第28話 迷猫顛末記!
——二週間後の放課後、有田家。
有田から相談があると、何故か「一人だけで」と念を押され彼女の自宅に呼ばれた永遠。都合良くここ数日は刹那も模型部に入り浸っている。変に刹那に勘ぐられることもなく永遠は有田の自宅にお邪魔した。
案内されたリビングで、有田をそのまんまおばさんにしたような母親にジュースとお菓子でもてなしてもらった後、立ち上がった有田が部屋の片隅に音を立てないように歩いて行き、手招きされる。そこに置かれたクッションの上で二匹の成猫と五匹の子猫が纏まって眠っている。
「産まれたのか」と小声で永遠。
「うんー。ストラトスの彼女と子猫一匹はうちで飼えそうなんだけど。でね、里親探しにちょっとだけ協力して欲しくって」
「もちろんいいけど、何で俺に?」
「安藤くん、写真撮るの得意でしょー?」
「えっ!? なんで?」
「江……刹那ちゃんのー、撮ってるでしょ?」
一体どこでどうバレたのか?
有田は永遠が刹那の盗撮ブロマイドを男子ネットワークでこっそり販売していることを知っていた。
里親捜しを誠心誠意協力するってことで盗撮のことは絶対に他言無用でと交渉を持ちかける永遠に、有田は意外な提案をしてきた。
「もちろん誰にも言わないよー。でね、こっからはまた別の話ー。今回の依頼分のお金ちゃんと払うからー、私にも売って欲しいの、ブロマイドー」
「へ?」盗撮がバレていたショックもあり何が何だかわからない永遠は思考が追いついていない。
「にぶいなー安藤くん。私ー、刹那ちゃんのこと結構前から見てるんだよー。だから安藤くんの盗み撮りにも気付いたしー」
「それって、つまり? BLTとかなんとかっていう」
「言いたいことは何となくわかるけどー、LGBTQね。愛の形は沢山あるってことだよー。私にもストラトスにもー」
「……ストラトスのこと気付いてたんだ」
「三毛猫飼ってるんだからさすがに知ってるよー。好きになった彼女の子供ならそれはもううちの子だよ。あ、ブロマイドはにゃんこ姿の刹那ちゃんがいいなー」
子猫の写真を数枚撮ってブロマイドのリクエストも聞いた。
ブロマイド代を受け取りエイプでトコトコと帰りながら、依頼料で刹那と那由多に何か美味いもんでも奢ってやるかな、と考える永遠だった。
「愛のカタチねー。わかんねーけど、どっと疲れた」




