表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HINA-死神の系譜-  作者: 竜堂さくら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
68/102

第68話 四強揃う


 一足先に準決勝進出を決めた雛は、試合場脇から続く試合を静かに見つめていた。


 会場にはまだ熱気が残っている。


 勝ち残った者。


 敗れた者。


 それぞれの思いが交錯する中、二回戦第二試合が始まろうとしていた。


 審判が中央へ立つ。


「代表者前へ!」


 二人の代表が歩み出る。


「引導流鮎原家対引導流三島家。禁じ手はありません。よろしいですね?」


 二人は頷く。


「始め!」


 試合開始。


 三島家が先に連撃へ入る。


 鮎原家は真正面から打ち合わない。


 懐へ潜り込み、腕を取る。


 崩す。


 投げる。


 立ち上がった三島家が再び連撃を仕掛けても、組み技で流される。


 何度も体勢を崩され、最後は関節を極められた。


 審判が試合を止める。


「勝者、引導流鮎原家!」


 楸が感心したように腕を組む。


「引導流では珍しい組み技主体だな」


 祥子が頷く。


「皆伝者は独自に改良することが多いから」


 高山も納得したように言う。


「同じ流派でも別物みたいになったりするんですね」


 美玲が雛を見る。


「雛の次の相手よ」


「問題ない」


 雛は静かに答えた。



 二回戦第三試合。


 引導流日高家。


 引導流樹家。


 どちらも連撃を主体としながら、それぞれ独自の改良を加えていた。


 日高家は連撃の中へ組打ちを織り交ぜる。


 樹家は投げを組み込む。


 攻防は何度も入れ替わる。


 互いに一歩も譲らない。


 だが。


 樹家の投げが決まる。


 勢いよく畳へ叩き付けられた日高家は、そのまま動けなかった。


「勝者、引導流樹家!」


 拍手が起こる。


 四強最後の一枠。


 残るはあと一試合だった。



 二回戦第四試合。


 審判が中央へ立つ。


「代表者前へ!」


 二人が試合場へ進み出る。


「引導流濱崎家対引導波涛流才谷家。禁じ手はありません。よろしいですね?」


 二人は静かに頷く。


「始め!」


 開始直後。


 濱崎は動けなかった。


 一回戦。


 あの一撃を見てしまったからだ。


 不用意に踏み込めば終わる。


 慎重になるしかない。


 一方の才谷は焦らない。


 ゆっくりと間合いを詰めていく。


 濱崎は覚悟を決めた。


 一気に踏み込む。


 連撃。


 拳。


 掌。


 肘。


 畳み掛ける。


 楸が小さく呟く。


「今回もさっきの一撃か?」


 祥子も同意する。


「その可能性は高いわね」


 しかし。


 予想は外れた。


 濱崎の連撃へ。


 真正面から才谷の連撃が割り込む。


 会場がどよめいた。


 引導流としては決して速くない。


 だが。


 一発一発が重い。


 濱崎は咄嗟に腕で受けた。


 鈍い音が響く。


 それでも才谷は止まらない。


 ガードの上から。


 さらに。


 さらに。


 重い連撃を叩き込む。


 嫌な音が響いた。


 濱崎の右腕が不自然に曲がる。


 続いて左腕。


 連撃は止まらない。


 濱崎は膝をついた。


 審判が飛び込む。


「ストップ!」


「勝者、引導波涛流才谷家!」


 会場がざわつく。


 楸は苦笑した。


「連撃の打ち合いでも負けないアピールかよ」


 美玲は才谷と雛を見比べる。


「完全に雛を意識してる!?」


 祥子が小さく呟く。


「あれに勝てるの?」


 雛は静かに答えた。


「次の次だから」


 高山は思わず声を上げる。


「決勝に行くのは確定なんだ!?」


 楸は笑う。


「今さらだろ!」


 準決勝進出者。


 鮎原家。


 樹家。


 伊集院家。


 そして。


 引導波涛流才谷家。


 四強が、揃った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ