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19/22

幸せの五目炊き込みご飯

洗濯をしたり軽く掃除をしたり、起きる時間が遅いからか休みの日は日が暮れるまでがとても早い。


24時間平等に訪れているのに、平日の仕事終わりの時間まではとても長く感じる。

お休みの日はもっともっと長く満喫出来たら良いのにな。


取り入れた洗濯物を畳みながらふと横を見ると、寿安も福も一緒にハンカチを畳んだり靴下をくるんと一纏めにしたりとお手伝いをしてくれている。


最近はずっとお休みの日は1人で過ごしていたけれど、2匹が居てくれるからか家の中が少し明るくなったような気がする。


休みの日の夕方に感じていた漠然とした寂しさも、今日はどうやらやって来ないみたいだ。

昨日からの突然な非日常状態だけど、今までずっとそうして過ごしていたようにスッと馴染んでいる自分が居て不思議だ。


だらだらと流していたテレビの旅番組に旅館の美味しそうなご馳走が映り、洗濯を畳む手を止め釘付けになっている毛玉たち。


あそこまで豪華なものは無理だけど、画面に映った炊き込みご飯がとっても美味しそうだったから、


「今日の晩ごはんは炊き込みご飯にしようかな。お揚げがいっぱい入ってるやつ。」


そう呟くと、パッと振り返りランランとした4つのお目々で見つめられた。

無言で尻尾を振り振りする寿安と福を残し、洗面所にタオルを仕舞うためによっこいせと立ち上がる。


洗面所に向かう背中には期待の眼差しが向けられ、なんだかこそばゆく感じる。

自分の作るご飯がこんなに楽しみに思ってもらえるのも中々悪く無いもんだ。


タオルを仕舞いキッチンに戻る。

冷蔵庫の野菜庫を開けて材料があるか確認していると、こそこそと話す2匹の声が聞こえてくる。


「今日の夕餉も楽しみじゃのぅ。豆介の料理はほんに美味い。」

「まめちゃのごはん、油揚げいっぱいうれしいね。」


しゃがんで視界から外れた私に気付かず2匹ともキャッキャとはしゃいでいる。


はて、豆助とは私の事だろうか?

昨日寝落ちする寸前にそんな名前を聞いたような気がする。

あやつら、いつの間に私にそんなあだ名を付けて。。

豆だなんて、あやつらの何倍も何倍も大きな体なのに失礼しちゃう!


はっ!まさか体ではなく器の事だとしたら悲しい。。


悲しみに暮れながらも腹の虫は正直なので、ざかざかとお米を研いでいく。


今日は五目の炊き込みご飯とだし巻き卵。

きゅうりとワカメの酢の物にナスとピーマンの味噌炒め。


いつもより一品増やしたのは喜んだ2匹の顔が見たいから。


テーブルの上でせっせと働くお手伝いきつねたち。

美味しいご飯にありつこうと懸命に仕事をこなしている様子が微笑ましい。


幸せな風景ってこういう物なのかもしれないな、と味噌炒めのタレを混ぜながらその光景をぼんやりと眺めていた。

この晩の炊き込みご飯は、

人参、干し椎茸、ごぼう、油揚げ、鶏もも

のオーソドックスなものです。

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