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双子の“じゃない方”の私が聖女になりました 〜スペアだった私を、本物だと見抜いた聖騎士に溺愛されています〜  作者: 渡辺 佐倉


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聖女の作った国

* * *


この国は聖女の作った国とされている。

聖女様は勇者様とともに悪しきものを打倒(うちたお)したとされている。

けれど悪しきものは完全に滅びることは無かった。

そのため聖女様はこの国に結界をはり、悪しきものの仲間がこの国に入れないようにした。

そして、悪しきものをこの国の地下深くに封印した。


そしてその封印と結界を守るために聖女様は王族となった。

それが私の祖先だ。


最初の聖女様が作った結界も封印も永久に保てるものではない。

だから、王族に男子が生まれた場合は(まつりごと)を司る王に、女子が生まれた場合は聖女となる習わしだった。

ただし、聖女になるためには適性が必要で、ここ数代聖女はいなかった。


私と珊瑚姉さまは双子だ。

私たちが生まれたときに、封印や結界の御業の適性があるとわかって城はわいたという。


結界も、封印も守られるのだ。

誰もが喜んだという。


聖女の血をひくたわしたち双子姫は、聖女としての修行をすることになった。


姉が聖女の候補として、私がそのスペアとして。

王族に聖女の適性があった場合、姉から聖女候補とするしきたりだ。


私は生まれた後、聖女の適性があるかもしれないとなった瞬間からずっとスペアだ。

ただ、それを悲観したことはあまりない。


スペアと言えど、聖女候補となれたことは栄誉なことだ。

初代の血を受け継げたことは誇りだ。


けれど、正式に就任した聖女が幸せばかりではないことは知っている。

聖女になったものは子がなせない。

理由は分からない。

最初の聖女様が子を産んだからこそこの国は続いている。


だから聖女が子をなせないはずがない。

けれど、この国に残ってる歴史書ではそうなっている。

先代の聖女様にもお子はいなかった。


私はスペアとして仕事を全うしたかった。

ただ、姉と髪の色を変えて入れ替わっていたのには、聖女になった姉が聖女の職務以外の多くを諦めねばならないと知っていたからかもしれない。


勿論、官吏たちも原因を調べているらしい。

けれど、あまりにも長い時が経っている。

聖女様がこの国を建国をしたことはわかっているが、勇者様がその後どうなったのかも分からない。

聖女様と婚姻を結びこの国の初代国王になったとも、悪しきものと相打ちになったとも言われているが確かな話は何も受け継がれていない。


聖女が本来どのような役割を果たしていたのかさえ分からない部分が多い。

祭祀として行われる神殿主導の儀式は民の心をつかむためのものが多い様にさえ思う。


私が外で聖女としての美しい装いをして踊ったりすることが苦手だからかもしれない。

けれど、最初の形からは変わってしまったのだろうということはわかっている。

ただ、唯一。聖女降臨の儀だけは神様が本当に聖女に力を授けるらしい。

それは人間には絶対に不可能なことで。


その聖女にあす双子の姉の珊瑚姉さまはなるのだ。

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