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退位への道

馬車は神殿に着いた。


揺れない馬車の旅は本来ならば快適なはずだった。

女神様と国王から直々に勉強させられてなければ。その内容は国の歴史、帝王学、経済学、貴族の家系図・勢力図、他国の歴史…と多岐に渡る。

神殿で学ぶものと似ているようでも捉え方が異なったりして面倒だ。しかも、口頭だけで勉強させられクタクタだ。

幸いだったのが王籍簿の管理をしていたため、王族はわかっていたことか。それでも名前は全然わからず、苦労させられた。

そして、わかったこと。王籍簿に載ってるけど、実は血のつながりがない王族が意外といること。もちろん、配偶者ではない。隠れて養子を迎えたり、(親のどちらも王族じゃない)婚外子が王族として届けられていたり。


ちょっと待てっ!

不倫の山ってこと?どんだけ乱れてんだよっ!

この国は一夫一妻制のハズだ。少なくとも神殿では認めてないぞ。


うち一家系は完全に途絶えていた。女神様的に。

女神様の加護は初代に連なる一族のみ。それが曲解されたり、嫡子の死亡に伴い内密に養子に変更されたりで、段々減ってしまっていたらしい。


国王の退位の前に誰が本当の王族なのか、はっきりさせなきゃいけなくなってきていた。

神殿に戻ってやる仕事の最初が王籍簿の書き直しだ。


面倒くさっ!



いっそのこと、今の国王は誠実だし、真面目だし、こっちに加護を変えればいんじゃん。女神様にそう聞いてみたが、あっさり拒否された。


『単なる人間に加護を与えられるのは、一代限りだな』


なんでだよ。今の王族にはできたじゃんかよ。


『加護をかけたのは私の遺伝子だ』


へっ?


『初代の王は私の配偶者だが、それがどうした?』


ええっ!

ってことは、女神様は俺のご先祖様?

マジでぇっ?



『私の血だから追いかけて加護できるが、他人に与えるのは力を使うわりに効果が薄い』


だから、王族かどうかわかるんだ。あ、愛し子って、マジそういう意味っ!子孫なの?


『愛し子なら簡単で強い加護がかけられる。ただ、だいぶ薄まって来たから、段々加護は弱くなるだろう』


それって、今後は加護が無くなっていくってこと?ヤバいじゃん!

俺の楽しい行商人生活(セカンドライフ)に危険信号点灯?そもそも、俺どうなるの?

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