第十九話 岩窟の研究室 其の五
クローリーと白露が、棚から日記を手に取り読み漁っていると、白露が本棚の奥の壁に鎖のようなものが、ついているのを発見した。
「お兄様。これ、なんでしょう?」
「隠し扉があるとか、ベタなモンかもしれない…」
本棚に隠し扉のスイッチがあるのは、定番中の定番だ。
「引っ張ってみます?」
「…………」
白露が鎖を強く引くと、ギィという音がした。
「どこが開いた?」
「なんか後ろから聞こえましたよ」
「後ろの本棚の本をどけてみよう」
「ですね」
二人は急いで、本棚の本をどけると本棚の奥にある壁が開いて通路が見えた。「本棚どけられますかね?」
白露が押してみたが本棚はビクともしない。
「動かないなら、どこかに本棚を動かすスイッチがあるはずだ。俺は床を調べるから、白露は空いてる壁を」
「わかりました」
二人は床と壁を調べた。
「…………」
白露は壁を、くまなく手で叩き音の違いがないか調べている。
「とりあえず、カーペット捲ろう」
クローリーは、机の下に敷いてあるカーペットの四角を捲った。
「白露。机をどけるから手伝ってくれ」
「はい」
机をよけて、カーペットを捲ると石畳の中で一枚だけ違う色の石があった。
「踏むぞ」
「…………」
色の違う石畳を踏むと、ゴオという大きな音と共に通路前の本棚が動いた。
「開きましたね」
「行く前に、ブラッドとアルを呼んでこよう」




