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敵影と交渉、礼儀をもって良とする

さて...敵情視察も済んだことだし、この後は準備の時間だ。

ひとまずアルラウネ達に軽く指示を出す、もし戦闘になるとしたら厄介だが…説得する手段を確保しておきたい、それに心当たりもあるしな。


「小ルラウネ、人間が嗜好品で使うもので...こう、葉っぱに火をつけて吸ってるやつ見たことないか?」


「ねぇその呼び名固定なの!?ど、どうせなら後で...ちゃんと名前つけてくれない?」


なるほど、時折感じてた視線...。

たまにきゅーちゃんとじゃれてるのを見てたのは羨ましがってたからか?


「まぁそれは考えておくとして、見た覚えないか?

もしくは見たことあるやつが知り合いにいたりしないか?」


煙草的な葉っぱがあればもしかしたら相手さんも嫌がってくれるかも...程度のものだが、

可能性は手元に置いておくに限るからな。


「私は、見た覚えはないけど...他の子で見たことある子から話は聞いたことがあるわ、その葉っぱが必要なの?」


「お、マジであるのか…そんなに数はいらないがあればうれしいな」


やっぱ嗜好品とか依存性のあるものってのはどの世界でも共通なんだなぁ…多分ビールとかも

この世界にあるんだろうなと思いつつ、アルラウネ達が煙草っぽい葉っぱを集めてきてくれるのを待つ。

―――――


「おぉ結構集まったな...?」


焼き芋できそうなぐらい集まったな、こんなんで焼いたら体に悪いどころの話じゃなさそうだけど。

さて、煙草(?)の葉にはニコチンなる制ぬんが含まれている...この世界で全く同じかはわからないが、

その可能性があるならありがたいのだ。


「さてと、それじゃ行くか......交渉開始だ」


そう、これからするのは交渉だ。

アルラウネ達が自分を守り人にしたいと言っているが、実際有用化も証明せずいきなり川向うに

住処を移してもらうのは流石にはばかられる。

かといって守るためという理由でまだ見たこともない種族を襲うのも気が引ける。


「はい、というわけで交渉に来ました。でてこーい!」


煙草の葉と竜のきゅーちゃん、あと怯えて後ろに隠れるアルラウネ達数人。

すごいパーティー編成だ、ひ弱な人間が前衛ってどうなんだこれ?


「多分そろそろ翻訳もされてそうだが、出てきてとりあえず話とかできませんかねー?」


盛り上がった塚、アルラウネ達がおうちと表現したそこから数名出てくるのが見えた。

やはり人型、ただ後ろで震えることしか現状できていないこいつらとは明らかに違う生き物。

その先頭に立つリーダー的な相手がこちらを視認して声をかけてくれた。


「何の用だ...後ろの者たちで大方察しは付くが」


人なら口がある場所の()()()()()()を鳴らしながら話しかけてくる。

いやまぁ想像できてたけどね、見る人が見たら発狂しそうなタイプの人型生物だなこいつら...。


深く吸い込まれそうな黒い瞳に()()、腹から生えた()()()()()()()()()、わかりやすく言うと程よく白っぽいグレーの色をした、

人型サイズのでかい蟻だな、蟻塚見た時点で想像は付いてたけど...蟻っぽいが近いのはシロアリだよな多分、あれって蟻じゃなくて蜂の仲間とかじゃなかったっけ?


「あー出てきてもらって悪いな、用件はまぁお察しの通り...アルラウネ達を害さないようにお願いに来たってところだ」


「ほう...()()()か、命令はしないのだな竜の民よ」


竜の民...?あれこれ何か勘違いされてる感じか?


「あのすまん、その竜の民ってなんだ?」


「む、違ったか?」


恐らく違う、民と呼べる程俺の住居は栄えてない...いやこの話し合いがうまく言えばアルラウネ達全員

こっちに住むからある意味栄えるけども。


「竜の民は洞穴に住む竜から加護を与えられ、その庇護下にいる者たちのことだ...だが確かにかなり昔の話だったと記憶している」


成程、昔加護を与えた村か里か、そういう人等の子孫とかと思われたってわけだ。

古竜さんそんなことしてたのか...今度聞く話の種にしよ。


「庇護下ってのは間違いじゃないが、特に特定の集落に住んでるってわけじゃないぞ」



その後、川の向こうでのんびり暮らしてる旨を伝え...向こうにアルラウネ達を移住させるから安全を今後脅かさないことを頼んだ。


「まぁ正直特別断る理由もないな、そちらはできたのにも関わらず先制でこちらを襲わなかった」


「まぁ巣を諸共叩き潰すとかできたのかもしれないが、会った事もないのにそれは何と言いうか色々まずいんじゃないかなぁと思ってな」


「その慈悲、温情、まぁ何でも構わない。敬意をもって答えるとしよう、アルラウネ達を襲わないことを約束する」


おぉ話が上手く纏まった!ってことはこの煙草の葉は使わなくて済みそうだな、あとで捨てておこう。


「あ...あのぉ」


「お、どうした小ルラウネ?」


そんな背中に隠れながら何を怯えているんだ?

まぁ正面のシロアリ系人型生物の奴らが明確に天敵って感じなんだろうしそりゃ怯えるか。


「お、お互い不干渉では...なく、程よいかかわりの関係には、な、なれそうでしょうか...?」


「ふむ、我々の結束は固い。約束を理由なく反故にすることはない、訪ねてきたアルラウネには失礼無きよう接しよう」


お、交流のチャンスかこれ?


「あーそれなら自分もそこに嚙んでいい?」


「竜の...民ではなかったな、もちろんだとも

まぁ関わりを持つほど我々に価値があるとも思えんがな」


いやいやあの蟻塚作れる土加工の技術は是非とも欲しいぞ!

主に壺だの皿だのが手に入る可能性が出てきた。

人型種族:(シロアリ)

枯れた木材などを食べているが、この世界では雑食。

なのでアルラウネ達もご飯の範疇。

食事内容と生活がシロアリに類似しているが見た目は白っぽい人型の蟻。

昆虫系特有の攻撃力、耐久力、防御力、持久力、団結力を持つ。

集団で襲ってくるタイプなのに個々もタフという厄介なタイプ、ニコチンを苦手とするので焚火を始めると追い返せるかもしれない。

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