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学校イチの美少女が実は残念系ガンマニアな学園探偵物語〜Mild〜  作者: 笹岡 悠起
学園探偵VS迷い猫、その2
26/90

第26話 ストラトスキャット2

——川辺にある廃れた市民健康運動公園。

 ……のさらに廃れた土日でも利用者の影すらない第二駐車場。

 そこで元クラスメイトの有田莉愛(りあ)の迷子の飼い猫ストラトスの捜索に協力することになった永遠(とわ)那由多(なゆた)


「第一駐車場は?」と言う永遠の問いかけに「車の下は全部見てきたよー」と答える有田。よく野良猫がエンジンを切ってすぐの暖かい車の下に入り込むことがあるというが、以前は永遠のアドバイスで車の下から見つかったが今回は既に捜索済みのようだ。

「人いなかったらこっそりボンネットも叩いてみた方がいいよ」

「やってくるー」と小走りで向かう有田。


 しかし猫バンバンの結果も空しく、さらに範囲を拡げて周辺を二手に分かれて探したが見当たらず。日も暮れてきたので有田の家まで三人で帰りつつ、途中で念の為怪しいポイントも捜索しながらその日は終わった。


——翌日。

 昼休みに入るとすぐに有田が永遠の元にやってきた。

「永遠ー! お客さん」と教室の入り口付近にいるクラスメイトに声をかけられる。

 何食わぬ顔で刹那(せつな)の前を通り過ぎようとしたが、ブレザーの裾を掴まれ、そのまま刹那を引き摺って有田の所へ。

「江口さん、安藤くん借りてくよー」

 永遠は男子の中でも背が低い方だが、その永遠の体にすっぽりと隠れるくらい小柄な有田が永遠の影から顔をひょこりと覗かせて、背中側に居る刹那に一言断った。

「別にぃ、私のじゃないけど。……困りごと?」と、やや尖った言葉は有田ではなく永遠に向けられている。

 少し黙って考えた永遠だったが、逃げ道が見つからず「屋上で話そう」と提案し、那由多も誘って屋上で各自弁当を広げながらのミーティングになった。


 有田からは困りごとの内容、刹那からは学園探偵の活動内容について、永遠からは具体的な料金についてが話された。

 意外だったのは、有田が〝スクールディティクティブ〟について全く知らなかったこと。勿論、永遠が依頼を増やす為に刹那の盗撮ブロマイドを売っていることについては女子が知らなくて当然なのだが、入学して間もない頃に刹那が起こしたビラ撒き騒動は男女問わず知っているものだと思っていた。

「え~。だったら昨日の分もお金出すよー」と有田が主張したが、刹那は頑なに断った。

「今回は成功報酬。無事に保護できたらイチゴー。但し私たち(・・)が動く期間は一週間のみっ!」

 元々無償で手伝う気だった永遠が有田を見やる。

 その横で顎先に手をやり黙って考え込んでいる那由多。

(……たち(・・)、って言ったよね今? もしかして私も頭数に入ってる?)

「有田さん、写真ないの? ストラトスの」

 刹那に言われた有田がスマホの中から画像を探し、こちらに向けた。永遠と刹那が以前見た猫を再確認し、那由多もため息を漏らしながら確認した。

「結局こうなるのね……」

「なんか巻き込んじゃってごめんな。今回俺と刹那だけでもいいぜ」

「別に用事があるわけでも無いし、いいけどぉ。どうせならちょい刹那で遊ばせて」

 那由多が不敵な笑みを浮かべる。

「ふぇっ、私で? なんで?」

「猫をおびき出すためのいい作戦があるの!」

 那由多の(たくら)みの具体的な内容については「後のお楽しみ」と言ってはぐらかされ、放課後河川敷にて集合となった。


——放課後。

 永遠と刹那は一度エイプ100を自宅に置き、永遠が漕ぐ自転車に二人乗りで市民健康公園第二駐車場のある河川敷へと向かった。

 普段はバス通学で自宅は河川敷近くの有田と、一度バイクで家に寄った永遠たちはほぼ同じ頃合いに第二駐車場に着いた。

「有田さんお待たせ」

「私も今着いたとこだよー」

「あと那由多だけか」

 学園まで自転車通学で来ている那由多は一度自宅に寄ってから来るとのことだった。


「お待たせー」10分ほど遅れてきた那由多は赤と白と黒の三色に彩られた紙袋持参でやってきた。

「那由多遅ーい!」

「なに持ってきたんだ?」

「有田さんは飼い主だから見つけても寄ってくるかもだけど、刹那はいつも殺気立ってるから猫が逃げちゃうでしょ? だからこれ!」

 そう言って那由多が紙袋から出したのは先端の毛が焦げ茶色に濃くなっている大きな猫耳とやはり先端が焦げ茶色になった縞模様のもふもふした尻尾。

「なんかすげー本格的なんだけど……」

「あ、なんかたまたま家にあったのよ。ほらハロウィンかなんかの?」

「それなら那由多がやればいいじゃないの。なんで私なのよ!」

「殺気立ってるつーか、そういうとこだろ」

「それならー、二人でじゃんけんしてあっち向いてホイとかにしたらー?」

 有田の提案で刹那の瞳の奥がきらりと光った。

「それなら絶対負けないわよっ! ファストドロウの要領で絶対に勝つ!」

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