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星の鯨 ~赤方偏移の彼方~
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燃え尽きた巨大な恒星はやがて
自らの重さに耐えきれず
闇の口を開き
星の鯨に成り果てる
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鯨の口に落ちるものは
事象の地平線に囚われたまま
永久に落ち続ける
落ちたものは次第に赤くなり
闇に溶けて 口の奥へ消える
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銀河を纏い 星の海を彷徨う鯨達は
時々ぶつかり合い
短い叫びのような波形を残して
唸り 喰らいあう
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星々の残響を撒き散らしながら
互いをすり潰しあって融合し
生き延びた方が
さらに大きな鯨になる
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そうして成長した末
認識できぬ程の時の果てに蒸発する巨大な鯨
そしてまた
巨星の崩壊と共に生まれる小さな鯨
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そうした鯨達を
見ることは出来ない
それは
数字や
光の歪み
波形の叫びなどから
滲み出る影でしかない
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それでも
赤方偏移の彼方で鯨達は
今日も泳ぎ続けている
全てを呑み続ける 星の鯨達の歌声は
冷えゆく光の音を塗りつぶして 響き続ける
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