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奪う者と頼る者 其の四

遅刻!!

畑を抜けたら戦場でしたってか?


「あれが父親と推定スライムの悪魔合体ってことでいいんだよな!?」


「それ以外がみんな同じ見た目だからそうなんじゃないかしらぁ?」


「いや分裂して同系統の個体に増えた可能性が…ないな、姐さんたその獣人の子はなんて言ってる?」


「んーっとねぇ…やっぱりあの腕が多めの取りつかれてる人がお父さん見たいよぉ?」


「じゃあ確定ってことで、全員散開!!」


事前に伝えておいたお陰で迅速に広がった他の連中を確認しつつ、正面で通常は二本であろう腕を

いつもより多めに振り回してる獣人とスライム(仮)の合体状態野郎を目視する。


「想定より中々異形の見た目してるな...捕食された奴もいるのかな?」


[目視確認...鑑定完了、対象を異常(イレギュラー)個体(インディビジュアル)と推定。スライムの変異個体です]


「やっぱスライムだったか、そんでAI(アイ)さん?あいつのことっもうちょい細かく教えてもらえる?」


[返答...捕食、環境適応、肉体変質等が挙げられます]


「喰って、その場に適応して、姿形も自由自在ってことね?」


[補足...恐らく現在取りついている対象者、およびすでに捕食済みの生物から知識、一部思考パターンを奪取済みの可能性アリ]


まじか...スライムならただ無意識で暴れてるだけの可能性も考えてたが...ただ一部思考なら完全な自我を保有しては居ないか?

魔弾(バレット)

「全員注目!!!いまだ推測の域を出ないが恐らく相手はまだ自我を確立してはいない!!」


全員の視線が一瞬で自分に集まる。会議とかでのこういう瞬間苦手なんだよなぁ...まぁ今はしょうがないな。


「これ以上他者を捕食されたり、乗っ取っている対象者を乗り換えられたりしても面倒だ。遠距離から確実に叩け!!」


「「「了解!!!!!」」」


指揮官みたいなことしてるけど、実際は各々が自分の身を守る術を持ってるから完全に各自の判断に任せてるんだよね。一人一人に指示出す能力とかないですよ自分。


「さて...遠距離攻撃の手段だけど、あの獣人の子には悪いけど色々試してみるかな?」


人助けが最終目標ではあるけど、まぁ正直こっちとしては話題に上がっていた「粘性の何か」とかいう上位種にまで上り詰めた謎のスライムの方が気になるわけで...。

まずは指先に「ファイア」で種火を点火、本当にいつみてもマッチ程度の火力しかないけど今はこれで良し。

次に「魔弾(バレット)」を発動、既に灯していた種火を絡めとりながら魔力の弾丸を形成し始める。


「さぁて、読んで字の如くとはまさにこのことだな」


拝啓

獣人ちゃんのお父さん。

貴方の子供に頼まれて、貴方とこの里を救いにやってきました。

ただそれはそれとして助けるまでの"過程"でいくつか実験させてもいらいますね!

具体的には覚えてみたもののどれもまだそこまで能力Lvが上がってなかった事が判明した奴とか!


「よく狙って、発砲(ファイヤー)!!!」


魔力を打ち出すだけの能力にただ火を纏わせただけ...のはずだが、思いのほか反動が強くて自分は後ろに吹っ飛んだし、着弾したスライムは突然の放火と打撃でパニックになり獣人父を操作するのが雑になってた...今が引きはがすチャンスじゃねぇか!アラクネ達糸!糸!!!

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