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学校イチの美少女が実は残念系ガンマニアな学園探偵物語〜Mild〜  作者: 笹岡 悠起
学園探偵VS学内ジゴロ?
23/90

第23話 恋愛騒動顛末記!

 永遠(とわ)刹那(せつな)の懇願で相手の顔をモザイク処理した画像をプリントアウトして渡した。もちろん彼女に言われなくても隠すつもりではあったのだが。


——ミッション終了から三日経った水曜日の屋上。

「ごめん。なんかどこの子か知らないけど、一応相手のプライバシーもあるから顔は隠させてもらったよ。探偵の義務だね。個人情報の保護ってやつ」

 と言って、依頼者にプリントを見せる刹那。

 封筒から出した報告書とプリントアウトを見て、唇を震わせながら堪えていた依頼主だが、我慢できずぽたぽたと涙を落とし始めた。インクジェットプリンターで出力された写真にその涙が落ち、イケメン先輩の顔がぐにゃりと歪んだ。

「ごめんね。江口さん」

「え、え? なんで?」

「私ね、スクール何とかって、正直ガキだなって思ってバカにしてた。だけど、本当に悩んだ時にね、江口さんの顔が浮かんだんだよね。いざ頼ってみたら安藤くんとか宮瀬さんとかみんなすごい真剣で」

「わ、私たちはっ、困ってる人みんなの味方だから。今回もそんな大したことできてないし」

「ありがとね、江口さん。さすがに友達だと思って一年以上一緒にいた子の私服とか何回も見てる。私が傷つかないように気を遣ってくれたんだよね」

 ハッとした顔で口元を手で覆う刹那。

「あっあの、の、こっちこそごめん……」

「いいの。もう踏ん切り付いたから。江口さんまで嫌な気持ちにさせちゃってこっちこそごめん。江口さんこんないい子なのに。私、クラスのみんなに江口さんに嫌な態度取ってるの止めるように言ってみる!」

「そ、それはいいよ。私そんなにみんなと上手く話せないし、私にも原因あると思うし。……それに私、今楽しいし!」

「うーん、わかったけど。……あ、そうだ! これあげる! 彼……、先輩と行こうと思ってたんだけど」

 彼女がごそごそと財布から二枚のチケットを取り出して刹那に渡した。

「え、そんな悪いよ」

「いいって! 安藤くんと行ってきたら? 本当にありがとう、刹那ちゃん!」

「って、ちょ、永遠とはそんなんじゃ……」

 何か吹っ切れたように明るくなった依頼者の少女が小走りで教室へと帰って行く。不意に名前で呼ばれた刹那は少し戸惑った後、貰ったチケットを見つめて大事そうに財布に仕舞った。


——週末。

『公開一週間目の瞬間興業収入ランキング堂々の四位! 全米が泣いた!』

 謎の煽り文句が誇らしげに書かれたポスターと刹那から受け取った映画のチケットを感情のこもっていない目で交互に見る那由多(なゆた)


「で、さ、刹那。なんで私と?」

 尾行時にターゲットの先輩が女子大生と来ていた映画館の入り口で那由多が刹那の顔を覗き込む。

「だって、今回の報酬これだもん。先輩と行こうと思ってたんだって」

「いや、だからって……」

「永遠は報酬無くていいって言ってくれたし、ローリーは私の下僕だし。そしたら那由多連れてくるしかないじゃん。私も別にこんな如何にもお涙ちょうだいみたいな映画興味ないわよっ。アクション映画とかの方がいいに決まってんじゃん!」

「だったらせめて永遠くんと行かせてよ……」ぼそりと呟く那由多。

「え? 何?」

「なんでもなーーいっ!」

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