イライラにはチーズとおじゃこでカルシウム補給が良いと思います。
「ふぅ。。大変美味であった」
小さいキツネが満足そうにお腹をポンポンと叩く。
なんだかお腹のところが膨らんでるけど、それってもしかしなくても私のお揚げですよね。
キツネ(小)を恨めしそうに睨め付けるキツネ(大)と私。
ふとこちらを見つめるキツネ(大)の眼差しは、私たち同じ悲しみを味わった者同士ですよねという謎の仲間意識というか連帯感のようなものを帯びていて、変な頷きまでこちらに投げかけてくる始末である。
いやいや、ことお揚げ強奪事件に関しては、
私こそが唯一の被害者であり嘆く権利を持つ者ですよ。
なんてったって、私が私のためだけに作ったスペシャルなあさりだしお揚げうどんだったのだから。
だのに主役のお揚げはならず者共に奪い去られ、ただただ気持ちばかりのかき玉とおネギのほぼほぼ素うどんがそこにあるばかり。
そして、さっきまでの熱々の湯気が遠い昔の如く冷めてしまってる。
祇園精舎の鐘の声、所業無常の響きあり
といった趣である。
この世の全ては無常である。
悲しみの果てに悟りを開きそうになったので、無言でどんぶりを持ちレンジに入れそっと自動温めボタンを押す。
私は知っている。。
私を幸せに出来るのもまた私なのだ、という事を。
テーブルの上で満足そうにくつろぐキツネ(小)とひもじそうに腹を鳴らすキツネ(大)。
キツネ(大)がだんだん可哀そうに思えてきたし、
私もまだ食べたいのでもう1品お揚げ料理を作ろう。
2枚入りのお揚げを買ったので残りの1枚があるからね。
トースターに油揚げを置いて表面にお醤油を薄く塗る。
その上から刻んだネギとじゃこを満遍なく載せたらパラパラととろけるチーズをふりかけて焼く。
焼いているのを待つ間に、自分用の小皿とキツネ2匹用に薬味用の豆皿を2枚と小さなフォークを2本出す。
せかせかと動いているのが、なんだか現実逃避のようで笑える。
人は理解を超える出来事に出会いショックを受けると、それをかき消すよう逆に普段通りの行動に出てしまうんだなぁ。
などとまるで他人事のようにしみじみしてしまう。
だって驚き過ぎて逆に一周回ってスンッとしてしまったよ。
あれこれしているうちにトースターから、
(チーン!)とタイマーが鳴った。
熱々でとっても美味しそう!
お揚げを取り出すとキッチンバサミで食べやすい大きさに切り分ける。
私3分の2、キツネ達は残りの更に半分ずつを小さく切ったもの。
お皿に盛ると、さっき温め直したおうどんと一緒にテーブルに運んだ。
キツネ達の前にも各自に豆皿とフォークを置いてやると食べてもいいの?と、お皿と私を交互に見やりキラキラとした眼差しを向けてくる。
「どうぞ召し上がれ〜」
声をかけると同時に、
「かたじけない!」
「ありがと〜」
などと感謝の意を伝え、はぐはぐガツガツと食べ始める2匹。
いいんですよ。
さぁ、これから楽しい尋問タイムの始まりですよ。。
最近は大根の葉っぱとじゃことをお醤油風味に炒めて、すりごまをどっさり擦って混ぜたのを炊き立てごはんのお供にするのが好きです。
カルシウムは大事ですからね〜。




