第48話 憧れの寄り道
なし崩し的にゲーラ模(ゲーム愛好会・ラジオ研究会・模型部の連合会の暫定的名称)に顔を出すようになった真理と彼女ある所に的部ありの二人。
しかし本日、ゲーラ模にその姿は無かった。
「永遠ー! 本屋寄ってこー」
放課後の教室に刹那の元気のいい声が響く。一際機嫌が良さそうだ。
「あー、そういえば月末かー」と鞄に教科書をしまいながら納得した様子の永遠。毎月月末には刹那が愛読しているミリタリー誌や鉄砲関連の雑誌が数冊同じ日に発売される。学生で小遣いに余裕のない刹那と永遠は、マナー違反ではあるが学校帰りに本屋に寄って立ち読みして行くのが日課ならぬ月課となっていた。因みに永遠はミニモト誌を読みながら刹那が満足するのを待つことになる。
そんな二人にツカツカと歩み寄る影は小野真理。と、背後に音を立てずについて来ている的部士郎。
「永遠くん。私も同行してあげても宜しくてよ?」と長い髪をなびかせる。後ろにいた士郎の顔を毛先が掠めたが眉ひとつ動かさず永遠に「スマン」と口パクする。
察しの良い永遠が何となく事情ありかなと思い那由多にも声を掛け、彼女もひとつ返事でのってきた。
そんな訳で今日はエイプ100を公園に隠したままみんなで徒歩移動となった。
「真理ちゃん、寄り道に憧れがあるとかか?」道中、先を歩いている女子三人が盛り上がって話している隙に小声で士郎に確認をとる永遠。
「お嬢様、以前は送迎バスだったからな」と士郎。
「ん? 学校から家まで?」
「まぁ何箇所か決められた場所までだよ。なんせ都内でも有数のお嬢様校だったからな」
「待てよ? ちょっとおかしくないか?」
「ん? 何が……」と聞き返す士郎の言葉が急に後ろを振り返った刹那の大声で掻き消される。
「ねーっ! 永遠っ! 盗撮野郎なんて私たちがとっ捕まえてやるわよね!」
「えっ⁉︎ は? いや盗撮なんて? なんで⁇」
「何キョドってんのよ? 最近事件ないから怖気付いてんじゃないのぉ?
つい最近うちの生徒が商店街で盗撮被害にあったんだって。その子気付いたけど怖くて動けなかったって。もし私が見つけたらマギーとジョンの餌食にしてやんだから!」と息巻いている刹那。
内心自分のことを言われたのかと驚いた永遠は胸を撫で下ろした。そしてその様子をじと目で見つめる那由多。
しばらく歩き、田舎町にしては立派な大型書店に到着した面々。
刹那は男性ホビー誌、永遠はモータースポーツ誌、那由多は少年漫画が元ネタのアンソロジーコミック誌、真理はティーン向けファッション誌、士郎は格闘技通信誌とそれぞれ思い思いのコーナーに散って行った。
——その頃ゲーラ模では、那由多からのメールに遅れて気付いた彼方がスマホを握り締めて叫んでいた。
「お姉ちゃん今日は(コスの)打ち合わせするって言ってたのにーっ!」




