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我らおきつね警備隊、はじめてのお留守番をしようではないか

ドアがパタンと閉まり静寂が訪れる。

週明けの慌ただしい朝に、自分以外に気を遣えるあの子はやはり今世でもとても優しい子だと分かりしんみりする2匹の背中。


「豆介は行ってしまったか。。」

「まめちゃ行っちゃったね〜」


我々はどうやら留守を任され警備隊長と警備副隊長(伝達係)に任命されたらしい。

任されたからにはしっかりと使命を全うしなくては!


玄関の戸締り、窓の施錠、火の元の確認、水が出しっぱなしになっていないか、冷蔵庫はちゃんと閉まっているか、など自分たちで出来る限り確認してまわる。


警備隊長の寿安が指差し確認で良し!と声を出すと、付いて回っていた警備副隊長の福も、よしっ!と指差し確認をする。


窓の施錠を確認していた所、ベランダに隅の方にどこを見ているのだろうか視点の定まらない鳩の姿を確認した。

枝を数本重ねて置いた雑な巣の上に、これまた雑に卵が産んである。


2匹はまさかこの家に自分たち以外の同居人が居ただなんてと少し驚いてしまい、じっと鳩とその卵を長い事見つめていた。


先住人ならぬ先住鳩は意味があるのか無いのか、何食わぬ顔で雑な巣の枝を咥えては位置を微調整している。


「おぬし、迷惑かけるでないぞ。しかし卵を産んだなら仕方がない、雛が巣立つまでは軒先を貸そうではないか。」

「ぽっぽあかちゃうまれるね〜」


鳩としばし睨み合い見つめ合いうんうんと頷くと、次の警備確認箇所に移動して行く。

しかし本当に鳩に伝わったのだろうか。。

2匹の気持ちが子育て鳩に以心伝心していることを願う。


あらかた家の中を巡り警備にひと段落つける。

戸締りなどはバッチリだったので、この家の主をひとまず安心させるために伝達係の福がメッセージアプリで報告をする事にした。


タブレットケースに付属されたキーボードで、

目にも止まらぬ素早いキータッチで文章を入力すると、カタタッターーン!と送信をする福。

おまけにスタンプも使いこなし抜け目なく送信したようだ。


少しの間を置いて歩から返信のスタンプが届いた。

可愛らしいおにぎりのキャラクターのものである。


その返信を確認し満足そうに頷く福。

伝達係をしっかりと全うしているようである。


横で見ている寿安は少し羨ましい気持ちになり思わず、


「いいのぅ。ワシもスタンプ送ってもらいたいの〜。」


と呟いた声をしっかり聞き漏らさない福。


「じゅあちゃもメールおくってみる?」


と言い放つやいなや、寿安に向かって鬼軍曹の如きスパルタ教育でメール送信のイロハをビシバシ伝授していく。


最初は涙目で覚束ない様子の寿安も、なんとかこうとかメッセージを完成することが出来た。


ドキドキする胸で送信ボタンを押す寿安と見守る福。

一拍の時を置いて届いたのは、ありがとうの可愛い玉子焼きのキャラクターのスタンプだ。


やったのじゃーと小躍りし喜ぶ寿安を、高い高いをしてくるくる回り一緒に喜ぶにニコニコの福。


2匹のお留守番警備の1日目は、まずまずの成功を収めたと言えるようだ。。

おきつねの警備ははだんだんと手慣れたものになり、歩もありがたいなと思うようになっていきます。。

帰宅後2匹から鳩の事を聞かされ大変驚く歩。

毎日洗濯を干していたのに鈍感で鳩に全然気付いていなかったようです。



追記

この鳩は後日ベランダのスリッパの上に卵を産みます。

もう巣作りすらダルかったようです。

夏場にサンダルを占領されたので、ベランダの床が大変熱い中アチチと四苦八苦しながら洗濯物を干す事になるのでした。

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