嫌悪感
私はボロボロになったドレスを見て少し微笑んだ。そしてゴミを投げつけた。そして彼女の顔を頭に思い浮かべてさらに切り刻んだ。私はまた地下の世界に戻った。地下の世界はとても暗く光は人工的な光だけだ。私達だけの秘密の空間だ。
「元気そうね。」
私はメラニアの部屋に侵入した。
「今どんな気持ち?助かったかと思った?助けるのにはまだはやい。」
私は彼女を軽蔑の眼差しで見た。私は数分して部屋を出た。いつも通りに部屋に戻った。暗闇の中で彼の幻影を思い浮かべた。幻影は2つあった。1つはサディストとしてて抜け目がなく自信満々な彼な姿、もう一つは思わぬ事態に困惑して感情的に取り乱す彼の姿だった。怒りで取り乱した彼の姿はとても人間らしく見応えがある。実に興味深かった。
「アリッサ…会いたい…」
私は大声でアリッサの名前を叫んだ。すると彼女の声が聞こえるような気がした。
「あの子が遠くから答えてくれたんだわ。」
南京錠のように彼女との愛は解くことは出来ない。周りに何を言われようと彼女との関係をあきらめることなんてありえない。
「ママ、明日パーティーがあるから送っててくれる?」
「もちろんよ。前々から分かってることだし。気になる男の子でもいるの?」
「パパに全然似てない男の子よ。」
「理想の王子様を狙ってるわけね。もし付き合えたらパパに自慢してやりな。」
「パパは何だかんだ私のこと喜んでくれるよ。」
「嫉妬とかしたりしてね。」
「そんなことないない。パパらしい冗談は言うと思うけど。」
フェリシアは自分の部屋に行った。
「いよいよ明日。ドレスは…」
彼女は無残な姿になったドレスを見てよろけてしまった。
「嘘よ…誰がこんなこと…」
急いで母親の所に向かった。
「監視カメラ見せてくれる?」
「どうして?」
「私のドレスがボロボロなの。明日パーティーなのに最悪なんだけど!」
「分かった。」
「一緒に見たい。」
「悪いけど私が確認したいの。深く考えなくて良いのよ。」
彼女の母親は確認した。
「パパが廊下をウロウロしてるだけで特に何もなかったわ。」
「嘘よ。もう一度確認して。」
「何度確認しても一緒よ。良い?これ以上このこと考えてたら苦しくなるだけよ。警察にはお願いしてるし」
「警察はまともに捜査してくれてないじゃん。私のプライバシーにばかりに干渉してきてポンコツよ。」
「私だってもっと調べて欲しいと思ってるしあなたに酷い目にあって欲しくないと思ってるの。何度も警察に訴えてるのよ。」
「私を大事にしてるのはよく分かったよ。だけど具体的に何が解決したわけ?ドレスが破れてて普通になれると思う?」
彼女は泣きながら去って行く。
「フェリシア、待ちなさい!どこに行くの!」
フェリシアはあてもなく走って行く。そして携帯でいつもつるんでる友達に電話をかけた。
「最悪!」
「どうしたの?またサイコ野郎が家に侵入したとか?」
「よく分かってるじゃん。ちょうどその話をしようとしたの。」
「最近のあんたの様子見ればお見通しよ。」
「明日パーティーで着るドレスが今やただのボロ雑巾よ。悪質な嫌がらせよ。」
「何それ?気持ち悪くない?」
「気が気でないし彼に見せるドレスが台無し!本当に許せないんだけど。」
「私も聞いてて黙ってられない。パーティーの前に従姉妹のドレス着る?」
「そうするしかなさそうね。」
次の日彼女はサイモンに車で送って貰い友達の家まで行った。
「うちの娘を頼んだ。」
「分かったわ。パーティーが終わったら私が家まで届けに行くわ。」
友達の母親が彼に言った。
「このドレスどう?着て見て!」
「ぴったりだけどこれで彼に気に入って貰えるかな?」
「弱気にならないで。もっと自身持ちな。女の子は元気な女の子の方がちょうど良いのよ。」
「そうよ。アンソニーにもうアタックするんでしょ?」
「ドレスがいまいちならドレス以外で何とかするわ。」
「流石私の友達ね。」
彼女達は抱き合った。その後パーティー会場に向かった。
「3人とも来たんだ。いらっしゃい。」
パーティーには中学生もたくさんいた。
「本当に綺麗な家じゃん。」
「うちより金ありそう。」
「あーもう、早速彼の周りを女の子が囲んでる。話す隙ないじゃん!」
「これからでしょ。」
「そうしてるうちに占領されちゃうよ。」
「ゲームかなんかじゃないんだから。もうこうなったら話しかけに行く。」
「頑張れ!」
「いけいけ!」
彼女は女の子達をかき分けて話しかけた。他の女の子達は彼女を睨みつけた。
「何あの子?」
「感じ悪すぎ!」
「皆ごめんね。この前の試合の感想をどうしても伝えたくてここまで来ちゃったの。」
「何それ?」
何も言っても彼女達は不快感を表明していた。
「この前の試合ほとんどアンソニーが決めててすごかった。うちのお父さんバスケすごい大好きだから見せたいくらいだった。普段どんな練習してるの?」
「特別な練習はしてないよ。全て自己流だね。」
「すごい!完璧じゃん。」
「流石アンソニー。」
周りの女の子達は彼に感激した。
「今度私にバスケ教えて。うちのお父さんと張り合いたいんだ。」
「そうなんだ。それは楽しそうだね。」
「アンソニーから教えてもらったお父さんに勝ちそうだと思って。」
「そうなんだ。」
彼はあまり彼女に関心を示してる感じではなかった。
「トイレ行ってくる。」
彼はその場を離れた。
「どうだった?」
「特に進展なしね。多分すでに良い人いる感じよ。」
「彼に聞いたの?」
「聞かなくても雰囲気からしてそうよ。既にフィアンセを見つけてるのよ。」
「あきらめはやくない?」
「もっと積極的にならないと。あんた恋愛は奥手なのね。」
「このドレスがやっぱり気に入らないのよ。」
「何それ?せっかく従姉妹のドレス貸してやったのに。」
「だってそうでしょ。あんたの従姉妹にはあうのかもしれないけど。」
「あーあ、うちの従姉妹はファッションの悪い従姉妹よ。もっと良いドレスが着たいのね。どうせ似合わないくせに。」
「2人とも、やめなさいよ。そもそも悪いのはよく分からない犯人だろ?」
「そうよ。何でうちら2人がこんな低レベルなことで争うわないといけないのよ。」
「そうね。とにかく今日はアンソニーと話す話題がなさそうだわ。」
「このスイーツでも食べて楽しいことでも考えるわよ。」
「そうね。」
勝負するつもりだったパーティーはあっけなく終わってしまった。
「パーティーはどうだったんだ?」
「美味しいスイーツとか食べれて良かったわ。」
「良い奴とかいたのか?」
「パパよりずっと賢い男の子はいたわ。」
「言われてしまったな。」
「それにしても最悪だわ。ドレスボロボロにされたせいであまり似合わないドレス着る羽目になったんだよ。ドレスをめちゃくちゃにしたのパパじゃないよね?」
「そんな娘を悲しませることはしない。」
「そうよ。そんなことするはずないわ。ねえ、パパからも警察に捜査進めるの促してくれない?たくさん声を上げれば手がかりが掴めそうな気がするの。」
「ちゃんと薬を飲んで休んだ方が良い。」
彼は娘に寝るように促した。
「暗闇の空間はさぞかし寂しいだろうな?お前を味方する奴は誰もいない。」
私は彼がいなくても彼の声を頭の中で想像した。
「やめて!きゃーー!」
どこかの部屋から悲鳴が聞こえた。きっと他の部屋の少女が彼に殴られているに違いなかった。新しく誘拐した少女ばかりに集中して私への関心が薄まって来た。私は何度も彼のいない所で名前を叫んだ。常に注目して欲しかった。
「サイモン!」
隣の少女らしい声を出した。
「はやく、こっちに来い!サイモン!」
「うーうー!」
私は銃で壁を撃ち抜く妄想をした。銃弾は灰色の壁を撃ち抜いた。そして隣の黄色の空間を通った。さらに黄色の壁を撃ち抜いた。さらに茶色の部屋に入った。誰か倒れてる感じがした。ぼやけて見えない。そして茶色の壁を撃ち抜こうとすると溶けてる感じがした。そして隣の部屋に入った。その部屋も灰色だった。時々白になってチカチカした。白は何も汚れがない白だった。汚すことを許さないようだった。一人の棒人間がいた。だんだん上から黒い線がおりて来て棒人間にくっついて縛って首を引っ張った。そんなのも気にせず壁を撃ち抜いた。隣の部屋に入ると豪華な宮殿の部屋に入った。だけどそこにはアリッサはいなかった。銃弾の位置を変えた。見えるのは暗い赤いカーペットだった。浴槽を撃ち抜けようとしたが彼女は見つからない。サイモンが声が聞こえると銃弾は元の灰色部屋に戻される。
「ご飯の時間だ。」
彼は私の口に無理矢理食品を詰め込んだ。
「どうだ?腐ったクレープの味は?」
私は全て吐き出し床にばら撒いた。腐った臭いが私の鼻に届いた。その臭いは私に知恵を与えた。
「もう一回食え!」
まだ食事や入浴の時私に話しかけてるのが救いだった。吐き出した腐ったクレープのかすは私達の美しき思い出だ。
「よく出来たな。ご褒美にこれを飲むんだな。」
とても苦いコーヒーが私の体の中に流れて行く。私は苦くて苦しむふりをした。わざとコーヒーを彼にかけると彼が私の腹に拳を当てた。そうすればもっと彼が私のことで頭いっぱいになってくれるはずだと考えた。さらに唾をばら撒いた。余計なことをするほど彼は対策を考える。新入りなんてかまってる時間なんてない。もう私はご褒美なんていらない彼が私のことで頭いっぱいになることそのものが彼からの愛だ。
「喋らなかったな。もし喋ったら本当に銃弾で頭を撃ち抜くからな。」
何度も同じようなことを私は聞いた。 彼の前では名前すら言わなかった。ルールはバレないように破って隠蔽すれば何も問題はない。外の世界もここの空間でも同じことだ。彼がルールなら抜け道を作れば良い。
それから3日が経った。疑われないように私は外の世界に出る時間を最小限にした。出たとしても彼の部屋にこもったり、あの女の部屋を調べるだけだった。
「こっちだ。」
私の部屋の方に彼が向かって行く足音が聞こえた。どんどん近くなった。だけど何か違うようだった。そして彼はドアを開けた。さらに彼は暗い部屋にランプを灯した。部屋が少し明るくなった。目の前にいたのは同年代くらいの男の子だった。彼の顔にかかってた布がとれた。彼はとても魅力的な美少年だった。




