名付けとは気軽にするものでなく、時にセンスを求められる
自分の知識は大抵が今まで読んできた小説に起因している。
そして直近で読んできた書籍はほとんどが異世界関係のトレンドの者だった。
何が言いたいかって?
「米の作り方はうろ覚えってことだ!」
おぉきゅーちゃんがびっくりして少し頭から浮いたぞ、翼無くても飛べるんじゃね?
それはいいとして、自分の米作りの知識は学生時代バケツで作ったような作らなかったような...なうろ覚え記憶と異世界小説だよりってことだ。
「あれ、育てたのって米だっけ、アサガオは...あれは別だったかな?」
ふむ、生憎畑に関わるような人生を送ってきていない者でな...ただ全くの無策で朝食を種籾にしたわけじゃないんだな。
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「ふむ、深さのある円柱の容器が必要とな?」
「話が早くて助かるよ、さっすが蟻族の人!」
バケツで作った米の記憶がうろ覚え?じゃあ再現すりゃええじゃろう!
ってわけで川を渡って蟻族の下へ、いやーすんなり引き受けてくれてよかったわ。
「すぐに作ろう、焼き上げれば固まるが...底は水が抜けるようにすれば良いのだな?」
「それでお願いします、何か必要なものとかあればすぐ用意するので」
「ふむ...急ぎ必要というわけではないが...」
おや、何か言いづらそうにしている。
なんだろう、食べやすい木造住宅一棟建ててくれとかかな…アルラウネ達フル動員すれば数日で骨組みはできそうだけど?
「我らにも、アルラウネ達が欲していたように、名前をつけていただけないだろうか」
「……」
しまった、苦手分野だ。
アルラウネ達にも、その中で一番話しやすい小ルラウネにも名前は付けていない。
小ルラウネに関してはもう半分面白いからつけない素振りをしているが、そもそも名づけは別に得意じゃない。
きゅーちゃんはその場で思いついてつけた名前を本人(竜)が気に入ってくれているから定着しただけで、一個人を特定する文化がなかったこの森で、突然名づけを始めていいものか...?
「えっと、今すぐじゃなくてもいいか?」
「構わない、というか急かすつもりもないのだ...我ら個々が名前を欲しているというわけでもないのでな」
「?」
ん...あれ、さっきは我らにもって言っていたのに、今は我ら個々が名前を欲しているわけではない、と言っていたな?
ってことはもしかして...。
「...もしかして、種族単位の名字が欲しいみたいな話か?」
「我らは全員女王から産まれる、即ち皆兄弟なのだ」
あーなるほどな。
アルラウネ達は個人が個人として確立している。いやまぁ増え方はどうも生存特化のためにほぼクローンみたいな増え方らしいけど...近い植物で竹とか苺が思い浮かんだよ私は。
それとは違って蟻族のこいつらは恐らく女王蟻みたいなのがいて、それが産んだ奴らの集まりってわけだ。
つまり皆血のつながった兄弟で、触覚含めて意思疎通で個々を識別してるから名前も別に要らないと。
「確かにそう考えると名字だけあれば種族単位で判別できるし、同族との区別もできるってわけだ」
「その通り、さてお望みのものは出来た...名付けの件、任せたぞ?」
「苦手なんだが、まぁいくつか候補を考えておくよ」
何か妙なサブクエストが挟まった気がするが、これで米作りが始めれるぜ!
蟻族を蟻族と括るのは特に気にしないが、他の集落と区別が付かないなぁ…せや!
あの竜の民に頼んでみるか!
って思いついた蟻族の疑似的リーダーが皆に伝達、反対0で可決されたので今回のバケツ作りの報酬になりました。




