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謎の剣士現る!




氷翠「ここは……」


シルヴァリオン「我らの家……『蒼虎館』だ。全速力で来たから……振り切れたと信じたいが……とにかく外は危ない、早く家の中へ」


氷翠「ええ……」


そうして氷翠がシルヴァリオンの背中から降り、ドアに近づく……その瞬間!



シルヴァリオン「氷翠殿ッッ!!!」


氷翠「……ぁ」



地面に積もった雪が、赤く染まる。まるでかき氷にかけられたシロップのように。冷たい雪と温かい血が混ざり合い、液体となって周りに伝播していく。


シルヴァリオン「貴様!! 氷翠殿に何用か!! ここまでする理由はあったのか!?」


白布を纏う剣士は刀をシルヴァリオンに向けた。これからお前も薙る、そう宣告するかのように。


???「……斬る」


シルヴァリオン「ぐっ……!!」



「何をしているんだ?」



キンッ―――金属がぶつかり合う音。シルヴァリオンが片目を開けると、目の前で剣士の刀が止まっていた。


シルヴァリオン「汝は……弟の!」


「なんだか面倒なことに巻き込まれているみたいだな。早く彼女を家に運べ、ここは自分が」


シルヴァリオン「助かるぞ……!」


???「計画を邪魔するのなら……誰であろうと斬る」


剣士は勢いよく地面を蹴り上げた、雪煙が舞って視界が潰される。


「………そこか!」


雪煙から放たれる斬撃、それを剣で受け流す!


音廻「今すごい音したけど何かあった〜?」


蒼冬「……!? 姉上、その者は一体!?」


シルヴァリオン「今は説明している暇などない! 音廻、彼女を治療しろ!」


音廻「わ、わかった……うわ、傷口広すぎ……」




「そこに居るな!!」


握っていた剣がジャラジャラと伸び、一直線に叩きつける。その勢いで雪煙が晴れ、視界が良好になる。


???「返り血を隠して雪に隠れていたというのに、位置がわかっただと!? くっ、蛇腹剣はやや相性が悪い!!」


「………!」


???「一気に距離を詰めてきただと!? ぐぅぅ!!」


蒼冬「先生ッ、伏せろォォォォォ!!」


「………」


蒼冬は手中に蒼い炎を宿し、そのまま剣士に向けて放出する。


「相変わらず、すごい火力だな」


シルヴァリオン「やったか!?」



???「とっさに防御を取らなければ死んでいた、まぁ私は元より死んでいるのだが」




蒼冬「何!?」


「……アズールと同じ、虎……」


神居「私の名は、朝霧 神居。貴方達に恨みがあるわけではないが……主人の野望の為、ここで死んでもらう!」


「!」


咄嗟に防御の姿勢をとる、重々しい力が剣を通って、腕にまで伝わるのがわかった。


「先ほどまでとは違う……本気を出してきたか」


音廻「…………」


神居(このままではあの雪女が全快してしまう。なんとか阻止しなければ!)


「ッ!」


神居は高く跳ぶと、刀に霊力を溜め始めた。


蒼冬「空から叩き斬るつもりか!?」


神居「双つに……割れろ!!」



音廻「あー、やっと力溜め終わった。よいしょ」


神居「は?」



音廻の手のひらから放たれたレーザー砲。その範囲は広く、元より攻撃しようとしていた神居が防げるわけもなかった。


神居「バカな……この威力……先ほどの虎に勝てずとも劣らず……! 精鋭三人相手では流石に場が悪い……!!」


音廻「あ、逃げた」


蒼冬「それで、彼女の容体は?」


シルヴァリオン「先ほどまでよりは、大分マシになったが……衰弱しているのには、変わりない……」




白狐「……要するに相手陣営の力を見誤り、撤退してきたのね」


神居「ご期待に応えられず、申し訳ございません。なんなりと罰を与えください」


白狐「一つの失敗で大袈裟よ。貴方が苦戦したってことは、それほどの相手だったのでしょう。むしろその状態で帰ってこれたことの方が嬉しいわ」


神居「はっ、私にはもったいないお言葉です」


白狐「落ち着いた今ならわかるかしら? 今顕界全体が暖かくなっているのよ。雪の妖怪が倒れたことが原因みたいね。貴方のおかげよ」


神居「暁様の覇道を邪魔する者を、私はただ斬り捨てたまでです」


白狐「この調子なら、一気に計画を進めても問題なさそうね」


神居「もう進めるのですか!? まだあの桜の妖力は不十分なのでは……」


白狐「だから、助っ人を頼んだのよ。大丈夫、私の信頼している子のお墨付きだから、きっと役に立ってくれるはず……ねぇ、そうなのでしょう?」



???「勿論、二人は私が認めるとても強い子ですから」




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