対面
彼女は目を開いた。
「ここはどこ?」
「今すぐフェリシアのことを解放してくれ。サイモンの娘ってだけでこの子は直接君に関係ないだろ。」
「大ありよ。私とって不必要な存在よ。王女様が国に2人もいる話なんてないでしょ。それに脚本の同じ役のヒロインが2人も演じてる話なんてないでしょ。それと同じよ。」
「何が言いたいんだよ。」
「良いから私を解放しなさいよ!」
「サイモンからの愛を受けて良いのはただ一人だけなのよ。それが私。その為にはこの女を消さないといけないの。」
「この女って、私達少女の年齢だけど。背伸びでもしてるのね。高校生の友達から聞いたことある。サイコパスはエロいことの関心が人一倍強いから気をつけろって。」
「あんたが言う下品なもんじゃない。汚れのない愛。外からの汚れを弾いた男と女の汚れのない愛。それにしても2人とも命知らずね。こんな状況なのに反抗的な態度を取り続けるなんて。そんなことをすれば死か死と同等な辛い体験をするだけ。死を覚悟できてもないあんた達がそんなことを続けて良いのかな?」
「クソ…やめろ、やめてくれ…」
アンソニーは自分自身を惨めだと思うような表情をした。
「良かったね。私に気に入られて。」
「気に入られるなら人のこと調教しない女の子が良いね。」
「頭が良いだけじゃなくてそんな言葉も知ってるのね。頭も良ければ趣味も幅広いのね。」
「何言ってるかよく分からないけどこれ以上こんな話聞きたくない。やめて。」
「フェリシア、彼女のことは相手にしなくて良い。」
「そうだ。あんたに良いこと教えてやろうか。あんたの大好きなここにいる美少年は私とあんたの父親の前で一人でやるゲームを見せたのよ。」
「何よそれ。」
「知らないならそれで良いけど、残念だったわね。私はあなたの初恋の相手もお父さんのことも何でも知ってるし、隠してることも知ってるんだよね。その程度で愛を語るつもり?2人に恋するのにはあんたはガキなの。良い加減理解するべきことね。」
彼は彼女のことを見た。
「驚いてるようね。でも気がついてたんじゃない?彼女があんたこと好きだってこと。」
「どうしてそれを知ってるわけ?」
「あんたの机の中にあるメモを見ちゃったからよ。」
私はそれを二人に見せた。彼女は青ざめていた。
「アンソニー、カッコいい。こんな王子様他にいない。パーティーではふさわしい王女になりたい。」
私はメモを読み上げた。
「こんなこと考えたわけね。無駄なことを考えるものね。」
「さ、最低。人のメモ勝手に見るなんて。」
「良いじゃん。どうせ燃えてなくなるんだから。あんたの希望をかなえても良いけど?あんたにガソリンをまいて紙のように燃やして灰にすることもできるけど。」
彼女は怒り混じりで泣いていた。
「準備出来た。」
「ばっちり。凸しにいくよ。」
「言っておくけど正面突破は馬鹿のやること。」
フェリシアの友達は自転車で彼女の家に向かった。自転車で行くのには30分はかかる距離だった。
「行くよ。」
彼女達はインターホンを鳴らした。
「だから正面突破は不味いって!つまみ出される。」
彼女達はとっさに玄関から去った。
「誰もいない?」
私が彼女の母親に睡眠薬を飲ませたので出ないのは当たり前だ。
「窓を割ってはいる方法も考えたけど不在ならその手間を省けそうね。実はいつも遊んでるから暗証番号覚えてたの。たまにガレージドアからはいる時あるじゃん。それを覚えたんだよ。」
「あんたが悪人だったら恐れ多いわ。友達でいるの考える。」
「私の記憶力をそんな所で悪用しないに決まってるでしょ。そんなことしたら今頃悪ガキとしてネットで有名になってそうね。」
「ネットの教科書の人物ってところかしら。」
彼女達は暗証番号を入力した。
「よし入れた!!」
「流石!」
2人はハイタッチをした。
「今日はスペシャルゲストがいるの。隣から連れてくるから。」
私はメラニアの足枷をとった。手錠を解錠してはすぐに彼女の腕に取りつけた。そして喋れるようにした。
「本当にやるの?」
「計画を実行する以外何が出来る?宛もなく一人で逃げれないんだから。」
「殺人なんかに協力したくない。」
「何言ってるの?どうせ望んでない子供を殺すんでしょ?それなら簡単よ。あんたは悪くない。やらないならこうしても良いけど。」
私は銃口を彼女の頭にあてた。
「最後は自分が一番可愛いんだから。もし助かりたいならこれしかない。断る選択はこれで出来ない。」
「分かったよ。」
私は魔法瓶を渡した。
「さあはじめようか。」
彼女の手錠を解放する。
「この魔法瓶の中に入ってる飲み物は何だ?飲んだら頭空っぽな馬鹿でも正解が分かるよ。」
彼女は魔法瓶の中に入ってる熱湯をかけた。
「熱い熱い!」
熱湯は彼女の身体にかかった。
「やめてくれ!何かするなら僕にしてくれ。彼女は関係ない。」
「あんたのこと好きだから殺人計画の一環で殺すことなんて出来ないな。殺害するのはこの邪魔な害虫よ。」
「本当にやめてくれ!」
「やるなら私を銃で殺して!」
「何言ってるんだ。やめろ。あんな奴の為に命を落とすな。」
「縛られてて何が出来る?あのサイコにそんなの通じない。」
「考えてることはお見通し。死ぬなら痛みがなるべく少ないかたちで死にたいんでしょ?ちょっと死を覚悟できたことは褒めてやる。だけどすぐ死になせるのは楽しくないから希望を叶えてあげられないや。メラニア、次はサイモンがいつもやってることをやって見せて。」
彼女は何回もターゲットをビンタした。
「ビンタだけ?これも使わないと。」
鞭で彼女のことを痛めつける。
「痛い…やめて…」
「もう良いだろ。殺すなら僕を殺して。」
「何でそんなにあの女を庇うわけ?聞き分けが良いあんたが反抗的な態度をとるなんて。」
「つまり殺すのは聞き分けの悪い僕の方だ。僕のことよく知ってるだろ?監視役として君は僕を処罰するべきだと思わないか?」
「監視役の役割はただ報告すること。あんたを処罰するのは隣の奴の父親よ。」
私はアンソニーに抱きついた。撫でるように身体を触った。
「鍵が閉まってる。」
「こうなったら力づくであけるよ。」
彼女達は力づくでサイモンの部屋に入った。
「ここにもいない。」
「フェリシア、いるなら返事して!」
「こんな所にいるわけないでしょ。私達の目的は親二人について調べることでしょ。母親は収穫なしだから怪しいのはあの父親な可能性高いね。」
「これ何?何でこんなものが?」
「警察ごっことか?」
「もしかしてそれでフェリシア虐待されてんじゃない?」
「それなら傷あるから現実味ないけど。」
「多分暴力とは違う方法で虐待してるんじゃない?私達の知らないどこかに閉じ込めたり。」
「ああー、もうどこにいるの?いるなら出て来て!」
ドアが開く音がした。
「誰か来る。」
彼女達はクローゼットに隠れた。
「次は窒息チャレンジ。死ぬ寸前まで息を止めて。」
メラニアは私の要求をどんどん実行する。
「もう一回。」
「あと何回やれば良いの?」
「私が満足行くまでよ。」
苦しそうな表情を何度も見た。今にも何かを吐き出しそうな感じだった。私にはこれじゃ足りなかった。私の愛を邪魔するものにはこれじゃ足りなかった。もっと制裁をするべきだと思った。
「何で泣いてるか分かる。あの女に少しでも気持ちがあるからでしょ?何度言っても分からないんだね。あなたのことをよく知ってるのはこの私の方。あんたを取り囲むビッチどもとは私は違う。これ以上がっかりさせないで。」
「嘘でしょ!」
「どうしたの?何をそんな驚いてるわけ?」
「サイモンの娘が死んじゃった…」
「嘘だ…フェリシア!フェリシア!どうして…そんなことあるかよ…人殺しが!」
彼が叫んだ。
「だから何?何でそんなに焦ってるわけ?もっと懲らしめておけなかったから残念なくらいね。」
「これから私どうなるの?私刑務所に行きたくない。」
「相変わらずあんたは弱虫なのね。いつまで新入り気分なの?しょうがないわ。1つ助言するよ。あんたは悪くない。外の世界では権力を振りかざして隠蔽したりする人間ばかりよ。それと比べたらあんたの殺人は可愛いものよ。」
「そ、そうだよね。私、間違ってないんだよね?」
「そうよ。あんたが殺したんじゃない。彼女が窒息チャレンジに耐えられなかったから。」
彼女は全てが終わったかのように安心した。さらに銃で撃とうと思ったが意外と気が済んだのでやめた。
「あんた部屋を出て良いわ。これが私からの報酬よ。ただし私のことを喋るなら容赦しない。どこまでも追いかけるつもりよ。」
「分かった。約束するよ。」
彼女は部屋を出た。
「誰か来る。」
「静かに。」
サイモンが自分の部屋に入った。
「ん?誰か入ったのか?」
彼はくまなく部屋を確認した。
「色々ものがなくなってる。どう言うことだ。」
彼はすぐにクローゼットの方に向かった。
「何で君達がここにいるんだ?」
「フェリシアと隠れんぼしてたの。」
「そうそう。」
「何でも良いから出て行け!」
「待って!フェリシアに何したわけ?手出してたら許さない。」
「ちょっとあんた正面突破は駄目だって言ったでしょ。いや、私達このままだと見つかっちゃう。」
「いいから出てけ!」
「離せよ!」
彼女達はつまみ出された。
「クソ、何が起きてるんだよ。」
彼は地下へ向かった。1つずつ部屋を調べた。1つの目の部屋を出るとメラニアと鉢合わせてしまった。
「お前、どこに行くだ?」
「それは言えません。」
「勝手に逃げるな!部屋に戻るぞ。」
「今、部屋に戻っちゃ駄目!」
「ごちゃごちゃうるさい!行くぞ!」
「何でレベッカの部屋が開いてるんだ?」
彼は彼女のことを力づくで抑えながら部屋まで進んで行く。
「今、入ったら駄目。」
彼女は震えていた。
「何してんだ?え?」
彼は自分の娘がいて驚いた。
「何でフェリシアがここにいるんだ…」
「彼女は死んだんだよ。」
彼は彼女の身体を揺らしながら確認した。
「おい、しっかりしろ!フェリシア!目を覚ますんだ!」
「揺すっても無駄だよ。もう彼女は窒息死したんだから。」
「嘘だ!嘘だ!フェリシア!!我が娘よ!どうして…どうして死ぬんだよ…」
彼は泣きながら叫んだ。彼が泣く姿ははじめてだった。
「人殺しが!」
彼は私に飛びかかろうとした。一発銃を撃った。銃弾は壁に当たった。
「飛びかかるのならこうするけど?私の言う通りにするなら生かしてあげる。」
「わ、分かった。」
今までにない弱気な反応だった。
「服を全部脱いで!逆らうなら銃で撃ち殺すわ。」
彼は服を急いで脱いで床に投げ捨てた。彼の全裸を見るのははじめてだった。
メラニアは全力で走った。するとフェリシアの友達2人とぶつかった。
「あなた誰?」
「サイモンの手下?」
「何言ってるの?私達はフェリシアを探してるの!サイモンの娘の。私達は学校の友達。何もしないから。全て話して。」
彼女は床に崩れ落ちた。
「私サイモンに誘拐されてたの。お腹に彼の子がいるの…私は被害者なの。」
「分かった落ち着いて話して。アンジーは警察に電話して!」
「分かった。」
アンジーは警察に電話して家を出た。
「大丈夫。ここなら安全よ。」
フェリシアの部屋に入って鍵をかけた。そして彼女は起きたことを全て話した。
「この中です!」
メラニア達は警察が来たことに気がつき、メラニアがサイモンの所まで案内をした。
「動くな。今すぐ銃をおろせ!」
私は銃を床に落として嘘泣きをした。




