表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/24

幕間

「ねえ、お姉ちゃんはどうして騎士さんになろうと思ったの?」


 昔のことを思い出していた。


「悪者をやっつけるためだ」

「わるもの? お姉ちゃんのわるものって、だれ?」

「そんなの、魔王に決まっているだろう」

「そうなんだぁ」

「魔王のほかに悪者がいるのか? だったらお姉ちゃんに任せろ。そんな奴、私がこてんぱんにしてやるからな」

「ほんとに!?」

「ああ、だから言ってごらん」

「うんとね……王さま!」

「――」


 言葉が出なかった。妹にそんなことを言われたのに、何も言葉を返すことができなかった自分がとても情けなかった。

 この世界は、決して魔王だけのせいで混沌としているわけではない。魔王討伐を掲げる諸国王たちも世界を不安定にしている要因だった。それは我が国の王も例外ではない。国民を無視しているかのような、贅を尽くした己の生活。そんな国王の姿に、少なからず疑問はあった。そして、私が騎士になったことによって私たちの家族だけが裕福な生活をしているこの現実にも強烈な違和感を覚えていた。

 

私はなぜ騎士になった?


「お姉ちゃんは、王さまをやっつけられる?」

 その無垢な瞳は不安の色を帯びていて、どこか本気で懇願をしているようにさえ感じてしまう。

「――ああ、もちろん。悪者はやっつけなければいけないからな」

 世界を敵に回そう。

「お姉ちゃんに任せておけ」

 それでこの世界が平穏を取り戻せるのなら。

「うん! 約束!」

 この子たちがいつか、純粋に笑える日が来るのなら。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ