粘体性の相棒
「とりあえずAIがその...スライムの体を手に入れたってのは分かったわ」
「ご理解感謝します、ご主人」
そのあざとい笑顔をやめてくれると非常に助かるんだがなぁ…精神衛生的に。
[疑問...お嫌いでしたか?]
いや非常に惑わされるので止めていただきたい。
っていうか頭の中も外もいるから全てが筒抜けじゃねぇか!
「あー気にしてもしょうがないか...ま、なるようになれだ。それより獣人達の方が気になるな」
「私を見て気絶しているこの小柄なアルラウネはいかがいたしましょう?」
「それなら私が運ぶわぁ?」
そういいながら軽々と背中に小ルラウネを乗せたアラク姐さん、ほんのりAIを見る目が研究対象への眼差しっぽい気がするが...まぁそもそも「粘性の何か」の時点で研究したがってた節があるからな。
「後でじっくり研究してもらえば?」
「 [ 回答...全力でお断りいたします! ] 」
そりゃそうか。
――――――――――
ある程度落ち着いた雰囲気になっていた獣人達に近寄ると、それなりにアラク姐さん達には警戒しつつも、自分や小ルラウネにはその気配はなかった。
ただ紛らわしいので、「AIは留守番ね?」と伝えた所「それならいい解決策があります。こんなこともあろうかと事前に計算済みですから」と言い出して人型を崩した。
そのまま自分の口から体内に入り込んだので復旧した小ルラウネがまた姐さんの背中で気絶したが、自分的には別に元々頭の中にいるから腹の中に居ようがあまり気にならないのでそのまま行くことにした。
ってわけで警戒をそこそこ解いてくれている獣人達に声をかけようとしたら、こちらが発声する前に向こうが先に声を上げた。
「本当にありがとう...お陰で多くの命が助かった」
「んぇ...いやまぁ、こっちはこっちの都合で助けに来たというか?」
「だとしてもだ、あの子が助けを呼ばなければどちらにせよ全滅してただろう」
あの子...あぁあの乗っ取られお父さんの娘さんね、そういえば結局碌に会話もせず決着がついたからそのままお父さんの所に行ったのかな?
「あの子もその親である君たちの助けてくれた張本人も、本来であれば直接礼を言うべきだし...まぁ本人たちも言いたがってはいるんだがな。生憎かなり重症だ」
「まぁ無理して礼を言わせるような性格もしてないので、気にせず治療に専念させてあげてくださいな」
ぶっちゃけもうやることは済んだし、無事も確認したからこれ以上面倒事が増えたりする前に撤退したいしね。
「変わり、とは言わないが礼だ。今後我々は君達に服従することを約束しよう...」
「あぁじゃあそれで...いやちょっと待てなんだ服従って!?」
[回答...相手の支配に完全に従うことで間違いないかと]
「でしょうね!いやそうじゃなくてなんで服従!?別にそっちへ命令したくて助けたわけじゃねぇよ?」
あー凄い、大量のモルモットが手に入ったみたいに獣人達を姐さん達が見てる...元々長だったアラク姐さんが管理してた集団だもんなぁ、そりゃ研究好きも多いよなぁ。
アルラウネ達も「え、いいの?」みたいな顔してるけど獣人が仲間になっても持て余すだろ!?
っていうかあの本拠点で獣人になに頼むんだよ…それこそ畑仕事とかか?
「あーうん、じゃあ服従とかしなくていいから、こっちで育てた食糧とかたまに分けてくれたらうれしいな?」
「その程度でお返しできる恩とは思っておりませんが...」
「いやいや気にしないで、ぶっちゃけ食糧問題がある程度安定してくれるのが今は嬉しいから!」
恩を売るつもりではいたが欲しいのは自分の生活を安定化させるためのものだ。
決して他者を下敷きに横柄に振舞うつもりはない...それはそれで奴隷商とか支配者ルートになりそうだが、命が一つの物語では下手なルートを選べば死に繋がる。
「深愛より共存がいいでしょ...いや別に前者を否定はしないが」
[質疑...既に前者のルートでは?]
「いやいやまさか...俺は目を逸らし続けるからな?」
[同情...私もその一人であることをお忘れなく?]
「...…深愛というより、闇愛?」
蔦で絞殺されるか、糸と毒で雁字搦めか、脳内と現実の両方で溺れるか...あれバットエンドルートか?
小ルラウネルート
アラク姐さんルート
獣人娘ルート
きゅーちゃんルート
AIさんルート← NEW!
尚どのルートも結局複数人選択になる模様




