18、豪邸講習と、「巨人」と、フェニックス再び③
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18、豪邸講習と、「巨人」と、フェニックス再び③
「『Spring Ephemeral』!!!────ダメだわ、摩擦が起きないから技が発揮しない!」
こまちの、異能。
《多元の蝶々(マルチ・アゲハ)》
これを応用させて創ったのが、この技。
『Spring Ephemeral』。
大量の摩擦熱を必要とするため、こういう動きすら困難な状況では使いづらい。
───操作を間違えると、仲間を傷つけてしまうかもしれないのだ。
鉄の正門を粉々に破り、わたしたち四人を閉じ込める霧氷の渦。
「どうじゃ!? いい気分じゃろぉ!?!? ガーッハハハハハハッ!!!! わしの名はマエストロッ!! 地獄でその名を呼ぶが良いッッ!!」
外から、さっきの老人らしき声が聞こえる。蔑みを含んだ、嗤い。
(相当、嬉しそうですね……)
「……いや、おれたちがその名前を呼んだら、お前も地獄に来る羽目になるだろ」
ポケットに手を突っ込んで、ぼそっとツッコミを入れる純。余裕綽々。
「純〜! つっこむのは後にしよぉ?」
ポンポンと、純の肩を叩く素。
「そしたらもうツッコミじゃないだろ」
「……楽しそうにしてるわね」
頬を膨らますこまち。
「ですね……────でもこのままじゃ埒が明かないので、せめて脱出したいですね……こまちちゃん、『多効能技』で使えるもの、なにかないですか?」
「ある。けど、効くかは分からない」
珍しく、自信なさげだ。
「おれらは命の危険がない限り、手は出さないから。頭を使えー」と純。
「応援してるよぉー」と素。
……なにか、方法はあるんですね、たぶん。
では、───わたしも頑張って頭を動かしますか!
わたしは目を瞑った。
こまちが「鑑定」を使って得た情報。
この「マエストロ」という老人は、多種多様な────ファンタジーで言う「属性」のようなものを持っている。
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「地」。
「氷」。
「火」や「水」などを持っている可能性もある!
……その数は、はかり知れない。
※わたしが読んでるラノベの中の話です※
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わたしがちょっと前に買った、お気に入りのラノベに、マエストロのように「全属性保持」のスキルを持つキャラがいた。
女の子で、わたしと年齢は同じ───15歳だ。
彼女の場合は経験値が足りなかったため、あっさり主人公にやられてしまった。
(─────ですが、このおじーちゃんだと、結構の経験を積んできていそうですね……)
……主人公と同じようなやり方で出来るのでしょうか。
「───やってみます」
「お、あやちゃん何か思いついたの?」
「うん。この場で新技を編んでみる」
「「……?」」
少し、驚いた顔をする純と素。
(……それは大丈夫なのかな……?)
異能から、枝を広げて「技」は作られていく。
そしていつしか定着する。
が、まだその使い方もわかっていない状況でみだりに使ってしまうと……
(下手したら────おれたちの技で保護しきれない場合すらある!!!)
だが、手を出さないと言い出した以上、間に挟まるのも良くない。
────見守っていよっか。
「おおっ♪どういう技?」
「えーっとね、名前だけ今決めた────『螢祭』」
「……名前から決めるんだね」
「はい、お気に入りのラノベから取りました」
「あー、そういえば買ってたね、『惡のお兄さんはぺちゃぱい好き♡』だっけ?」
ぺちゃ……
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!」
謎の呻き声をあげるわたし。
一応両手で顔を隠したが、たぶん外からでも赤面しているのがバレバレだろう。
「あれ、ちがかったっけ。」
「あ、あってますけど〜っ!! そ、そういうのは『あの本』っていえば伝わります〜!!」
「『惡のお兄さんはぁぁ〜ぺちゃぱい好き』ぃい〜♡」
「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
─────ウォオオオオオオン……ウォオオオン……
「「……!!」」
サイレンの、音。
それに続くようにして、放送の音声が流れる。空に響く。
さっきの、老人────マエストロの声だ。
『聞こえておるかね、バカ者共よッッッ!! どうやらわしの技の下で手も足も出ぬようじゃな!?!? ────遅いッ!! 遅すぎるッ!! お主らのために、我が県の精鋭部隊を呼んだッ! 存分に楽しむが良いッ!! ガァッハハハハハッッッ!!!!』
確かに、外が結構うるさい。
「なるほど……道理で次の技を控えたんだな。──にしてもあのじいさん元気だな……そんな大声出してたら腰痛めるぞ」
純が頷く。
「まぁまぁ、お元気でいいじゃない」と素が苦笑いする。
相変わらず落ち着いている双子。
(そういうところを見習いたいですね……)
そういえば、こまちちゃんは……?
「こまちちゃん……さっきからじっとわたしのことを見つめてますが……何かありましたか?」
「いや……なんか、『鑑定』が使えないなって」
「え、そんなことありますか」
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『螢祭』
自分が発光しているとき、光の塊を飛ばすことができる。
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「……のはずですが」
「こまち、鑑定はあの老人が阻害してるぞ」
「「えっ!?」」
「こまちの『鑑定』と、こまちの体が糸で繋がっていない────要は、なんかで邪魔されてるんだろうな」
便利すぎる、糸の異能。
と、そのとき、放送が再び流れた。
『我が精鋭部隊の者よッ、標的の鑑定効果は抜いた!! 今じゃあッ!!────攻撃を開始せよッッッ!!!!』
……時間が、ない!!
さっき練り出したばかりの技。
一か八か……使ってみるしかない!!!
わたしは目を閉じた。
初期異能で得られた効果……
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─────『発光』。
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光を遮る色の服は外の二枚の服のみ。
────下着はちゃんと光を通す、はず!!
「えいっ」
服を脱いで、仕方なく地面に置いた。
「こまちちゃん、ごめんなさい!! 服が壊れちゃうかもしれないです……!」
「それは平気!! ……じゃなくて、ほ、本当に脱ぐの?」
「はい! ちゃんとまだ上下一枚ずつ残ってますのでっ!! 大丈夫です!」
「「「大丈夫じゃない!! モラル的に!!」」」
さあ新技どうなるんでしょーか!!
次もお楽しみに!!




