが変わるタイプ。そういう能力とか手に入れちゃいけないタイプともいう。




