1ー4 “違和感”
階段を登っていくと、さっきと変わらずの窓がなく薄暗い不気味な廊下が続いていた。
「うへぇ、、、、まだまだ続くの〜?」
てか、ココってまだ地下なのか?窓が無い建物なんて存在しないだろ。
イヤ確か、前テレビで窓は火災とかそーゆう安全上の理由で絶対に窓つけなきゃいけないって言ってたような、、、、。
あやふやだけど、まだココは地下だと予想をした方がいいな。
そんな風に考えていると、真白が壁の影に隠れながら辺りの様子を見ていた。
「足音がしない。離れずに着いてきてくれ柊、星奈」
「ん」
出会った時の明るさはどこへやら、もう疲れが目に見えるほどで首を縦に振るだけでトボトボと真白の方へと歩いていった。
コイツ、陽キャなのに体力ないのか?いやまぁ、こんな状況だから疲れやすいとかもあるか。
実際、ボクもあの天気からの気ダルさもあるからだろうけど、結構疲れが溜まっているからな。
まぁ元気じゃないけど、でも体力ならある方だし隣にいる陽キャチャラ男程ではないがな。
真白を先頭にその後ろに、ピッタリくっつくようにボクと柊がついて行く。
そうえばさっきからあの陽キャは妙に物静かで気味悪いな、、、、。
てか、さっきは返事しなかったよな?コイツ?
そう思い、柊の方をみると顔色が悪く青白く目がうつろで少しフラフラと歩いていた。
コイツ、疲れたんじゃなくて体調崩しているのか?
「オマエ、体調悪いだろ」
「え、いやいやまっさかー、、、、」
「てか、ホッシーは怪我大丈夫なの?痛まない?、、、、」
明らかにごまかしの笑みを浮かべて、話題を逸らしてボクのケガの話になった。
今の自分の体調を隠したいらしいだけどその状態でいざって時に動けないのが1番の問題だ。
すぐさま横にあった扉のドアノブを捻ってみると、カチャと何もひねりもなく開けられた。
そして、その隙間からチラッと少し様子を伺うと、物置なんだろうか色んな物があちこちに整理もされずに置かれている。
ラッキー、鍵空いてしかも隠れやすい場所だ。
「真白」
「?どうした」
「一旦この部屋で休むぞ。柊の調子が悪い」
「、、、あぁ、分かった。」
階段の時のようにしゃがんで、その先の廊下が安全かどうか見ていたが、こちらに戻ってきて柊を心配そうに覗き込む。
「柊、大丈夫か?」
「えちょ、本当に大丈夫だって、、、、!」
「だったら、そんな顔色するか」
「いやいや、オレッチこんな感じな肌色じゃなかった?、、、、」
またしてイヤイヤと、ごまかし笑顔と言葉を並べ始めた。
なんだそのムリな言い訳は、まだ低学年の弟や妹の方がマシな事を言えるぞ。
そして、コイツはコイツでなんで体調を隠したがるんだ?、、、、いやこんな状況だから早く外に行きたいのは分かる。
「なんだ?オマエは某ホラゲーの青い人食い鬼なのか?」
「柊、、、、俺達を喰うのか?」
「なるほど、体調が悪いフリしてボクらを食べて仲間にするわけか笑」
まさかのガチトーン真剣な眼差しで柊を見つめる真白を見て、思わず悪ふざけををしてしまった。
そしたら、余計に険しい顔になってしまい柊に詰め寄るように肩を掴んで凄むように「早く休め」と言った。
コイツ、ボクの冗談を信じるとか、どんだけバカなんだ?
こんなんだったら、オレオレ詐欺とかめちゃ簡単に騙されやすそうだな〜。
イヤ、ホントにコイツは現代社会生きていけるのか?
「違う、違うからさ、、、、ハジくん一旦その顔やめて、、、、ホッシーも面白がらないでよ、、、」
「分かったよ、休もう、少しだけ休んでいくよ。もう、、、、」
そして、観念したかのように両手を上げて、ヤレヤレと言わんばかりにそう言った。
なんだその態度、バカムカつくけど今文句を言っても何も響かなさそうだし、ココ出たら文句言ってや、、、、、、、、、、イヤこれ以降関わりは持たないだろうし、別にどうでもいいか。
さっき見た通りに物が散乱していて、そして綺麗にあんまり掃除がされていない。
そのせいで部屋に入った途端、埃臭い不衛生な匂いが鼻につく。
体調が悪いヤツにはスゴく悪い環境だけど、贅沢は言ってられない状況だ、仕方ない。
その部屋の電気をつけて、先に柊が横になれそうな場所を作ってから、真白と手分けしてこの部屋を探索を始めた。
“攫ったヤツらに対抗できそうなものがあればいいな”ぐらいの気持ちで、探しているけどそれよりかはボクらの荷物を探している。
まぁこんな場所に、置いてあるのかって話だけどな。
なんかそう思うと、休もうかな、真白に任せて。
ダルさもあったから、すぐに探す手を止めて柊が横になっている場所に行ってそこで座って休む。
真白は、気づいていないのか黙々と作業を1人でやっている。
「オマエ、よくその状態で今日学校に行ったよな。休めよ」
「嫌、、、、朝は元気だったんけど」
「ほら、此処来る前急に雨降っちゃったじゃん。折りたたみ忘れちゃってさ」
「それから段々、あんまりよくなくなってきちゃって、、、、」
眉を八の字にしてしょぼんとした顔で、弱々しい声でそう話す。
あぁなるほど、ちゃんと体を拭かなかったのか、、、、イヤまぁちゃんと起きて拭かなかったコイツが悪いし、自業自得だな。
「、、、、ん?」
イヤ、ちょっと待て、それだとおかしくないか?だって、そしたらコイツ、イヤそしたらボクもーーーー
「オマエ、濡れたのか?」
「え?っと、うん」
「ホントに?」
「そうだけど、、、、だって、俺、、、じゃなくて、オレッチが誘拐された時、雨急に降って凄かったーーー」
そこまで言うと、口を開いたまま何も言わずに眠たそうに閉じかけていた目をまんまると見開き、少し間を置いてからその口を動かす。
「、、、、あれ?俺、なんで濡れてないの?」
「嫌でも、オレは雨降ってきたから軒下に行って、母さんに電話したら、、、、それで、、、、」
ポツリ、ポツリと、まるでひとり言を言っているような声色と静かさだった。
それから、顔を俯かせてココに来る前の記憶を必死に思い出そうとしているのかブツブツと呟くだけになってしまった。
あんまり話しかけない方がいいな、コレはだったらボクも、ココに来る前の記憶を辿るか。
確か、ボクも土砂降りのような雨が降ってきたから空き家の軒下に行って、そこで雨宿りしていたらぶん殴られてそこれからその中に入って行って、、、、。
ん?イヤコイツ、さっき軒下って言ってなかったか?
イヤでも、ボク以外あそこの生徒はまだいなかったよな?ボクが見えていないだけで近くにいたのか?
「オマエ、軒下にいたのか?」
「嫌、、、でも、、確かに俺は、、、、」
話しかけても、まだ記憶を辿っているのか話しかけてもブツブツとひとり言を言っているだけだ。
仕方なく肩を揺らしてみると、体をビクッと跳ねてやっと話しかけていることに気がついたらようだ。
そして、顔を下からコチラに向き直して不思議そうな顔で聞いてくる。
「ど、どうしたの?」
「柊、オマエ軒下にいたのか?」
「え?あっ、うーん、軒下って訳じゃないんだけど、、、、」
両手をほっぺにつけながら少し困ったような笑顔を浮かべて、さっきよりかは明るい声で答える。
「正確に言えば、駅近くの裏道にある、ビルの下にいたの」
「は?駅!?」
柊はまた体をビクッと震わせてから、焦ったように人差し指を立たせて“シィ〜”とジェスチャーをする。
思わず大きな声を出しちゃったけど、何言ってんだコイツ?駅?
ボクは高校から出て、住宅街の空き家の軒下で雨宿りしていた。
コイツの言っている事がホントなら、真反対の場所で同じぐらいの時に誘拐された事になる。
ココは、あの空き家の地下室じゃないのか?でも確かに違和感はあるけど、確実にこの中に入っていったはずだ。
だけど、柊の言葉が嘘じゃないとはわかってはいる。
こんな状況で、嘘つく意味がないよな、、、、。
「え?だって、星奈さ、、、ホッシーもそこら辺に居たんんじゃないの?」
「、、、、ボクは、その反対方向でオマエと同じように雨宿りをしていて、ボクもそこで誘拐された」
「だけど、ボクを運んでその雨宿りをしていた空き家の中に入って行った、、、、はずだ」
ボクの記憶が正しかったら、そのはとだしコイツも辺な勘違いをしていないく、仮に嘘をついていなかったら、コレはーーー
「、、、、えっと多分、住宅街なら高校の反対側にある所?だよね」
「そうだな。オマエの言っていることがホントなら、ボクらはーー」
「、、、、、、、、同じタイミングで誘拐されて、更に此処に連れて来られた?、ってことだよね?」
少し元気そうだった声は消え失せ、困惑を隠せない声色で真っ直ぐとまるで、信じられない事を体験しているかのように、ボクを見つめてそう問いかけてきた。
だけど、そんな顔で見つめられてもボクも、どうなっているのか知らないし、分かんない。
なんならボクの方こそ知りたい。
さっきまでは、柊や真白はボクがいた近くに居たのかと思っていたけど実際にはそうでもない。
なんなら、柊は駅の方で誘拐されてしかもボクとほぼ同じタイミングで、そしたら、ボクが雨宿りしていた場所には車ではそう掛からない。
けど、下校時間は仕事帰りとかで車が混みやすいしかも駅前にある道路だと尚更ココまで来るのが、結構時間が掛かる。
近道を使ったところで、多分この場にはコイツは居ないと思う、だとするならなんでコイツはいるんだ?
真白は知らないが、もしかしてアイツも同じタイミングでか?アイツはどこで誘拐されたんだ?
そもそも、あんなヤツがあっさりと誘拐されるのか?
てか、さっきから心なしか部屋が暗くなったような、、、、。
「うぉ!?」
「、、、、、、、、」
上を見上げると、いつの間にか探索の手を止めていたのか真白が、ボクの真上で目を細めながら話を聞いていた。
「あっ、ごめんね。うるさかったよね。」
またしても眉を八の字にして、申し訳なそうに真白に謝る柊を気にしていないと言わんばかりに首を縦に振り、ボクらを見て口を開く。
「、、、、お前らはそこで誘拐されたのか?」
「そうだね、、、、」
「そうだけど、、てことはオマエも同じぐらいで誘拐されたのか?」
「あぁ、、、、だけどーーー」
「、、、、、、、、」
気まずそうに、或いは迷っているのか何か言いかけかけた、そして少し間をおいてから再び、口を開く。
「、、、、、、、、オレは、高校の中でなんだ。」
ーーーそう、口にした
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