地上への渇望
突然だが、この世界に来る前に読んでいた本の中に「散リユク世界ト星屑ヲ」という作品がある。
まぁ中々ぶっ飛んだ作品だったのを今でも覚えているが、その中でも印象に残った部分に「潜伏していた廃屋の地下に突如一階の床を突き破って侵入してくる敵性宇宙人の少女」というシーンがある。
なんで今そんな話をしてるかって?今さっきの状況がそれと酷似してたからだよ!
「マジでビビったぞ...何でここにいるんだ小ルラウネ?」
あとその小ルラウネを引きずってるきゅーちゃんはどうしてドヤ顔してるのかな?
なんというか、引きずられて地中に潜って満身創痍って感じだけど後ろの子。
「わ、私はただ帰りが遅いから...魚の所まで確認しに行こうとしただけよ!」
「そして今に至ると?」
「いきなり私を巻き付けながら地面掘り進め始めたのよ!」
成程...サラマンダーっぽい見た目だがきゅーちゃんも立派な竜だ。
前から分かってはいたけど鼻がかなり良いらしいからな、普通に地下に居るのに気づいてまっすぐ掘ってきたってことね。
「うーん、一応来てくれてありがとうだけど、小ルラウネを引きずってきたのは駄目だぞ?」
というわけでなでなでは無しで、土塗れの小ルラウネを撫でて土を払い落としら噛みつかれたけど流石にちょっとお預けしないと反省しないだろうからね。
「そんで、ここ何処だか分かってる?」
「分かるわけないでしょ...私ほぼ引きずられてただけだもの」
そりゃそうだ。というわけで現状の説明。
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「...ってことは、こ、ここに昔誰かいたってこと!?」
「まぁ大体そんな感じだな、ついでにこの地下に何かあるらしい」
一瞬地面に目を向けてすぐに震え始めた小ルラウネは一旦放置して、現状左側の通路を確認中なので二人追加して進み始める。
「多分地上行きだと思うんだけどな、出た先がどうなってるか分からないから一応警戒しておいてくれよ?」
「言われなくてもすぐ逃げるわよ...」
きゅーちゃんの後ろに隠れながら進んでる姿には妙な説得力がある。
多分確実に何か危険に晒されたら真っ先に逃げるだろうなぁという。
「すっごい失礼なこと考えてるでしょ...?」
「ソンナコトナイヨー」
ワタシ、ウソツカナイ。
あと地上も全く見えてこない。この上り坂なだらか過ぎない?
「まるで地上に着く気がしない...」
「ちょっと怖い事言わないでよ!!?」
[回答...空間異常無し]
ということは単純に進みが遅いだけか。
っていうか火種の揺らぎ増してね?
「これもうそろそろか?」
外の気配を感じる...いやうん物理的にね。
めっちゃ指先の火種が揺れ動いてるからね、ただ肌に風は感じない辺り独特な空気の流れ的なモノなのかな?
「ど、どう?出れそうなの?」
「多分そこの角を曲がれば外かな、火種の揺れ方が空気の流れで凄い揺れ方してるから」
外気探知機にしても揺れ方が凄い、火種この揺れ方するのって強風の日に外でライター付けたときだけだと思ってたよ。
「も、もう引きずられるのはいや...!」
凄い必死な声で自分を追い抜いて通路を曲がっていく小ルラウネの後から自分ときゅーちゃんも通路の先を見る。
「えっとこれが外の景色?」
「うーん想定外かな」
[緊急回避!!]
自分の意思とは別で小ルラウネときゅーちゃんを両手で掴みながら曲がり角を下がる。
ぼんやりと「あぁAIさんついに自分を操縦できるようになったんだなぁ」なんて思いながら視界から消えかかった通路の先を見る。
外の景色が差し込む、この世界では初めて見るガラス張りの天井。
その光に照らされて映った行き止まりの小部屋と人型の何か。
行き止まりでモンスターハウスは聞いてないよ先人の方?
小ルラウネ:出口だぁぁああ!!?(フリーズ)
主人公:小部屋と謎の人型を目視した時点で肉体の主導権を奪われる。
AIさん:ご主人の危機に反応して強制的に肉体操作。
きゅーちゃん:焼き払うかどうか迷ってる間に引きずられた




