再びの
午後から、女神様は魔物が逃げ込んだかもしれない山を捜索することになった。
まずは、兵士の鍛錬場に連れて行かれた。
そこには……………。
マジでぇっ!
またコレっ!
止めて!勘弁して!
お願い、女神様。
…………ドラゴンが待っていた。
だよね。下から捜索なんてまどろっこしいことしないよね。
『また乗せてくれるらしいぞ』
いや、いい。
『気に入らないと振り落とすんだが、何度でも乗っていいそうだ。気に入られて良かったな』
やだ、やだ、やだ!
拒否する心を押し殺し、表情を隠して乗せてもらう。
羽音を響かせてドラゴンが空に舞う。見る見るうちに地面が遥か下方に遠ざかった。
相変わらず、揺れる。神殿で乗馬は習った。裸馬にも乗れる。
しかし、ドラゴンの揺れは馬とは明らかに違うものである。ゴツゴツした鱗の感触も悪い。さらに、飛行中時々大きく急激に下降するんだ。これが内臓を刺激する。
もしかしたら、今後神官長は裸ドラゴンの乗り方を練習した方がいいかもしれない。
魔物は国境を少しだけこちらに越えた崖の下に落ちていた。恐る恐る下を見ると、腐敗して骨が見え始めていた。
そのまま放置しておいてもいいのだが、女神様はドラゴンから下りずに魔物を焼き尽くした。
他の魔物が居ないか確認するために周辺の山々の上を何周か回った。隣国からもよく見えたことだろう。女神様が騎乗するドラゴンが。女神様に守られた国。ドラゴンが守る国に攻め入る気を無くすには充分なアピールだ。
領主の城に戻ると、女神様は『部屋で休むからそっとしといてくれ』と言い、さっさと移動した。こみ上げる吐き気に追いかけることなどできない。
かろうじて女神様の言葉を通訳すると、一歩も動く前にその場で胃が空になるまで戻し続けた。
吐くものが無くなったが、ぐったりと動けない俺に領主自らコップ一杯の水を出してくれた。それどころか、その後部屋で休んでいる間、甲斐甲斐しく世話をしてくれるのをメイド達に生暖かい目で見られるってなんて羞恥プレイ!
汚れた神官服を着替える時だけは席を外していたけどな。
再び国王に会ったのは、王都に向けての出発の朝だった。国王は一体何をしに来たのかほとんどこもりきりだった。
ただ、その日の顔色は悪くなく、いつになくスッキリとした表情だった。




