1ー3 “まさかの展開”
あの部屋から出て数分、この薄暗い廊下を歩いているが今だに人に出会わないてか、ボク以外の足音が聞こえてこない。
もしかして、あの2人しかいないのか?いや、そんなバカなことはないよな、流石に。
でも、そのお陰でコソコソ隠れずに行けるから助かるな。
でも、なんかおかしくないんだよな。
ここホントにあの店の中なのか?地下だからと言って、こんな長くて広い廊下が続くのか?
後ろを振り返ってみると、自分が監禁さられていた部屋は、もう目視が出来ないほどに離れている。
だが、今だに階段が見つかる気配がない、なんならまだもう少し先を歩くことになるんだろうと分かる。
「なんでこんなことになったんだ、、、、」
日頃の行いは良いって思っていたけど、まだ足りなかったのか?いやそれか、徳の数値がマイナスだったりするのか。
まぁ、そう考えても今はココを出て早く警察に連絡をする方が優先だーーー
どごぉん!
「うぉ!!?」
目の前から鉄の扉が飛んできたぞ!?あっぶな鼻かすったぞ!
なんとか間一髪避けられたけど、バランスを崩してしまい転んでしまった。
「いって」
そして、飛んできた扉から『マジで!!?ハジくんなんか格闘技とかやってたの!?』と、驚きの声が聞こえてきた。
てことは、ボクと同じように誘拐されたヤツらがいるのか?
「うぇちょっ!?き、君大丈夫なの!?その怪我!」
そこから出てきたのは、耳に何個かピアスをつけいて明るい茶髪をしたヤツが、心配そうにこちらに駆け寄って手を差し出してくれた。
その手を握って立ち上がる。
そして、少し遅れて出てきたのは黒髪で目つきの悪くてほうに切り裂かれたキズをしたヤツも出てきた。
体格からして、コイツが扉ぶっ壊したヤツなんだろうな。
扉の方を見てみると、少し真ん中らへんが凹んでいるように見える。
アレをぶっ飛ばして少し凹ませるぐらいのチカラがあんのかよ、スゲーな。
「平気」
「え、嘘?平気なの?包帯巻いているのに?ホント?もしかして、さっき扉に当たったちゃった!?大丈夫なの?怪我してるなら言って!絆創膏ならあるから!」
チャラ男は間髪入れずに次々と質問をしたあとにポケットに手を入れて、なんとも可愛らしい絆創膏を差し出す。
コイツ、、、、一気に質問される身にもなれよ。
「ドアは避けた、その拍子で転んだだけで包帯は、、、、知らない。起きたら巻かれていた」
「えっ何それ?」
「さぁな」
「え、本人も知らないなんてある?」
チャラ男はポカンとした顔でそう言う、まぁそれはそうコイツの言う通りだな。
「とりあえず、ボクのケガは気にするな。あとソレはいらない」
「そ、そう、よかった〜」
ボクのケガはそこまでじゃないと分かったのか、チャラ男は胸を撫で下ろし安心をしたように笑顔を浮かべた。
「あっ、そうだ君名前は?オレッチは柊直哉一年生!」
「よろしくね⭐︎」
柊はさっきの心配そうな顔から、キラキラと輝きそうな笑顔を浮かべてピースを右目にやってウィンクをする。
多分いつものの調子に戻ったんだろう、よくこんな状況で戻せるな。流石陽キャ、こんな時でも自分のキャラを崩さないんだな。
「星奈ユイ、ボクも一年だ」
「マジ!?ホッシーも一年なの?オレッチら同級生じゃーん!」
「、、、、、、、、」
何だコイツ?よくこんな状況であだ名をつけらるな陽キャだからか?なんともスゴイ能天気なヤツだな、、、、。
呆れたように柊を見ていると、後ろにいたキズがあるヤツがこちらを睨むように見ていた。
なんだ?ボクは別になんもしてないんだけど、、、、いやコイツ、目つきが悪そうだからそう見えるだけだったりするか?
「、、、、真白創、柊と同じクラスで一年だ、よろしく頼む」
そしてボクらの中で背が大きくて体格もいいヤツ改めて真白がペコリとお辞儀をした。
別に怒っているような様子も無いし、ガチで目つきが悪いだけなのか?
まぁ、それに怒っていたとしても怒られるようなことはしてないし、別に言われる筋合いはない。
てか、今気がついけどコイツら堺高校の制服だな。
「あれ?ホッシーもしかしてオレらと同じ高校?」
柊もソレに気が付いたのか、大袈裟に目をまんまるにして聞いてきた。
演技クセェ〜、陽キャはそんなこともしなきゃついていけない世界なのか?
「そうだな」
「え〜!嘘!でもホッシー見たこと無いんだよね〜。ホッシーどこ科?」
まぁそうだろうな、ボクもコイツら見たことないしコイツらは普通科、特進科のどっちかなんだろうな。
「福祉科」
「へぇ〜、じゃあ将来は保育士さんになるの?」
「そうだな」
淡々と柊の質問に答えていると、真白がコッチに近づいてきた。
近くで見ると迫力あんな、身長デカいし。
つかコイツ何センチだ?190ぐらいじゃねぇか?こんぐらいあんなら。
「柊、星奈、今はそれより此処を脱出することだ。」
「話はあとにして、今はそれが優先だ。」
「確かに、オレッチら誘拐されてたね」
柊は「あはは笑!」と呑気に大きな声で笑った。
その笑い声はこの不気味で薄暗い廊下には似合わないぐらいに、、、、、、、、まぁ、別にいいかどうせ人いないし。
「じゃ、行きましょーい!」
「おー!」
柊が拳を作って上だかだからにあげて、やる気に満ちた掛け声を掛ける。
真白はそれに続くように拳をあげて柊に負けない合いの手をする。
その雰囲気はまるで体育祭の掛け声をしているようなモノに近く、若干この状況が誘拐されて閉じ込められている事を忘れそうになる。
呑気なヤツらだな、、、、、てかオマエもそっち側かよ。
もうなんか、、、、、コイツら今の状況分かってんのか?
、、、、、、、、、まぁこの状況を悲観するよりいいか。
そんな風に考えながらその様子を見ていると、柊がコチラに手を差し出してきた。
「、、、、なに?」
「ほら、一緒に気合い入れていこ!こんなに騒いでいるのに人来ないし」
「一緒に此処から脱出する仲間としてさ!ねっ!」
キラキラと輝きを見せる、コイツのこの人懐っこさと言うべきなのか、しかも顔は少し幼さが残っているのも合間ってまるで小さい子供のような笑顔を向けられる。
なるほどコレが噂に聞く、陽キャパワーとゆうものか。
「、、、、おー」
なんともやる気のない合いない掛け声を出して手を挙げた。
柊はソレに満足したのか、「それじゃあ〜出発しんこー!」と言い前に出て歩き始めた。
真白もボクも、その後に続くように足を踏み出した。
数分ぐらいたっただろうか、階段がやっと目で見えるようになってきた。
ココ、どんだけ広いんだよ、、、、ホントにあの空き家の地下なのか?
「やっ〜と階段が出てきたよ〜、、」
疲れきった声で体を伸ばして、階段に座り込む柊を横目に、真白は暗闇であんまり見えない階段を見つめていた。
コチラに振り返り元々目つきが悪いのに、余計に悪くなって見えて仕方ない。
「柊、星奈、此処からは静かに行動した方がいい。」
「そうね、ここみたいに人が居るとは限らないからね〜、、、、」
「星奈、平気か?」
なんだ?コイツ、もしかしてケガのことを心配してくれているのか?
首を縦に振ると、少しだけほうを緩めてホッとしたような微笑みが漏れていた。
「柊も平気か?」
「うん、バッチし〜」
柊は呑気そうな、だが何処か疲れたような声色で親指を立てていた。
すると、その動作で袖の中が見えた。
青アザがありそれは、まるで人の手のようでソレがクッキリと残っていてた。
、、、、なるほど、コイツも誘拐された時にケガしたのか。
「それと、ココからはオマエが先頭で行け。」
「あぁ」
すぐに首を縦に振って、先行して階段へと登り始めた。
スゲーなコイツ、絶対他の人だったら渋りそうなことを言ったのに嫌がる素振り見せるどころか、すぐに了承したぞ。
あんな見た目だけど、さっきの言動といい結構人当たりいいヤツだな。
でも、実際に敵に遭ったらこの中で一番ケンカが出来て動けるヤツが前にいた方が安心だし、柊はケンカが出来るイメージが湧かない。
そんなこんな、暗闇の階段に登っていくのであった。




