救援要請
古龍さんの知ってることはあらかた聞いたので「只の回復」だけしてから本拠点に帰宅。
実際可能性と憶測が大量に溢れただけの結果になったけど、まぁ何も知らないよりはいいよねって思うことにしよう。
一応スライムの近縁種であるということ。本来は自我が希薄だということ。変質が起こりやすく、環境に適応した種類がいたということ。
環境に適応...これがマズい気がするんだよなぁ。
恐らくは人里近くに生息していた個体の中で変質、変異したものが生まれた。
そこで「人に狩られる」環境に適応変異した個体が生まれた...と考えれば自然と思考の行き着く先は次の段階へ移る。
「そのスライムは何を目的としているか...?」
そうだ、目的。人に狩られ続けてきたものが変異し、いったい何を目的に動く?
これで今まさに人里を襲って喰いつくしているとかだったら正直そこまで興味はないが、その矛先がどこに向くかが心配だ。
「下手に森の生き物全員危険だから討伐隊を編成する!ってなっても面倒だし、スライム側が全て喰らいつくして次の標的を求めて森に戻ってこられても面倒だ...」
うぅむ、これどっちに転んでも対策立てる必要がありそうだな?
いやその二つとも外れるかもしれないが、当たってた場合の被害が自分の生存圏の確保に関わるとなれば動かざる負えない。
まだ米収穫できてないのに田んぼ捨てて逃げれるかってんだ。
「な、なにか...大変そうなの?」
不安そうな小ルラウネが話しかけてきたが、正直こいつらを見捨てるつもりもないしなぁ…。
全力で防衛拠点作りを手伝ってもらってもいいんだが、内容が内容だから怯えてパニックとかになられても困るしなぁ。
「んーどうしようもなくなったら頼るかもな?」
「で、できたらそうなる前に頼ってほしいのだけど!?」
「多分大丈夫だから気にせず光合成してていいぞー」
太陽光で充電するみたいな生態だな、それは置いておいて。
...なんだろう、何か忘れている気がする。
妙な違和感というか、思考のカギをどの棚にしまったか忘れたようなこの引っかかる感じ。
今一番の不安要素は例の「粘性の何か」だ。
ではそれは何か、古龍さんの話とアラク姐さんの発見報告からして恐らくスライムの変異種ってことで間違いはない。これはさっき暫定的に結論付けたから問題はない、はず。
じゃあ他の何かか?なんだっけ、晩飯はいつも通り魚と米にするつもりだけどこれも関係ないだろ?
アラク姐さんが言っていたことに引っかかったのか?どのセリフだ?
(「粘性の何か」と「生きた臓器」)
このセリフじゃない、新しい上位種の情報だから大事だけど今の違和感とは関係ない。
「ん?上位種...?」
なにか来たぞ、なんだこれ...上位種。
他種族より上位の種ってことでいいんだよな。…...他種族?
「あらぁここにいたのねぇ?」
「お、アラク姐さんちょうどいい所に」
「お互い用事があるって感じねぇ?お先に良いわよぉ?」
それじゃお言葉に甘えて。
「アラク姐さんが見かけたのって、いわゆる「上位種」だよな?」
「えぇそうよぉ...強いのもそうだけど、私達とはまるで違う種族だからそう呼んでいるわぁ」
自分たちとは違う種族...そりゃスライムとは構造というか成分から違いそうだもんなぁ…うーんまだ違和感。
「あ、そうだ姐さんの方の要件はいったい何?」
「そうそうこの子が助けを求めていてねぇ?」
「ほう...ん?この子?」
アラクネでもアントでもアルラウネでもなさそうな言い方だけど、背中に乗せてる子の子とか...なんかケモ耳が見える気がするんですけど?
「実家に行って他の子達にも情報共有しておこうとしたらこの子が来てたのよぉ」
「ほほう?」
「!άπμαπμ νοτ ετσήθηοΒ ...ςαμ ετσήθηοΒ」
あらぁまだ翻訳が適応されてないのねーこれなんて言ってるか分かる?
[回答...私の言語化にも「翻訳」を利用しているため変換は完了していません]
そりゃそうか...でもなんか急ぎっぽいんだよなぁ。
「アラク姐さん、その子なんて言ってるか分かる?」
「翻訳ちゃんが追い付いてないのねぇ...自分たちの種族とぉ、親を助けて欲しいって言ってるわぁ?」
「ん、種族と親?わざわざ別々に言ってるってこと?」
伝言役として小柄な子供が選ばれたってのは理に適った行動だからよくわかる。
だが伝達内容が不自然だ、種族単位での救援要請と別で何故親単体の救助を...まぁ自分の親だから言ったってこともあり得そうだが。
「どうもねぇ...この子の住処、例の「粘性の何か」に襲われてるっぽいわよぉ?」
これはタイミングがいいといっていいのだろうか...っていうか親の救助ってそれ絶対喰われたか乗っ取られただろこの感じ!?!
次回、粘性編?
うまいことサブタイトル考えないと…...




