二十二話 二人なら永遠
「近場の公園で運動でもしようよ」
そう言ってきたのは奈央だった。
俺にできる運動と言えば、ランニングかバスケぐらいだけだが、奈央は高校時代テニス部だったからかテニスをすると言い始めた。
俺があまり得意じゃないことを伝えるとやり方教えるからとそのまま公園に行くことになってしまった。
最近は遠出しないでカフェに行くという日課になってしまっている。
折角だったらどこか遠出したいものだが、そんなに簡単にいけるようなところはないか。
着いてしまった。
あまり奈央にカッコ悪い姿は見せたくないけど、やらないのも違うよな。
「どうやってやんの、これ?」
「ほら、こう持って。」
「こうか?」
「違う違う。
こうだってば。」
理解力のなさを明らかに露呈してしまっている自分がすごく情けなかったが、こんな俺を見て笑ってくれる奈央は心底かわいく思えた。
テニスボールを優しくポンとラケットで跳ね返しながら、ラリーをしていく。
「ちょっとしっかりこっちに飛ばしてよ。」
「ごめんって。下手だから許してよ。」
「何、下手だから許せって。
新しい謝罪?」
他愛もないしょうもない話をすることも幸せでしかない。
時より変な方向にボールを飛ばしながら話し出す。
「最近さ、カフェにしか行ってないじゃん。」
「うん。」
「奈央は飽きないの?」
「全然楽しいよ。
エヌもいてくれるし。
話せる相手がいるっていいね!」
俺がいてくれるから楽しい。
そういう風に聞こえて、バカみたいに胸が高鳴る。
でも、それが俺が想像しているような意味じゃなくて少し残念がってしまう。
それでもずっと一緒に入れる気がしているからなんだっていい。
死神と故人って関係なんかなくなっちまえばいいのに。
そうなれば、関係なんて気にしなくて済むってのによ。
「エヌはさ、なんで死神やろうと思ったの?」
突然の質問に動揺が隠せないが、ここはバレていないし、ちょっと攻めて正直に言ってみるか。
「そうだな。
こっち来る前に好きな人いたんだけどさ、その人がどうなったのか気になったからここでその好きな人が来るまで待ってる。
ってだけかな。
こっち来ても、俺が何かできるわけじゃねえけどな」
そう言って笑って見せる。
これで察せられたら困ったものだったが、幸い奈央は気付いていなかったのでセーフだ。
「ふーん、そうなんだ。
なんか意外だね。」
なんだよ、意外って。
侮辱かな?
おっと、被害妄想が勝手に膨らんでしまった。
失敬失敬。
まあ死神風情が好きな人をずっと追いかけてるってまあ普通に考えて意外か。
ついに、頭まで価値観こっちの方に染まってきちまったな。
「あ、そうだ。
エヌさ、さっき飽きてないかって言ってきたじゃん。」
「うん、言ったけど、どうした?」
突然何を言い出したかと思ったら、さっきの話を掘り返してきただけか。
そんな話のネタにはならないだろ。
「ねえ、二人だけで修学旅行でも行かない?」
「別に良いけど、どこ行くんだよ」
突然奈央がそんなこと言ってくるとは考えてもなかったから、動揺を隠そうと質問に質問で返してしまった。
俺、高校の修学旅行行ってないし、中学校も小学校の修学旅行もあんま記憶にないんだよな。
「どっか行きたいとこないの、エヌ」
こっちに放り投げてくんなよ。
俺も特にねえんだよなあ。
「そんな突然言われてもなー。
京都でもぶらりと行ってみる?」
とりあえず、修学旅行の鉄板であろう京都をお勧めしてみる。
特にそこ意外思いつかなかったしな。
「エヌ、行ったことあるの?
私ないんだけど」
あるわけがないな。行きたいとも思ったことなかったしな。
「ねえな。
だから、行ってみたくなった。
お前の管理係終了したら、天国行くから、行けるうちに行っとかないとな。」
奈央となら行きたい。
奈央もこっち来ちまったし、俺がやる管理係も最後だしな。
「とりあえず、どっかの神社でも行ってみる?」
「いいね。それで、あとはのんびり旅って感じでな」
「じゃあ、さっそく明日いこ!」
「明日?唐突だなー。まあいいけどさ」
なんとも雑な行動計画がたっちまったな。
でも二人で行けるからそんなんどうだっていいな。
ていうか、俺明日早く起きれるかな?
朝弱いんだよなー、俺。
翌日、、、、、、、、
正直、あんま記憶ねえな。
昨日の夜、積極的にし過ぎて、頭の中いっぱいいっぱいだったからな。
かろうじて、写真はいっぱい撮ってあったからそれを見返せばなんとなく思い出せた。
ただ、楽しみたかったけど、それどころじゃなかったな。
昨日の夜、俺何してんだよ。
馬鹿すぎんだろ。
嫌われたりしてないかな?
大丈夫だ、、、、、
携帯が突然震えた。
画面を見ると、弔神からだった。
「どうしたっすか?」
「何してんだよ。
いいから急いで来い。
お前、謹慎処分になった。。。。。」
体から血の気が引いていく気がした。
久しぶりですね。
ごめんなさい。
新作の執筆にハマってしまってw




