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学校イチの美少女が実は残念系ガンマニアな学園探偵物語〜Mild〜  作者: 笹岡 悠起
学園探偵VS学内ジゴロ?
22/90

第22話 リベンジマッチ!

「え? 生理じゃないの?」


 最低な口から出まかせで永遠(とわ)の部屋から那由多(なゆた)を連れ出した刹那(せつな)。安藤家のトイレ前で呆れ顔の那由多に先程閃いた作戦を小声で伝えた。

 その内容は依頼主にターゲットが浮気をしそうな日の前日にデートをしてもらって、ターゲットの鞄に依頼主のスマホを忍ばせるというものだった。間違えて彼女のスマホが入っていたのなら万が一見つけられても誤魔化せるだろうから、と。


「……うーん。刹那が思いついたにしては良い作戦だと思う。

 もし、依頼主の協力が得られるならだけど。あと着信音出ないようにしとくとかその他にも色々考えないとだけど。でもさぁ、永遠(とわ)くんとローリーにはなんて説明するの?」

「もう二人には正直に話す。現時点であの娘は別れた方がいいよ。別れる決断をできるような証拠を掴んで見せたげたい。その為につく嘘は必要なウソだと思う。それに永遠もローリーもそんなことであの娘に対しての態度も変えないし、黙っててくれるって信じてる。……仲間だから」

「……うん。戻ろっか」


 こうして依頼主も巻き込んだ新計画は一週間使って念入りに進められた。

 結果、次の週末の土曜日にターゲットとデートをした依頼主は自分のスマホを音やバイブなどをオフにした状態で先輩の鞄に忍ばせることに成功。

 刹那からは「絶対に不純異性交遊はしないで」と念を押されていたが、ホテルでシャワーを浴びているタイミングしかチャンスはなかった。依頼主の優しさから、刹那にその詳細は伝えられなかった。


 翌日曜日は元々依頼主も怪しいと勘繰っていた日。

 今回は全員が那由多による変装メイクが施された状態で、先週の尾行時にターゲットが利用した喫茶店にいた。那由多はフルウィッグまで被りまるで別人だ。万が一、同じ高校に通う生徒に見られても、誰一人彼女だとわかることはないだろう。

 ノートパソコンを使い、都合よくiPhoneを使っていた依頼主のスマホ位置情報をリアルタイムで確認する。狙い通りこの場に居ながらにしてターゲットの動きを把握できている。

 そして、今日は映画こそ行かなかったが、先週の動き通りだとそろそろこの喫茶店に顔を出す。GPS情報の動きもそれを裏付けていた。

「カラン、カラン」と入口の鐘がなり、ターゲットと女性が来店し、先週と同じ席に座った。即ち、今永遠たち四人が座っているすぐ後ろの席だ。

 しかし、相手の女性を見た永遠以外の三人はその顔に見覚えがあったので驚いた。

 すぐにノートパソコンのペイントアプリを立ち上げて筆談する三人。それを傍観する永遠。

 一緒にいる女性は、今回の依頼主と同じ部活で一緒にマネージャーをしている同学年の女生徒だった。二人しかいない女子マネージャーは友人同士で、学内でその子にだけは先輩と付き合っていることを話していると依頼主が話していた。

 自然と聴覚は後ろの席の会話に集中する。

「あれ? なんだコレ?」

「あ、ソレあの子のスマホじゃん。なんで?」

「昨日、急に呼ばれたんだよ」

「えー、今日私と会うのに? なんか嫌」

「どうせなら同じホテル行くか?」

「えー趣味悪いけど、ちょっと興奮するかも! そのスマホでホテル前で記念写真でも撮る?」

「いや、これ充電切れてねー?」

「まさかあの子も自分の方が浮気相手だって思ってないだろうねー。かわいそ」

 そんな最低な会話が後ろの席から垂れ流され、刹那は爆発しそうな自分を必死に抑えていた。

 永遠がそっとおしぼりを刹那に渡す。刹那はそれを受け取って嚙み切った自分の唇を拭いた。

「……優しいね」と永遠に聞こえないように小声で那由多が呟いた。


 カップルはそのまま延々と下卑た会話を続けた後、喫茶店を出るとラブホ街へと向かった。一定の場所で動かなくなったGPS信号でホテルを確定すると永遠が支度を始めた。スマホには望遠クリップを装着し、エイプは念のためラバー塗膜を剝ぎ取った。

「永遠、すげーなソレ! ラバースプレーか?」模型部のローリーが興奮気味に質問する。

「前にバイク用品店で見かけて、なんかで使えるかもってずっと思ってたんだよね」と得意げな永遠。

 そうしてやや離れた位置から三脚で固定したスマホで対象がラブホから出てくる瞬間を撮らえ、今回のミッションは無事終わった(コンプリート)

 仕事は成功したのだが、永遠は浮気をされていた依頼主の気持ちよりも刹那の感情の方が心配だった。

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