さっきから聞いてれやよぉ!
「さて、じゃあ始めようか」
タイマーが動き出した、開始ってわけね。
直後鬼側は全員一箇所に固まった。
ちなみに受付係の人は遠くで観戦中…あの人は本当に戦えないのね。
対する雪梛と香澄はその場から動かず見ているようね。
「どう攻めるんや?無策でいくとつかまらんで」
「触れれば良いのであれば全員の最速の一撃を入れればいいんじゃないのでしょうか」
「それは無理よ。詳細な説明は割愛するけれどミカエルという技により回避されるわ」
ほむほむ、つまり理論上回避可能という状況下においては全て避けてくる感じかしらね、となれば物理的に回避不能な攻撃か雪梛と香澄が認識できない攻撃をするしかない。
「面倒だからてんちょうが本気出せばいいじゃん。どうせ強いんでしょ?」
「あほか私は誰よりも弱い位置にいるぞ?」
「逆に誰よりも強いわよね」
「やかましい!お前らのが若いさかい知恵を絞れや!」
面倒だからとりあえずとつってみるか…
「ようやく来たね。私は強いよ?」
「これは鬼ごっこよ?触れたら勝ちとなる破格のルール。戦わない手はないわ」
「確かにそうだね。来な」
「!?」
目を閉じて手刀の先端を地面に向けた、それだけの行為がこれほどまでに高みを感じさせていた。
恐らくだがこれが先程話に上がったミカエル、確かに守護の大天使ね。
身体を脱力させてからの瞬間的解放を行い身体の中心腹部を突く。
避けるわよね想定内よ!
ベクトル変換を行い急停止しながら横方向き手刀をみまう。
下方向よねもちろん蹴りを先出し中よ。
反撃がないため本当に接触のみを目的としたけり。
決まったかと思ったがいや遠くないかしら?
なんか前方5m地点でミカエルを発動しているわね…
「移動速度と現象がおかしくね?毎度思うがなんで移動時に突風発生しないんだよ」
「それは魔力が関係していますね。正確に言うなら身体を形成する自然魔力となりますが」
「魔力魔力ってどうなってんだよこの業界は…」
ふむ…風の魔法が使えるから自分の身体を風と同調している感じかしらね…それはもうファンタジーを超えているわよ?
「とりあえずあと15分だけど本気でやるのであれば香澄に接近しちゃだめよ」
「コピーのことかしら?」
「そうそう。流石は禍雪回転速度がいかれてるわね!」
「このぐらい普通よ。この子にだってできる、そうよね?」
「はっはっは…もちろんできないけど…」
ほれみなさい…え?
「じょ、冗談よね?私嫌よ仲間からもイレギュラーな状態とか!言ってちょうだい!できるって言え!!!」
「生きたい!!!」
なんてことだ…とまあこれは芝居だからいいのだけれどもn!?
「で、できなくたっていいじゃん!私は相棒みたいに高スペックじゃないんだし!ただのか弱い女の子なんだし!」
「おちつきなさい、さっきのは芝居。茶番なのよ本気にしないで?」
「え…そうだよな!いやー私もおかしいと思っていたんだよ」
「それはともかく」
「え」
「さっきのセリフと表情をもう一回ほしいわ!!!」
「お、おいおいいいのかそんな茶番的で心のこもっていないもので」
「大丈夫よ私の脳内フィルターを入れればそんな問題は解決できるわさあはやく!!!」
突如背後から殴られた!?
「いちゃつくのは後にしとけ。はよ捕まえるぞ」
「正直どうでも」
「よくないからな?ちなみに敗北したらペナルティあるぞ」
「捕まえてやらぁ!!!」
急に起き上がったと思ったら姿勢を低くしていつもの一撃技を出すつもりね。
と思ったがつぶやかずに平行移動で突撃。
私には見えなかった移動速度からの居合切り、これでも接触はできないというわけね…
「さて、そろそろええやろ、雪と無無、梛木は今回攻撃の描写がないがな。朝月…はどうでもええから初雪と世無離、美雪で決めてきいや」
「防御のほうだけ頼みますよ」
「はいよ~」
出たわねシールド、てか何やるつもりなのかしら…
「とりあえずは安定の奴やるよね」
「美雪は大丈夫ですか?」
「おそらく」
不穏な会話の直後初雪の目の前に大きな氷が現れた。
手を向けたかと思うとどんどん冷気が上がっているのが見て取れるわね。
冷気が立ち上っていきどんどん冷えて次第に氷にヒビが入り始める…まずくないかしら?
「いくよ」
その瞬間に、世界から色が抜き取られた…いや、抜けたのではなく上書きされたのね。
幻想的な淡い青色に飲み込まれて美雪がぶっ倒れていた。
「あら、だらしないですね。だから聞いたというのに」
「なるほど。氷魔力の飽和反応で流体を封じつつ追加で魔法、呪文を封じる。これにより平行移動や特殊シールドまで封じているという感じか」
「きれいですねー朝月さん」
「ふふ、あなたのほうがきれいよ」
「ふふふ、勘弁してください」
めちゃくちゃもいいところだわ…
なんか追加で氷の要請みたいなのも出てきたし頼むから知らないものしかない状況はやめて頂戴。
「初雪、これはどういう感じですか」
「雪梛、香澄に触れる遊びをしているよ。まあこの状況下ならもう勝利も確定だけどね」
「そんなに簡単に勝たせるわけないじゃない」
なんか香澄が抜刀したと思ったら今度は表現のしずらい色合いの斬撃…だめだ始まった…
空間がきり裂かれていくと錯覚するような斬撃が…いや冷気空間が本当に裂かれているわ!?
そのまま初雪を切り裂くと思われたがシールドで防ぎながら後ろに吹っ飛んでいった。
壁には衝撃吸収と放出を行い傷自体は入ってないようだが先程出てきた精霊は消えていた。
「あとは香澄だけだね。頑張って」
「5分間、特殊部隊ならいざ知らず。捕まるわけがないわ」
「さっきから聞いてれやよぉ!」
え?
相棒が…雪眼がブチギレてる。
深淵を示すかのような青い瞳が今では赤く紅く燃えたぎっている。
シールド内の私たちは当然としててんちょうすらも驚いていた。
透明なシールドに手を当てたと思ったら砕け散った!?
「なあお前ら、揃いも揃って強い強いといいながら全くもってみてないだろ?今だってそうだ。そんなお前らに教えておきたいことがある」
「何かしら?」
「上ばっか見てんじゃねぇぞ嬢ちゃん」
下方向から迫る拳に気づいたものは二人しかいなかった。
気づいた時には既に香澄が倒れていた。
「よっしゃ当たったはっはっはざまー見やがれってんだ5分間余裕?捕まるわけがない?残念だったな!?」
「あんまり煽るのはやめなさい。私は今機嫌が悪いの。読み取るのが一瞬遅れた」
読み取り?この動きは既存の融合技ということかしら?
周りを見渡すと雪梛、朝月が頷いてきた…こわ…
とりあえず鬼ごっこは鬼側の勝利ということで終了したようだ…




