第47話 那由多焦る!
「お前、永遠の事が好きなんだろ?」
的部に話があると言われ、渋々屋上へとついて行った那由多は、コスプレイヤーとして精力的に活動していた頃の経験から、てっきり的部に告白でもされるのかもと身構えていたので面食らった。
「はっ、はぁ? いきなり何言い出すのかと思ったら何を根拠にそんな……」
「否定しないんだな」
「否定も何も……」
「傍から見てればわかるだろ、何を今更。寧ろ永遠とあの女が鈍感なだけだ」
何か言い返さなければと頭をフル回転させても口をパクパクさせることしか出来ない那由多。段々と自分の顔が赤くなっていくのがわかり、何とかしなければと思えば思うほど言葉は出てこなくなる。
「別にそんな事はどうでもいいんだ」と、みかねた的部が口を開き那由多に話し始めた。その内容は真理に関することだった。
真理は永遠に恋愛感情を抱いている訳ではない。真理の中での永遠のポジションは少女漫画に出てくるいわゆるナイトではなく、中世のお姫様を守るのが仕事の大勢の騎士団の一員程度なのだと。
「……それだけでも伝えておこうかと思ってな」
「何よソレ。それはそれでなんか靄る」
「あと、こっからが本題だ。さっき説明した通りだからお嬢様がお前の恋路の邪魔になることはない。だからお嬢様と友達になってくれないか?
お前が永遠の事を好きって気持ちでお嬢様の事を敵視する必要はない」
「そんなの、私はもう真理ちゃんのことは友達だと思ってるわよ。永遠くんだってきっとそう。あのおん……、刹那は何考えてるかわかんないけど。でもあの子は絶対にあんた達の敵じゃないわよ。
あと那由多。お前じゃなくって那由多。同じ学年なんだから呼び捨てでいいわよ。真理ちゃんのボディーガードならあんたも友達よっ!」
それを聞いてクスりと出てしまった笑いを堪えながら的部が応えた。
「あんたじゃなくて士郎。こっちも呼び捨てでいい。
だが、永遠の事はわかるがあの刹那の事だけは正直わかりかねるな」
「あの二人は二人共間違った正義感を持ってるだけだよ。永遠くんが善を勧めて、刹那が悪を懲らしめてる、それがたまたま噛み合ってるだけだよ。真理ちゃんは正義で悪じゃないから刹那は大丈夫だよ。口は悪いけどね」
「呆れるほどよく観察してる。……ほんとに好きなんだな」
「……そうよ、悪い?」




