19、豪邸講習と、「巨人」と、フェニックス再び④
ぜひお読みください!そろそろ折り返しになりますm(。>__<。)m
老人が、襲撃する兵士のために旋風の強度を弱めた。
周囲が、人で溢れているのが見える。人影をざっと数えて、三桁は超える。
────行け─────!!!
「綻び放て……異能《ライト》────『螢祭』っっっ!!!!」
爆破するように、発光体───わたしの身体は光の強度を増した。
無数の光の粒を、四方八方に放出する。
そこに重ねて、こまちが技を出す。
「キャッ…眩しいっ……! よぉし、あたしも!!────『氷結』&(アンド)『熱狂』!!!」
……これは、初めて聞いた。
こまちの、金髪に、ツインテールに、ボッ、と火がついた。
わたしの光の粒を取り巻くようにして、弱まった渦の中を乱射する。
「おっと、これは予想外」
さすがに危険を感じたのか、純は素の手を掴んで身構えた。素も、どこからか拳銃を取り出す。……ん? ───拳銃!?
(普通の女子大学生が───じゃなくて、間違えました、男子大学生が拳銃を持っているって……そもそもどうやって入手したんでしょうか)
光の粒。
焔の粒。
───氷の、破片。
囲み込むようにして、精鋭部隊が渦巻きに突入する。
その、瞬間。
氷に乱射する光が、周囲の炎のおかげかより光度を増した。
氷が、鏡の働きをする。目を開くことすらできず、大多数の兵士が雄叫びをあげて崩れ落ちた。
───────ドォォオオオオオンッッ!!!
爆風とともに、こまちの豪邸、一帯の森が強光のドームに包まれた。
しばらく経って、やっと周りが見れるくらいの光度に落ちた。
「はぁ……はぁ……」
胸を抑える。息が続かない。体力が、かなり消耗されている。
発光をやめた体が、平常の下着姿に戻る。
辺りは、静かだった。
壊れた鉄の門壁。
依然として広がる森。
なんの蒸気かも知れない、赤っぽい黒煙。
(精鋭部隊が……一人もいない? あれ、マエストロさんもいませんが……)
応急措置などで、逃げたのでしょうか。
「……イテテ……」
こまちが頭を擦りながら、上半身を起こした。
「こまちちゃん、大丈夫ですか……? どこか怪我は」
「大丈夫大丈夫……ありがと。……それにしても、あやちゃんのあの技すごいね!! ラノベの主人公とかが使ってたの?」
「はい、『相手の技を使うといい』って主人公の師匠が師匠の娘の夫に言ったのを主人公の友達の彼女に言ったものです! それを使ってみたんですよ!」
「ややこしいわっ!!」
「あやっ! こまち!」
純だ。
「よかったです! 無事だったんですね!……って、な、なんでそんなに泣いているんですか!? なにかあったんですか!?」
両目から、ボロボロ涙がこぼれる純。
五六歳、年が若くなったように見えた。
「うっ、うぅ……」
─────こんな純、初めて見ました……
「純、ガチ泣きじゃん……どうしたの?」
こまちが今度は、姉に見えてきた。
「素が…………」
「「…………!!??」」
まさか……
「素が─────連れていがれだっ…………!!!」
「「え…?──ええええええええええええっっっっ!?!?」」
□□□
「やっぱり見当たりませんね……本当に連れていかれたんですね」
さすがにないでしょう、と思いながら一度こまちの家の中を探し回ったが、案の定いなかった。
「こっちも見つからなかった…ぐすっ……」
涙を拭いながら、純が言う。
森の中を、「生体感知の糸(卵黄色)」を辿って探っていたようだ。
「まぁまぁ、素十分強いから、命の危険はないと思うわ……」
一階のティールーム。
こまちはポットを置いて、軽く純の背中をさすった。
「ちがうっ」
すると純はその手をバッと払って、壁とめん向かってしゃがんだ。
「し…素は純がいなきゃダメなの……」
……それはどっちがどっちなんだろう。
「あれ、純ってこんな感じだったっけ」
こまちが、わたしの耳元でボソッとつぶやく。
「こまちちゃん! お口チャックです!────ですが、なぜわたしたち女子を狙わず、素さんだけ捕まえたんでしょうか。男の娘ですが、男の子ですよ」
音声の違いだけではわからない「男の娘」と「男の子」という言葉に、こまちが「ほよ?」と首を傾げた。
「あーそれはね、たぶん」
純の口調が戻ってきた。
「「それは……?」」
「……あのキモイじーさんの、先入観のせい」
「「……………あー………………」」
そう。
素を知っている人からすると、
「男が一人、女が三人が応戦してきた」ことになる。
だがしかし。
素を知らないと………………。
…………………………「女が、四人」にしか普通はみえない!!!!
「あのじーさんの悪趣味に、素がたまたまアタックしたんだろ……」
「「…………嫌な予感しかしない」」
と、そのとき。
────────キイイイイイイイイイィィィィッッッッッ!!!!!
「「「……っ!?」」」
耳に刺さる、なにかの鳴き声。
「うっるさっ……この声は……鳥か?」
わたしはティールームから駆け出て、一番外が見える窓から様子を覗いた。
「─────!?」
そこから、わたしが見えたのは────。
「純さん、こまちちゃん。……これは……『普通の鳥』……ではありません」
「「……?」」
「こまちちゃん………………あ、あの子って───────あのときの子、……だよね?」




