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学校イチの美少女が実は残念系ガンマニアな学園探偵物語〜Mild〜  作者: 笹岡 悠起
最終章 学園探偵よ永遠に
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第76話 替玉

 永遠(とわ)刹那(せつな)からコンビ解消宣言を言い渡された翌日。……の昼休み。

 一年生教室の(うち)(ひと)クラスのさらに一角は緊張に包まれていた。

 ……と言うのも、男子生徒だが女子制服を着て只でさえ目立つ存在のジェンダー(と言う事になっている)クラスメートの元に上級生男子が三人も乗り込んできたからだ。


「おい、とっとと返せよ? お前が持ってったんだろ、オカマ野郎? こっちは高い金払ってんだからよっ」背後から一期(いちご)の肩を男子生徒の内の一人が掴む。残る二人はニヤニヤしながら腕組みをしてその様子を背後から見ている。

「これの事?」後ろは振り返らず、机の上に数枚の盗撮写真をトランプの様に拡げて並べる一期。

「バカ、こんなとこで出すんじゃねーよ!」

「これあんたのなのね?」

「そうだよ! だから返せって言ってんじゃ……って??」

 ガタッと椅子を倒しながら立ち上がった一期(?)が肩に掛けられた手を左手で掴み、振り返りながらその手を引き寄せる。バランスを崩して前のめりになったガラ空きの顎先に刹那の右掌底が打ち下ろされた。

「な、おま、あたおか先輩?!」立ち上がろうと試みたが脳を揺らされた為、へたり込む様に尻餅をついた男が刹那を見上げる。両膝はガクガクと震え力が入らない様だ。

 刹那が男子生徒のネクタイを掴み、腰が浮き上がるほど引っ張り上げ顔を近づけて一言。

「あら、アンチが多いのは薄々知ってたけどそのあだ名は初耳」

 ネクタイで引っ張り上げていた上半身を後ろ机に投げるように放つと、その顔面目掛けて思い切り振りかぶったサッカーボールキックを見舞う。

 周囲の女生徒が金切り声のような悲鳴を上げる中、放たれたつま先は男子生徒の鼻先に触れた所で止められた。

 その様子を見て残った二人の男子は走って逃げ出した。

「お前、こんな事してただじゃ……」

 蹴り出した右脚を引っ込め、右手で襟元の黄色いリボンを取る刹那。物陰から出てきて駆け寄ってきた一期にリボンを渡す。

 ブレザーの胸ポケットからスマホを取り出し、ポチポチと操作する。

「これあんたのなの……返せって言ってんじゃ……」男に画面を向けて録画された動画を再生する。

「あらあら、こーんな写真の持ち主さんは退学にならないのかしら?」

「盗み撮りなんて汚ねーぞ」

「その言葉、そっくりそのまま返すわよ。あんたたちが金輪際一期(この子)にちょっかい出さないってんなら写真没収だけで許したげるわ。もし破ったらこの動画ネットで拡散してやるから、退学どころか今後の人生覚悟しておくことね」

「クソッ」

おへんじは(・・・・・)?」

「わかったよ」

 後ろに引いたつま先を床に打ち付けてコンコンと音を立てる刹那。

「わ、わかりました!」

 刹那は男を睨み付けたまま、続けて周囲のクラスメイトに声を張る。

「あんたたちも、今日の事は他言無用でお願いね。もし噂とかでも私の耳に届いたら頭おかしい怖ーい先輩が一暴れしにくるわよっ!」


 騒動に紛れてこっそりと男子生徒が教室から出ようとしている。

 彼の腕が教室の後ろの引戸を開けようとしたその時、手元に赤い光点が灯った。

 周囲の生徒に気付かれない様にブレザーの裾から銃口部分だけ覗かせてスモルトセツナスペシャルを構えた刹那が声を掛ける。

「まーだ、聞きたいことがあるのよ。場所変えましょっか?」


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