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第十二話 支配
#第十二話 支配
頭の中を何かが蠢く感覚がある。
顔が引き攣り勝手に笑い始める。
何もかもが腹立たしくなり、怒りの感情がこみあげてくる。
全てが虚しくなり、涙がこぼれてくる。
そして、目の前の闇がとても高貴で尊いもののように感じる。
「ジル様の…しもべ」
ジル様は脳を支配出来た事に大変満足されている。
ジル様に喜んでいただけた事が何よりも光栄な事だ。
「我が命をジル様に捧げます」
手刀が胸に突き刺さり心臓が握り潰される。
痛みを感じるが、ジル様が世界の恐怖を知る手伝いが出来て満足だ。
次第に脳に血液が流れなくなり、酸素が不足し段々意識が遠ざかる。
身体の力が入らず、首が後ろに倒れて空が見える。
視界の隅にはジル様の目の部分の窪みが映る。
まず、世界から音が消えた。
風の音もバルドの叫び声も聖女の悲鳴も何も聞こえなくなった。
世界から光が消えるように視界が段々暗くなっていった。
そして、世界が真っ暗になった。




