12/19
第十一話 敗北
#第十一話 敗北
ハッタリはあくまでもハッタリだ。
ハッタリだけで勝てるほど甘くはない。
スローモーションを使っても闇のスピードには追いつかない。
目では見えている。
けれど手の動きが間に合わない。
獣や人間を模倣して構造を理解している闇は人よりも洗練した動きが出来るのだろう。
それに後ろに下がろうにもうまく足が使えない。
靴を履いているせいだと理解した。
足の裏の感覚がどうしても裸足とは違うからだ。
圧倒的な力の差ではない。
相手の方がほんの少しだけ自分を超えている。
けれどその差が少しずつ、少しずつ命を削られて行く。
闇は爪を伸ばして剣のように使う。
尖った爪が身体に少しづつ傷を付けられていく。
いつの間にか腕の健が切られ腕が上がらない。
どす黒い血が滲み始める。
それが黒い闇の染みになり、全身が黒くなっている事に気付いたがもう頭の中まで闇が侵入して来て割れるように痛い。
「う、う、我は…」
闇が勝手に身体を操る。
いや、脳を支配されている。




