食に感謝を、米は偉大なり
古竜さんが言っていた力が気になりすぎたが、特に今気にしても仕方がないと判断して寝ることにした。
晩飯は焼き魚と米だったが、もう少しまともな飯を作りたいな...。
きゅーちゃんは食べたり食べなかったりだが、どうもそもそもそんなに食べなくても生きていくには支障がないらしい。
古龍さんが『でなければこの身体を支える栄養、どう補給すると?』って、さも当然のように言われてしまった。
いつか滅茶苦茶旨い料理で食事の素晴らしさを再認識させてやる...なんて思いを胸に、気が付いたらきゅーちゃん抱きながら寝落ちしてたわけだが。
「アルラウネ達おはよー」
「「おはよーございますー!」」
なんか木々の上から下から凄い聞こえてくるな。
アルラウネ達がここに定住したことでこれから毎朝挨拶するのが日課になりそうだ...一応安全を約束したし、点呼の意味も含まれてるがな。
「あ、そうだ小ルラウネいるかー?」
「あ、あの子今川の上流で魚用の網を張ってると思います!」
お、相変わらず見分けがほぼつかないアルラウネの一人、ん~こめかみの花がハイビスカスっぽいな。
南国アルラウネ...いや小ルラウネより先に名前を考え始めたら後で殴られそうだしいいや。
「そうか、それじゃ戻ってきたら伝言伝えてくれるか?「古竜さんの木像作ってくれー」って」
「ど、竜の木像です...か!?」
「うん、感謝のために毎朝祈っておこうかなって、一応昨日見てるだろうしお願いできるかなーって」
随分慌て始めたな...でもこいつらからしたらある意味森の管理人、支配者みたいなもんだもんな。
偶像崇拝は寧ろ遅いぐらいかも...でもそもそもあったことも見たこともない古竜さんに怯えて暮らしてる時点で崇拝というより畏怖だろうしなぁ...。
「あ、あの...伝えておきましたが、いつまでとかは...?」
「あ、納期か…んー急ぎじゃないし暇がある時に進めてくれると」
というかこいつらアルラウネ同士なら思考伝達できるのか?
あ、いや違うな。蔦を地面に伸ばして喋ってる...地中の振動で声を届けてるのか?
ここ川の傍だら雑音凄そう、でも魔法的なやつの可能性もあるし...伝わったならなんでもいいか。
「さて、今日の予定を決めないとなぁ…」
ぶっちゃけ、無い。
いや全くないわけじゃないが、アルラウネ達が率先してこちらの頼みを聞いてくれるのと、それを割と良しとしてるっぽいせいで頼んじゃうんだよなぁ...。
どうもいつ死んでもおかしくない環境から脱却した反動か暇になったらしく、こっちから頼み事すると割となんでも喜んでしてくれるんだよな。
アルラウネ達、見た目は可愛らしい女性で体の一部が蔦や木で構成されただけだから余計なことまで頼みそうになる...そしておそらく向こうの方が乗り気になる。
「植物とか人間以上に繁殖力の権化みたいなところあるからな...少なくとも生活が安定するまではそんな気は起こさないよう気を付けよ...」
どこから来たのか分からない雑草に育てていた植物が栄養持っていかれて枯れたのはいい思い出だ...。
嫌やっぱ嘘ムカつく思い出だわ、なんで屋内で育ててたのに雑草生えてくるんだよ!気づいた時には栄養吸われすぎてほぼ枯れてたわ!
「いかん、思考が脱線し始めた...」
きゅーちゃんを撫でて落ち着こう。
うーん今日もすべすべだねー甘噛み好きだねーちょっと痛いぞ?
よし落ち着いた。
ともかく今日の予定を無理やり作り出さねば、ひとまず朝食はアルラウネ達が用意してくれた山菜汁。
本当は米を食べたいが一食分は我慢だ。
五穀豊穣は一食分の五穀を生成する力。
ゆえに日に三度、自分が食べる分しか出すことができない。
なので今日の朝食分を利用して、生米ではなく種籾を生成!
「これは一旦鱗のお皿に置いておいて...畑づくり、やるぞきゅーちゃん!」
おぉ元気なきゅーちゃん、畑仕事は重労働だから人手が欲しい。
その手が植物だろうが鱗まみれだろうがなぁぁぁ!!!
異世界物で定番のご飯関係のターン!
主人公がガチの米作りすると日本流で一年かかりますがここは異世界なので...ね?




