超兵器爆誕!
「おーい小ルラウネ、完成っていつ頃に...なりそう?」
そう聞きながら本拠点に入ってすぐ自分の目に飛び込んできたのは渡しておいた木刀「天運」と、それの持ち手を必死に編み込む小ルラウネ。そしてその持ち手の蔦に毒液を注入しながら恍惚の表情を浮かべるアラク姐さんの姿...え、おひるごはん一緒に食べたい!みたいな可愛らしいお願いしてた人たちの姿がこれってマジ?
[回答...眼前の事実]
「いや注文したのAI自分だから何も言えないけど...大丈夫あれ?握って振ったら腕諸共毒でぶっ壊れるとかないよね?」
「あらぁ、そんな作りには...よっぽど憎い相手じゃなきゃしないわよぉ」
「憎かったらするんかい...」
「時間差でぇ、私たちの視界に入らないところで朽ちて欲しいからねぇ」
おーこわ。要するに「喰う気も起きない」相手に使うってことね...遅効性の毒液出せるのかよアラク姐さん。
「貴方の要望とは少し違うかもだけどぉ、私の技術たっぷり溶け込ませた武器に仕上がったと思うわぁ」
「わ、私も協力してより良いものになったと...思うわよ!」
「マジか、っていうか今完成したのかよ」
んー...折角だし内容聞くのもいいけど、盗み見てみるか。
ってわけで「AIさん」よろしくお願いします!
[了解…武具鑑定:名称「天運」その刀身は数多のアルラウネ達によって元が木とは思えないほどの強度を有している]
[又、柄の部分は個体名小ルラウネの蔦で形成されており、形も都度調整可能。その蔦は今も尚命を宿しており、個体名アラク姐の毒液を生成し続けている]
「おっと超兵器かな?」
「どうかしたのかしらぁ?」
「ど、どこか不満だった!?」
いや不満などない。というか予想以上のものが出来上がった事実を喜ぶべきなんだろうが...出来上がったものがあまりにも超兵器じみたものだったお陰でタイミングを逃した。
いや毒ってアラク姐さんが毎度注入するとか、事前に毒を別で用意して補充するとかそんな感じだと思ってたから...蔦がそもそも小ルラウネの手から離れてるのに生きてるってのもかなりぶっ飛んでるがそれが更に毒も生成し続けるだと?
「補充要らずの武器は持たせる相手によっては誰も止められなくなるのでは...?」
「あらぁ、聞かなくても何をしたか分かっちゃうのねぇ」
「え、そ...そうなの?」
「諸事情によりな、見ただけである程度どんなものか分かるようになった。ただそんなことどうでもよくなるぐらいその木刀がとんでもない物になってて驚いたけどな」
[回答...無補給で毒液を生成し続けるため、毒性もその時々で変化するものと思われます]
「え、毒の種類自由なの?」
「そんなことないわよぉ、小ルラウネちゃんの蔦が思いのほかいい子でねぇ...その蔦に触れながら思い描いた毒を生成してくれるわよぉ?」
「超兵器の装いを会話の中で更新するのやめてもらえます?」
マジかよ、こっちの思考読み取って毒を変える?
いやまぁ能力の延長だと考えれば既に自分の脳内にそんな感じのいるからまぁ納得は行くけど。
[質疑...どういうことでしょうか?]
「そのまんまだよ分かっていってるだろお前」
「わぁ!?い、いきなり何よ!」
「ん、あぁすまん気にしないでくれ」
「気になるわよ!?」
「いや、小ルラウネの蔦が思ってた以上に凄いもので驚いただけだよ」
嘘は言ってない、ただ少し気になる部分もあるが...。
「ただ小ルラウネ、その蔦が離れた状態でも生きてるのってさ...アラク姐さんの力だよな?」
「え、えぇそうよ...私あんなことできないもの...」
やはりか、生きた無線の蔦ってだけであの日喰った肉を思い出すぜ。命冥賀だったっけか、あれの応用だろどうせ。
「んふふぅ、何を応用したかバレちゃってるみたいねぇ?」
「そりゃ実際味わったしな、っていうかそれってアラク姐さん自身の技術なのか?」
「持ち出したって言ったでしょ?」
そういえばお肉作りの技術持ってきたって言ってたな、近々魚以外も食べれるかも!って思ってたけど、食事より先に武器に応用されるとは思っても見なかったな。草葉の陰で生肉君も泣いてるよ...生肉の涙ってなんだ、牛脂?
「いや元がオークだし豚の油か、豚トロ的な涙かな」
「よくわからないけどぉ、その蔦はぁ、命冥賀達と少し違うのよねぇ」
「ちょっと振ってみてもいいか?」
「いいわよ、そ、その代わり壊したら怒るからね!」
軽く振る、縦ぶり、薙ぎ払い......違和感なく振れるがそもそも自分に剣道なんかの技術がないからあくまで護身用的な範囲かな...今日から少しずつ練習するかな。
それと持ち手部分の柄の蔦を少し強めに握ると毒が分泌されるのも確認した。一応握らなくても軽く触れながら念じると出るっぽいな...システムウィンドウ君と同じ感じでいいのね。
毒自体は木刀全体に染み渡る感じらしく、念じてすぐに刀身全体が紫の血管が這ったように脈打つ。
...なんというか、こいつ自身が意思を持って暴れだしても違和感のない見た目になったな。
試しに川で拾った石を叩く。付着した毒が表面を破壊しながら内部へと染み渡り、そのまま内側から崩れるように砂に変わった。
「...やはり超兵器であったか」
「こ、こんな破壊力なのね!?」
「毒の種類が混ざってるみたいねぇ...使い慣れてるみたいに思えるわぁ」
使い慣れてるっていうか、毒の種類なんぞ創作物で見あさったものの一つだからな。
そうあれは異世界物に出会う前の若かりし頃の記憶...いや止めておこう、その辺は黒歴史も多い。
[封印図書の閲覧許可を申請]
「馬鹿お前それは駄目だろ誰が許可だすか!」
所謂中二病時代の記録だぞそれ、勝手に覗き見ようとするんじゃない。
毒だの二つ名だの四字熟語だのを色々調べる時期ってのがあるんだよ、あるよね、きっとあるはず!
多分「鑑定」ことAIさんは主人公が寝てる間に過去の記録とか見あさって、勝手に「これは今後役に立ちそう」とか「こういう名付け方法もありですね」とかやるタイプ。




