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幸せにしたいのは主人公じゃない!  作者: いたちのしっぽ
18/71

17.5シンのご褒美のお話

短いです

シンは衝撃を受けた。

水晶録画を作り上げたご褒美として作って貰ったチョコレートとプリン。

卵が貴重で中々作ってもらえないプリンが二種類。

カラメルのかかった生成色のものと、黒いもの。

初めはなんだこの黒いものは?と思っていたが、スプーンで一口食べたその瞬間、身体中に衝撃が走った。

初めてプリンを食べた日以来の衝撃であった。

「…な、なんだこれは…食い物か?いや食い物だ……間違いなく…チョコレート!!」

チョコレート味のプリンであった。

あまりに大袈裟な反応にその場に居た一同はドン引きである。

シンだけでなくマール、エクシャ、シュンも同じものを食しており、味わいながらも楽しく会話を挟みながらのティータイムだ。

一口一口味わうようにゆっくりと口に運ぶシンだが、それでも終わりはやってくる。

最後の一口をスプーンで掬い、上げては下ろし、口元へ持っていっては遠ざけをかれこれ10分は繰り返している。

「…シン、これも食べる?」

先にチョコレートとノーマルプリンを食べ終え、残っていたチョコレートプリンをシュンは、シンの前に差し出した。

「!!!!!!!?」

「そんなに驚くか」

シンの心情を表すならば雷鳴轟く、だろう。

これをくれると言うのか!?とプルプル震える手を伸ばすが直ぐに引っ込めた。

どうしたと言うのだ?とシュンが首を傾げると

「妹の分を貰うのは兄として恥ずべき行為だっ!!」

「誰もそんな事気にして無いよ」

あまりのうざったさに真顔で吐き捨てたのは勘弁して欲しい。

「あーそう。残念だなぁーシンの口には合わなかったのかー残念だなぁー」

「!!?」

気をとりなおし、下手な芝居がかった棒読み口調でチョコレートプリンを引っ込めようとしたがピクリとも動かない。

その原因を探れば、シンが皿を摘み、自分の方へと引いていた。

「有り難く貰う」

「初めからそう言えば良いのに」

シュンが皿から手を離すと、チョコレートプリンはスススッとシンの方へと引き寄せられていった。

何度も言うが、本当にコレが将来、世界を恐怖に陥れる闇の魔法使いになるのだろうか?

「…美味い…」

自分の分の最後の一口を漸く飲み込み、いそいそとシュンの分に手を付けだした14歳の少年は、年齢よりも随分と幼く見えた…。





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